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空気猫

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現代パラレルシリーズ番外編1







あるコンビニ店員さんの一日

携帯電話の電子音と共にうずまきナルトは薄っすらと目を開けた。適度に薄暗い部屋。ケロケロケロと間の抜けた目覚まし用の着メロの発信源を止めるべく、布団の中から手が伸びて彷徨う。そして、ここかそこかとぽふぽふ手が空手を掴んで、やっと探し当てた携帯のボタンをぺこっと押した。
「バイト…。お昼から……」
お目覚めの第一声である。金髪のひよこ頭がぴょこんと起き上がる。
「遮光カーテン、買って正解だってばよー」
くあああと大きく伸びをして、ナルトはカーテンを開ける。水色のそれはあの大人と一緒に選んだものだったりする。
「ナールト。たくさんあるけど、どれにする?」
「んー、メールと電話さえ出来ればどれでもいいってばよ」
「おまえ、現代っ子のくせにアバウトだね。最新機種とかでなくていいの?」
「えー、だってさ高いだけじゃん。テレビ機能とかいらねぇし、携帯に何万も使うくらいならカーテン欲しいってば」
「カーテン…?」
「朝日がすげぇ眩しいんだってば、オレの部屋。毎日、目がシパシパするんだってばよ」
「ふうん?」
カカシとナルトが携帯電話の機種変更に携帯ショップに行ったのは先週の日曜日のことだ。以前、居酒屋で〝つい、うっかり〟ナルトの携帯を壊してしまったカカシは、激怒するナルトに新しい携帯を買ってあげるよと反省しているんだかしていないんだか、へらり顔で約束したのだ。大人はその約束をしっかり覚えていたようで「で、いつ携帯買いに行こうか」と訊ねられたのは数日前のこと。
そんなわけで二人はナルトのバイトがない休日を選び待ち合わせ、デートも兼ねての外出することになったのだ。デートだなんて言われると未だナルトは赤面してしまうのだが。
「じゃあさ、これにしない?オレと一緒の携帯。これならナルトに使い方とか教えてやれるし、便利だよ?」
ナルトが目元を薄っすら染めると、カカシが満面の笑みで頷いた。
「よし、決定だね」
「……なんで機嫌いいんだよ。カカシ先生?」
首を傾けて自分を見上げたナルトの頭をくしゃくしゃと撫でると、「だからくしゃくしゃすんなって」とお決まりの台詞が笑顔と共に返って来る。
「ナルト、オレのアドレスも入れてよ?」
「えっ。うん」
「オレも電話するから、おまえもいつでも電話して?」
そんなわけでナルトの新しい携帯の登録№000を、はたけカカシは図らずも手に入れたのだった。
「そうそうここのボタンでアドレス帳開いて?」
「うーん新しいメアドは何にしよっかなぁ」
店を出て新しい携帯の使い方を教えてもらいながら、ぴゅんぴゅん車の行き来が激しい通りを並んで歩いて他愛もないお喋りをしていた。
「ニシシシ」
「おまえなに笑ってんの」
「なーんでもねって」
「?」
「いいから、いいから。カカシ先生ってばちゃんと前を向いて歩けってば!」
カカシとナルトの身長差はカカシの肩にナルト頭が並ぶ程度。ショーウィンドウに映る大人と自分を見比べて、周囲には自分たちはどういう関係に見えるのだろうかと、笑いが込み上げてくる。
二人は友だちでも兄弟でもない。列記とした恋人同士だ。と言ってもまだキス止まりの関係で、性的な繋がりは一切ない。だけど、目を合わせればどちらからともなく笑い合える今の状態が、堪らなく幸せだった。
「何、じゃあおまえの部屋カーテンないの?」
カカシは自分の横を歩く少年を見下ろして、呆れた声を上げた。
「うーん、だって別になかったらないで困らなかったし」
「不用心でしょ。外から丸見えなんだよ?」
「つっても、オレってば男だし裸見られたからって―――」
ジトっとカカシに睨まれてナルトは思わず口を噤む。結局ついでにと立ち寄ったインテリアショップで料金はな何故か半分カカシ持ちで、カーテンを買うことになった。
「彼氏としての必要経費だって。おっかしいの」
言いながらもナルトはくすぐったそうに笑いカーテンを開けて、空を見上げる。広がるのは自分の瞳と同じ色。紺碧の空。
「ん、今日もいい天気だってばよ!」
ナルトはよっしゃと空に向かって両手を上げた。



歯を磨いて、ちょっと遅めの朝食権昼食を食べる。
「ヤベ、遅れる」
洗いざらしのTシャツとジーンズという出立ちナルトは食パンに齧り付いた立ち上がる。スニーカーに足を滑り込ませ玄関の鍵を掛けた所で、メールの受信音が鳴った。
「―――あっ」
携帯の画面を見てナルトは笑みを零す。あとで返信しようと画面を閉じて尻ポケットに携帯を突っ込んで、ナルトはアパートの階段を駆け下りた。



「――――キバ。店に赤丸連れてくるなって言っただろ」
「んだよ、カタいこというなって」
「常識だってばよ」
レジを挟んでナルトは半眼、キバはジャンバーに手を突っ込んだままニヤリと片頬だけ上げて笑う。キバの懐から「キャン!」と糸目の白犬が顔を出して吠えた。
「んじゃ、アレはいいのかよ、おい」
「ガマばぁちゃんはしょうがないんだってば」
コンビニに緑茶を買いに来た近所のおばぁちゃんが散歩綱を付けた飼い犬に引っ張られ、店内をぐるぐる回る光景をズビシ!と指差し、キバが言う。「ナルトちゃんごめんねぇ、あらあらあらあらあら」と笑顔をレジのナルトに向けたままぐいぐい引き摺られるおばぁちゃんは、いいだけ店内を駈けずり回されたあとレジに立ち、「ナルトちゃん佃煮つくってきたからたんと食いんさい。腕によりをかけて作ったけんね」と、プラスチック容器をナルトに渡し、飼い犬に引っ張られながら去って行った。
「すっげ…」
キバは口笛を吹いて、「ガムひとつな」とミント味のチューインガムをレジに出す。
「おまえ、相変わらず人気者だな」
「……へへへ」
力なく肩を落としカラ笑いを漏らしたナルトは、テープだけ貼ってキバにガムを渡した。犬の散歩の途中にキバはよくコンビニに立ち寄る。日曜日といっても高校生の彼等に遠出をする財布の中身はなく、せいぜい近所をぶらぶらしては、暇潰しの種がないか探すか、ナルトのようにバイトをしているくらいだ。
「おまえさー、今日、花火大会いかねぇ。どーせ暇してるんだろ」
だからキバがナルトを遊びに誘ったのは、ごく自然な流れだった。ノリのいいナルトはいつも二つ返事でキバの誘いにノッていたからだ。しかし―――、
「あー…。ごめん!キバ、オレってば今日はムリ」
「はぁ?なんでだよ」
「いや、他に約束があるっつぅか…」
へへへと視線をあさっての方向に逸らしつつ、ナルトが頬を掻く。瞳を瞬かせたナルトの表情が、柔らかくなり、照れ臭そうにはにかむ。キバは呆気に取られたように、金髪の友人を凝視して、ぽかんと口を開けた。
「んだよ、はっきりしねぇな…。は。まさかおまえカノジョか、カノジョなのか抜け駆けかてめぇ―――!?」
「ちちちがうってばよ落ち着けってキバ」
レジ越しに物凄い剣幕で迫ってきたキバに、ナルトはカノジョじゃねーし!と顔を真っ赤にさせて手を前後左右に振って慌てる。
カカシ先生ってば立派なオトコだし、カノジョじゃねぇし!!とナルトは言いたかったのだが、キバは一拍間を置いたあと「そうだよなー」と、レジに乗っけていた片足を床に下ろす。
「大体オレが居ねぇのに、ナルトにカノジョが出来るわけねぇよな。あー安心した」
「はぁ!?なんだとぉ」
「そのまんまの意味だっつーの。ひゃははは」
大笑いしたキバは片手を上げると「邪魔したな」と去って行く。ナルトはキバの背中に「ワリィ、また今度埋め合わせすっから!」と声を掛けたが、それが犬連れの友人に聞こえたかは定かではない。



ナルトのバイトが終わったのはそれから三時間後。履き潰したスニーカーがアスファルトの地面を蹴る。
ナルトの花火大会の先約の主は勿論あの銀髪の大人だ。携帯の待ち受け画面と睨めっこしていたナルトは、夕暮れの空を振り仰ぎつつ、モクモクと煙が立ち昇る工場地帯へと視線を向けた。
待ち合わせの時間まではまだ少しだけ時間がある。
「……久し振りに寄ってくかな」
花火大会のある河原を通り過ぎ、住宅街へとナルトは歩き、迷うことなく目的の場所へと辿り着いた。
身体が覚えていた記憶なのだろうか。それは家路までの道のり。今はもう、そこにナルトが「帰る」ことは正確にはないが。
「こんなに小さい家だったけ」
よく売却もされずに残っていたものだと思う。水色の屋根の平屋。ナルトは思い出より幾分古びた波風の表札の文字を確かめるように撫でる。
ガラにもなく感傷的な気分になった己に苦笑して、もう部外者となってしまった家屋に、足を踏み入れる。
もっと手酷く荒れてるかと思った庭は、短い草がちらほら生えているだけで、思い出の中のままだった。いや、ナルトが小さかった頃は花壇に花やハーブがたくさん植えられていただろうか。
自分が生まれた家。柔らかい土の感触に、懐かしさが込み上げて来て、ナルトは庭の隅っこにある物置きに立った時、まるで自分がほんの小さな子供に戻ったような錯覚に囚われた。
そしてふと思い出す。
「えーと鍵、鍵っと。確かここらへんだったような…。おー、あったあった」
物置の脇にある大木のウロにナルトが手を入れ、中を探る。出て来たのは物置の鍵。己の古びた記憶を辿り、それが一致するたびに説明出来ない喜びが込み上げて来る。例えるなら、ちょっと泣きそうな、だけど嬉しくて面映いような。
「うわ、くしゃみでそうだってば」
ナルトは錆びた鍵を差し込み扉を引き、埃っぽい内部に足を踏み入れた。手で顔を覆いながらも目的のものを探すために、ナルトはきょろきょろと埃の舞う室内を見回して、「おおおっ!」と歓声を上げる。
端から見ていたら15歳の少年が、幼子のように独り言を言って、はしゃいでる光景は相当珍妙に映ったことだろうが、ナルトは目的のものを見つけた高揚感でそれどころではない。
シシシと笑いながら、「宝箱!」とクレヨンで殴り書きされたダンボール箱を頭上に高々と持ち上げる。
「我ながら堂々とした字だってば、将来大物になる器だってばよ!」
物置から出て庭にしゃがみ込み、ナルトは段ボール箱の中身を早速出して見る。中に入ってたのは、おそらくは当時のナルトにとっては宝物だったと思われるガラクタたち。折れた空色のクレヨン、つるつるとした手触りの石ころ、落書きが描かれている画用紙、ひび割れた水鉄砲、炭酸水に入ってるビー玉。
後から後から、なんでこんなもの入れてるのだろうと苦笑が込み上げてくる宝物たちばかりが飛び出して来て当時の自分の思考回路に苦笑する。
しかしダンボール箱の中を漁っていたナルトの手がある一冊の本を手に取った瞬間固まる。ボロボロのページが薄っすら黄ばんだ古ぼけた絵本。
ナルトは何かに吸い寄せられるように、冊子を手に取る。
「灰色ねずみは…、オレの魔法使い?」
それは、子供の頃お気に入りだった絵本のタイトルだ。何度も両親に頼んで読み聞かせてもらったことを今でも覚えていた。ぱらぱらとページを捲っていくと、最後のページでくしゃくしゃの、それも血のついた紙切れがはらりと落ちる。
それを受け取った時のナルトの手が血だらけだったからなのだが、ナルトの記憶には残っていない。
「なんだってばこれ……」
血の付着した紙切れなんて薄気味悪いだけなのだが、不思議と嫌悪感はなかった。ナルトは一度丸められたと思われるシワの伸ばされた紙切れに走り書きされている文字を辿り、小さく息を呑む。
「灰色ねずみの兄ちゃん?」
自分がひとりぼっちだったあの時期。僅かな期間だけどオレの傍にはフードを被った誰かがいた気がした。今の今までナルトはすっかり彼のことを忘れていた。
どうして、今まで忘れていたのだろう、幼いナルトに影法師ように寄り添ってくれた青年の存在。猫背気味の背格好。幼いナルトはよく長い腕に抱き締めてもらった。
顔は…、オボロケで覚えていない。
小さかったナルトには太陽を背にして覗き込む青年の顔が影掛かってよく見えなかったのだ。とくに青年はフードで頭をすっぽり覆っていたので、尚更だった。
「今思えば怪しい兄ちゃんだったってばよ―…」
だけど優しかった。それだけは覚えている。
「……ん、誰かに似ているような?」
若干のいやかなり激しいデジャブを感じたものの、ナルトは目を細めてかくんと首を傾けただけで終わった。
散らかしたダンボール箱の中身をまた元の場所に戻し、ナルトが立ち上がったところで携帯電話のメール受信音が鳴り響いた。
『バイトお疲れさま。今からそっちに向かうよ』
「うわ、戻らなきゃ」
ナルトは血の付いた紙切れを急いでポケットに突っ込む。ポケットの中に入っているガマグチの財布が指の先に掠る。
ナルトは足早に、来た道を戻りながらも、ガマちゃんの中に入っているこれまたクシャクシャの紙切れと、ダンボール箱から出てきた紙切れ見比べて顔が曇らせる。
あの頃はあの青年が自分に何を渡したのかわからなかったが、今のナルトにはそこに書かれている文字がどこに続いているものなのかはっきりとわかっていた。
「……んで」
なんで、とナルトの唇から掠れた音が落とされる。
「なんでだってば灰色ねずみ…。おまえ何者だったんだってばよ」
呟きつつも、ナルトは前方で、電信柱に凭れ掛かっている大人を発見して、表情を明るくさせた。
「ごめんってばカカシ先生、待った?オレってばちょっと寄り道しててさ」
「んー、今来たとこだからいいよ」
おでこを掻き揚げられてキスを落とされ、くすぐったさからナルトはクスクスと笑う。カカシと旧知の人間なら遅刻癖の彼が少々遅れたとはいえ時間通り待ち合わせ場所に現れたことに驚きだっただろう。
「さ、行こうか。花火大会始まっちゃうよ」
「カカシ先生、メールありがとってば。返事なかなか返せなくてごめんなー」
片手を差し出され、ナルトは、目を細めてからカカシの手に指を絡める。男性としては細い方なのだろうが、ゴツゴツとして大きなカカシの指は同性だが、まだナルトにはないもので、骨格が華奢なことを密かに気にしているナルトは憧れてしまう。
「オレもカカシ先生みてぇになれるかなぁ」
「ん?」
「へへへ。オレってばまだまだ成長期で伸び盛り。カッコ良くて立派な大人の男になりたいなぁって思ったんだってば」
「ナルト。おまえ、オレを褒めてもなんも出ないぞ?」
カカシが照れていることが面白かったのか、イタズラっぽくニマニマと笑った少年に苦笑してカカシは身体を反転させた。次の瞬間にはナルトの背中が塀にくっついていた。
「カカシ先生」
「ナルト、ちょっとだけここでキスしていーい?」
カカシはナルトと五指を絡めたまま、口の端を吊り上げる。
「顔、傾けて?」
「わ、でも」
「オレが隠して上げるから大丈夫だよ」
ひと気のあるところではイチャつけないから、ナルトはカカシに隙を見てはよくキスを強請られていた。人で賑わう花火大会ではキスがシヅライことはわかっていたが、ナルトが躊躇っていると、
「はい。時間切れ」
「んっ」
カカシの端正な顔が近付いて来て、ナルトはぎゅっと目を瞑る。
「ん、ん、ん…」
「ナールト、力抜いて楽にしなさいよ?」
何度、唇を重ねてもナルトは一向にキスに慣れない。この先のステップに進むのはいつになることやらと緊張からか肩を上げて身体を強張らせるナルトを見下ろして、可愛いなぁなんて思いつつカカシは角度を変えて何度もナルトの口内を頂く。
とうとう観念したナルトも、カカシの首に腕を絡める。大人がふっと柔らかく笑ったような気がしたが、爪先立ちになって、より深く自分の口の中で蠢くカカシの舌に、外にいることも忘れて翻弄される。ナルトは無意識にカカシの服を握って、甘い吐息を漏らした。
まだキスの合い間の息継ぎになれないナルトは大人の巧みなキスにすぐに酸欠状態になってしまい、逃げうつように下を向くと、いつの間にか、両頬を持たれて、掬い上げられるようにキスされた。眉を顰め薄っすらと瞳を開けると色違いの瞳に情熱的な視線を注がれていた。
この人の恋人になったんだよなぁと実感する瞬間。信じられないことに、自分は十四歳も年上の大人の欲を受け取る存在になのだ。
それもリードされるほう…。年の差や経験値から言ってもカカシがナルトをリードすることは当然の成り行きかもしれないが、戸惑いを隠すことは出来ない。
それを選択したのはナルト自身だが、幼稚園児の恋愛ではないから、キスの延長線上にある行為のことも知っている。カカシから求められたら、受け入れる覚悟は出来ていた。カカシが自分とそういう関係になることを望んでいることも、わかっている。以前に一度だけ冗談のように仄めかされたことがあったから。
だけどそれが、カカシの本音であると、気が付かないほどナルトも子供ではない。
大人のカカシと付き合うことは、肉体的な関係を含んでくるということをナルトは、覚悟していた。
「ん、ちゅ……」
「ナァルト…、可愛い」
「はぁ…ん」
もう子供ではない。わかっている。
カカシの腕がきつく背中に回される。
「―――っ」
壁に押し付けられ、ちゅ、ちゅ、と舌を吸われる。いつの間にか口の端にはどちらのものとも知らない唾液が伝っていた。頭の角度を変えられた瞬間、ナルトのポケットの中でかさりと皺くちゃの古びた紙切れが音を立てた。
魔法使いの住処だよと言って渡された紙切れ。
オレの……、灰色ねずみ。
そう幼いナルトの絶対的な味方であった存在。彼から貰った紙切れには、ナルトを育ててくれた老人が今わの際で渡してくれた紙切れと同じ文字が並んでいた。
ナルトが今住んでいるアパートから駅二つほど距離のそこは、おとぎばなし風に言ってみれば、魔法使いの住処。
ナルトは無意識に、今自分に口付けているカカシの銀髪を愛おしそうに撫でる。カカシと一緒にいると気分が落ち着いた。それがいつ頃から刷り込まれた感情であるか、ナルトはまだ気付かない。
ナルトの絶対的な味方であった灰色ねずみは、今は、はたけカカシと本当の名前を名乗って傍にいる。
くちゅりと濡れた水音が耳に響いて、ナルトは瞳を細めた。
今のオレなら、逢いに行けるかな。
カカシと出会ってナルトの中に起きた心境の変化。
―――……うちゃん。
ああ、また避け続けていた一歩を踏み出す時が来たのかもしれない。











 
 
 
 
 
 
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管理人の生態
自己紹介
名前    空気猫、または猫
職業    ノラ
趣味    散歩・ゴミ箱漁り
餌      カカナル
夢      集団行動
唄      椎名林檎
性質    人間未満

日記    猫日和

ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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