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空気猫

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次の日の朝、ナルトは硬いフローリングの床の上でシーツに包まれ、生まれたままの格好で目を覚ました。なぜ、裸なのだろうかと疑問に思って、ぐるりと自分の部屋のものではない天井を見渡す。床にこびり付いた絵の具。皺ひとつないベッド。油絵の具と、体臭がほとんどないはずのカカシの微かな匂いに満たされた狭い部屋。ここがどこであるか記憶の回路が巻き戻るように思い出した。
自分の顔半分を遮るように回された腕と、耳元に掛る僅かな寝息。足の間に器用に入り込んでいる大人の足は、拘束の域を飛び出して、すでにがんじがらめという言葉が相応しい。ナルトは、そろそろとカカシの腕から抜け出そうとして、またシーツの中に引き戻される。
「ううん…。もうちょっと寝かせて」
「離せってばぁ。カカシセンセ~」
粘着力のやたらと強いアメーバのように、自分の身体に密着する大人の身体をナルトは豪快に引き剥がす。
「うう、なんだか身体のあちこちが痛いってば…」
関節の強張りと、己の下腹に残る僅かな鈍痛。
「水……」
喉の様子もおかしい。ナルトは、子犬が欠伸をするように屈伸し、頭を振るとそこらへんに散らばっていた自分のトランクスとカカシのTシャツを適当に羽織って起き上がったが、
「うぁ……」
身体が宙に浮いたような、微妙な感覚に驚いて、ナルトは2、3歩歩いたところで情けない感じでコケた。
「た、立てねぇ…?」
初めての朝の女の子のような体験を自分がするとは思わず、床に膝を付いた格好で呆然と口をひん曲げる。
横にはナルトをこのような状態に追いやった原因が、シーツに埋もれてスースーと暢気な寝息を立てていた。
「理不尽だ…」
「………んん…」
「うぉ、クソッ。負けてたまるかっ。進め、うずまきナルトっ?」
これまでの人生であまり使ったことのない股関節の筋肉がひきつったように痛い。それどころか、まだ身体の中に何かが入っているような妙な異物感すらあった。
首筋はもちろんのこと、体中に散らばった赤い痕といい、ナルトの初体験の朝というものはボロボロの状態で始まった。
「ナルトー、もの凄い音がしたけど大丈夫…?」
低血圧らしいカカシが、カシカシと後頭部を掻いてやっと起き上がった。
「おはよう」
「あ。はよ……」
「身体、あちこち痛いでしょ。ごめんね?」
「うっ」
「こーら、なんで逃げようとするの」
床に横たわって頬杖を突いてるカカシを振り返るやいなや全力で逃走を試みたナルトは、しかし腰に力が入らなかったのか無様にも床にヘタり込み、そのままカカシに足をむんずと引っ掴まれ、シーツの中に引き戻された。
「んあ、んんんふ…」
「んー」
シーツの中で絡まってくる腕から逃れようとするものの、すぐに唇を塞がれ、息苦しさから呼吸を求めて、口を開けた瞬間に舌を差し込まれた。
カカシはまだ寝惚けているのか、それとも身体を繋げたことによって縮まった距離なのか、いつもよりも強引にナルトの唇を求めて来る。ナルトの息はすぐに上がってしまった。
「んふぁ、カカシ先生…」
「ん、ん、ん。ナルト」
いつのまにかTシャツの中にカカシの腕が侵入して、ナルトの背骨のコツコツとおうとつのある部分をなぞり上げる。ナルトが、奇妙な声を上げて背中を反らした瞬間、シーツの中で異物感を感じた。
「………っあ?」
「あ―…ごめん」
ナルトがパチンと目を見開くとすまなそうに、カカシが謝る。
「カカシ先生……?」
「おまえがあんまり可愛いから勃っちゃった」
「へ!?」
恐る恐る視線を下げていくと、自分のモノではない何かが当たった。
「いやん、エッチ」
「なっ。オレってば別に……!!」
ナルトが赤面した瞬間、カカシのカチコチしたモノが己の下肢に擦り付けられた。
「ひゃ……!?」
「んんん……」
足の間に割り込んできた熱に驚いて、ナルトはカカシをどかそうとしたが、逆に両脇を掴まれ、前後に擦り付けられる。
「やめろってば!」
シーツからやっと脱出したナルトは朝日の眩しさに顔を顰めた。
向かい合っているのは、真っ裸のカカシと伸びたTシャツだけをかろうじて身に着けている自分だった。なんだか居た堪れない。
「ね、ナルト。オレのこれ、舐めてみる?」
「はぁ?」
ナルトが気不味さいっぱいだというのに、大人といえば余裕そのもの。胡坐を掻いたカカシが指差したのは、半勃ちになった己のペニスだった。この場合は朝勃ちという奴なのかもしれなかった。
「な、なんで」
「恋人同士はみんなしてるもんだよ」
「う、嘘吐くなってば」
「本当だよ~。オレもおまえの舐めてやったでしょ?」
疑わしそうにナルトが眉を寄せた。カカシはくつりと音を立てて笑う。男を経験すると大概の女は色っぽくなるものだと世間では言うが、今朝のナルトはつるりと一皮剥けたように大人びた表情をするようになった。
今までセックスしたあとの相手の変化などは気にも止めなかったが、抱いたことによりさらに愛おしくなる誰かと朝を迎えたのは初めてだ。
「それじゃあシャワー浴びてきてあげるから綺麗にしたら舐めてよ」
「えー……」
カカシの提案にナルトは目に見えて閉口した。確かに自分の中に入ったあとのものを舐めるよりは幾らか気分的にもマシかもしれないが…。
「だーいじょーぶ。洗ったらほとんど味しないから」
最初はね…とカカシは心の中でそっと呟く。それに気付いたのか、野生の勘なのかナルトの眉はますます寄る。
「疑わしいってば」
「ま、これも経験だと思ってやってみなさい」
 
 
 
「そうそう、めいっぱい咥えてみて?」
「う、う、うぶ」
「ん、咥えきれなかったとこは手で握って、いつも自分でシテるみたいに擦って?」
「~~~っ。し、してねぇ……っ」
「なーに、ナルト。おまえ、今更自慰くらいで恥ずかしがってどうするの。昨日もっとやらしくて恥ずかしいこと2人でシタでしょ」
カカシの言葉にナルトの耳朶が色付いた。大人と視線を合わせることが出来ないのか、ちゅ、ちゅ、と音を立ててカカシのそそり立つ性器に吸い付いている。まるで、赤ん坊が母親の乳を吸うような口の形だが、育ったよなぁ、なんて8年前のナルトと現在のナルトを比べてカカシは笑みを零す。
「ほら、もっと深く咥えて?」
「んんんんう」
「ん、気持ちイ……」
あの時はただ一緒に眠るだけでいい、自分の欲望などぶつけなくてもずっと傍にいれると思っていた。だが、時が立てば、気持ちも変わるもので、8年経ち15歳のナルトに再会した時、カカシはもう善良な保護者の立場でナルトを見れなくなっていた。いや、それまでもけして清廉潔白な接し方をしていたとは言えないのだが、ある程度の我慢は理性を持って出来ると信じていた。
――まさかこんなに綺麗に育つとはねぇ。愛しさでため息が出る。
金髪壁眼に三本髭は相変わらずだが、ミジンコだと思っていた手足はすらりと伸び、地面を睨んでいた瞳は真っ直ぐ上を向いていた。だからといって眩し過ぎる存在かと言えばそうではなく、ふとした拍子にまだあの日の陰を背負っている。それが危うくて、まだ辛うじてカカシにも手が届いた。
舌足らずな声が、少年期と青年期の境目のような音質となり、笑顔は人懐っこく子犬のようで、性格は男前と来たものだ。歯止めなど出来るはずもない。
「先端のとこちゅーって吸ってみて?」
ナルトはカカシの指示通り先端の出っ張った部分をおっかなびっくり咥えた。
「くっ。―――いいよっ」
カカシは愛おしそうにナルトの頬を撫ぜる。そのままナルトの頬を持ち、自分のものを好きなように擦り付けた。
ぎゅっと目を瞑った瞳にぞくりとした劣情を覚えながら、カカシはナルトの金糸を撫ぜ、小さな頭を己の傍に引き寄せた。
「んー、んー、んーーっ」
「やわらか…」
カカシはナルトの喉奥を突いて、何度か自分の熱りたったものを出し入れした。
「んう、ん、ん、ん」
軽く息を乱して己のモノを半分ほどナルトの中から引き抜いてやると、ナルトの唇は酸素を求めて開き、異物を排除しようと大きくえずった。
「にがぁ…」
「ん、ごめんな」
「無茶するってばよ、カカシせんせぇー」
涙目になったナルトが口の端に垂れた唾液を少年らしい仕草で拭い、はふっとため息を吐く。膨れっ面になったと思ったナルトはしかし、
「あむ……」
ごく自然な動作でカカシから出た先走りを舐め勃起した性器を清めた。そして、ちゅうと音を立てて性器の横側に吸い付く。
「…………」
「………センセ?」
脈打ったカカシの性器を握り締めながら、ナルトは大人を見上げた。カカシの喉が垂下され、下半身と同じく心臓が脈打ったことも知らずに。
「な、なに」
Tシャツを捲り上げる手にナルトの身体は跳ねた。
「だめ。おまえが可愛いのが悪い」
「は?」
「セカンドバージンもオレにちょーだい?」
「オレ、今日ガッコ…うわ、ぷっ!?」
時計を見ればすでに8時を過ぎている。とっくに遅刻だが、せめてホームルームが終わる前には学校に着く算段であったのに。身体中を滑る熱い手。
「ぎゃー。痛い、痛い、痛い。いきなり挿れるなぁ…っ」
「ん。ごめんね、ゆっくり愛してあげるから」
「うわぁ……!」
結局、ナルトが学校に登校出来たのは、正午を過ぎた頃だった。

 










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空気猫取扱説明書概要
ここは二次創作小説置場です。無断転載は禁止。本物のカカシ先生とナルトくん、作者様とは一切関係がありません。苦手な人は逃げて下さい。
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管理人の生態
自己紹介
名前    空気猫、または猫
職業    ノラ
趣味    散歩・ゴミ箱漁り
餌      カカナル
夢      集団行動
唄      椎名林檎
性質    人間未満

日記    猫日和

ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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