空気猫
空気猫
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「いやー。ご迷惑をおかけしました」
呆気なく、それこそ、バラバラになっていたパズルのピースが瞬く間に完成するように、オレの記憶は戻った。それも、ナルトとのキスで。笑い話になりそうな理由ではあるが、まるで、長い長い夢から覚めたように、はたけカカシは帰還したのだ。
「まったく。相変わらず傍迷惑な男だね。結局、ナルトがきっかけかい」
「いやー、これもオレとナルトの愛の深さの賜物ですね。何しろオレとナルトが結ばれることはあいつが生まれた時から――……」
「その口、二度と開かないように医療処置を施してやろうか?」
「はは…。五代目、そのギャグは三代目の時より笑えませんよ」
「猿飛様も苦労をなされたものだな。おまえ、記憶を失くしていたほうがある意味、頭の螺子は締まってしたんじゃないかい?」
「そりゃ、手酷い…」
くくく…、とオレは背中を丸めて笑う。
「しかしまぁ。遅かれ早かれ、オレはこんなふうになっていたと思いますよ」
「?」
「あの子がいる限り、オレは何度でも、このはたけカカシになるはずです」
「なんだい、惚気かい。他でやってくれ」
「はは。まぁ、ナルトにベッドの中でたっぷりと囁いてやることにしますかねぇ」
「―――なんだと、カカシィっ!!!」
直後、室内に活火山さながらの怒号が響き渡るが、その時すでにオレは華麗に火影室から退散したあとだった。
火影室を辞して、廊下を歩いていると、鳥面の暗部が壁に背を預けて凭れかかっていた。オレと目が合うとサスケは、ふんと鼻を鳴らした。
「あと少し遅けりゃ、オレが奪ってやったのに、残念だったな」
「言ってくれるねぇ…。まだまだ、おまえなんかにナルトは渡しやしなーいよ?」
オレがのろのろとした動作で、後頭部を掻くと、サスケが唇の端を上げて、シニカルに笑う。
「てめぇとの任務でしくじった反九尾の勢力はほぼ殲滅に追い込んでいる。今夜中にでも全てが片付くだろう」
「そうか。問題がないようで何よりだ。任務には応援にオレも行くよ」
「…ったく。この間といい一人で敵方に突っ込みやがって、ドベに知られる前に片付けたかったからと言って無茶をやり過ぎた」
オレは、五代目火影から秘密裏に受けた反九尾勢力の殲滅任務で、土砂災害に巻き込まれ、記憶を失くした。土砂に巻き込まれる直前で写輪眼を使って、脱出したものの、打ち所が悪かったらしい。
「ははは。それは、反省しているよ。サスケ、迷惑をかけたな」
「それはオレよりもドベに言ってやれ」
サスケにもっともなことを言われて、オレは頭を引っ掻く。しばらくこの件に関しては部が悪いかもしれない。
「あと、それとは別に、2、3日前に一般の里人に被害が出ているのだが…。銀色の鬼が出たというふれだったが…、何か知らないか?」
「さぁ?なんのことやら?」
わざとらしくとぼけると、サスケもそれ以上追及してこなかった。
「それにしても、サスケ。おまえ、オレが記憶を失くした時にあることないこと、随分とオレを煽ることを言ってくれたじゃない?」
「オレがナルトを特別に思っていることは嘘じゃなかっただろ」
「久し振りにオレの愛の鞭が必要みたいだねぇ~」
「はっ。ど変態が。もう、てめぇなんかに簡単にやられる年齢でもねぇよ。あんまり頑張ると、ギックリ腰にでもなるぜ?」
「おまえね。男は三十代からな~のよ。尻の青いガキにはまだまだ負けるわけがないでしょーよ」
「はん。その気の抜けた顔、地面に這い蹲らせてやろうか?」
水面下で互いに牽制し合っていると、黄色いチャクラがこちらに向かってくる。「てめぇな…」それだけであっさりと身を引いたオレに、サスケが呆れたような視線を送った。
「ま、おまえへのお礼は次の任務の時にでも取って置きましょーか」
傍目にもわかるくらいうきうきとした様子で窓に足を掛けたオレに、黒髪の青年は舌打ちをしたようだった。
「よ!ナールト」
苦もなく金髪頭を発見して、建物の上から地面に降り立つと、ナルトはかなり驚いた顔をしてから笑った。
「今、カカシ先生のところに行こうと思ってたところだったってばよ」
「うん。おまえの匂いがしたから、先に来ちゃった」
「先生。なんかそれ、本当に犬っぽい…」
「ま。オレは追尾型の忍者だからねぇ~。って、それより、ナルト~~。まぁたイルカ先生とラーメン食べてきたでしょ?」
「え?わかるってば?」
「ぷんぷん、オレ以外の匂いがするからねぇ。ナルトさぁ。どーして、昔からイルカ先生とばっか一楽に行っちゃうわけ?」
「だって、カカシ先生は、ばぁちゃんに報告があったじゃん…っ?」
ナルトがたじろいでいるようだが、オレはこんなことじゃ引き下がらないよ。
まったく油断も隙もあったもんじゃない。オレはナルトを抱きしめる。
ナルトには自覚がなさすぎるんだよ。
「大体さぁ。ナルト、どうしてオレの記憶が失くなっている時、すぐにオレの恋人だって言ってくれなかったわけ?」
確かに、色々とタイミングが悪かったことは認めるが、ナルトは〝馬鹿じゃねぇの。オレがカカシ先生の恋人なんだってばよ!〟とふんぞり返っていても文句は言われなかったはずだ。
「ううう…」
「それに、嘘も吐いたでしょ」
「へ?え?う、うそだってば?」
オレってば吐いてないってばよ?とナルトがきょとんとする。
「吐いたでしょ?悪い夢を見た時の対処法」
「!!!」
ナルトがビクンと震えて、オレから逃げようとする。しかし哀しきかな、リーチの差でナルトは易々とオレの腕の中に収まってしまった。
「懐かしいなぁ。オレが色々試してもナルトはまったくだめだったもんねぇ。で、一番効いたのはなんといっても…」
「わわわわわ」
ナルトが泡を食っている。オレは、桜貝のような耳に唇を寄せ、囁く。
「オレがこうしてやること」
「~~~~っ!!」
「ナルトが悪夢で飛び起きた時は、オレが人肌で抱き締めてあげたもんねぇ?」
「うあああああああっ。声に出していうなってばよ!!!」
「あの頃のナルトは可愛かったなぁ。すんすん泣きながらオレの乳首に吸い付いてきちゃったりしてさぁ」
「んなことまでしてねぇし!!!!」
「してました~。〝カカシせんせぇ〟っていいながらちゅうちゅう吸うもんだから、先生困っちゃったなぁ」
「~~~~~~~っ」
よほど思い出したくないことだったのだろう。ナルトはオレの腕から逃れると、苦虫を百匹くらい噛み潰した顔で、そさくさと逃げて行こうとする。そうはいかなーいよ?
「カカシ先生!買い出し行く約束だろ!先に行ってるからな!!」
「ははは。待ってよ、ナルト。そんなに急がなくても商店街は逃げやしな~いよ?」
「ううううるせぇの!」
ナルトがオレを睨みつけている。そんなところは、昔からちっとも変わらない。
「ナルト…」
ナルトは後頭部まで赤くさせている。そんな青年の背中に、オレはぽつりと呟いた。
ナルトには聞こえなかったかもしれない。
だが、それでいい。
「大好きだよ。オレを好きでいてくれて、ありがとう」
今回、記憶を失くしてわかったこと。それは、オレはナルトに何回も恋をするということ。はたけカカシというちっぽけな人間は、うずまきナルトという存在に惹かれずにはいられないということだ。
これから何があったとしても、はたけカカシという男は何度でもうずまきナルトという愛おしい存在に恋をするだろう。
呆気なく、それこそ、バラバラになっていたパズルのピースが瞬く間に完成するように、オレの記憶は戻った。それも、ナルトとのキスで。笑い話になりそうな理由ではあるが、まるで、長い長い夢から覚めたように、はたけカカシは帰還したのだ。
「まったく。相変わらず傍迷惑な男だね。結局、ナルトがきっかけかい」
「いやー、これもオレとナルトの愛の深さの賜物ですね。何しろオレとナルトが結ばれることはあいつが生まれた時から――……」
「その口、二度と開かないように医療処置を施してやろうか?」
「はは…。五代目、そのギャグは三代目の時より笑えませんよ」
「猿飛様も苦労をなされたものだな。おまえ、記憶を失くしていたほうがある意味、頭の螺子は締まってしたんじゃないかい?」
「そりゃ、手酷い…」
くくく…、とオレは背中を丸めて笑う。
「しかしまぁ。遅かれ早かれ、オレはこんなふうになっていたと思いますよ」
「?」
「あの子がいる限り、オレは何度でも、このはたけカカシになるはずです」
「なんだい、惚気かい。他でやってくれ」
「はは。まぁ、ナルトにベッドの中でたっぷりと囁いてやることにしますかねぇ」
「―――なんだと、カカシィっ!!!」
直後、室内に活火山さながらの怒号が響き渡るが、その時すでにオレは華麗に火影室から退散したあとだった。
火影室を辞して、廊下を歩いていると、鳥面の暗部が壁に背を預けて凭れかかっていた。オレと目が合うとサスケは、ふんと鼻を鳴らした。
「あと少し遅けりゃ、オレが奪ってやったのに、残念だったな」
「言ってくれるねぇ…。まだまだ、おまえなんかにナルトは渡しやしなーいよ?」
オレがのろのろとした動作で、後頭部を掻くと、サスケが唇の端を上げて、シニカルに笑う。
「てめぇとの任務でしくじった反九尾の勢力はほぼ殲滅に追い込んでいる。今夜中にでも全てが片付くだろう」
「そうか。問題がないようで何よりだ。任務には応援にオレも行くよ」
「…ったく。この間といい一人で敵方に突っ込みやがって、ドベに知られる前に片付けたかったからと言って無茶をやり過ぎた」
オレは、五代目火影から秘密裏に受けた反九尾勢力の殲滅任務で、土砂災害に巻き込まれ、記憶を失くした。土砂に巻き込まれる直前で写輪眼を使って、脱出したものの、打ち所が悪かったらしい。
「ははは。それは、反省しているよ。サスケ、迷惑をかけたな」
「それはオレよりもドベに言ってやれ」
サスケにもっともなことを言われて、オレは頭を引っ掻く。しばらくこの件に関しては部が悪いかもしれない。
「あと、それとは別に、2、3日前に一般の里人に被害が出ているのだが…。銀色の鬼が出たというふれだったが…、何か知らないか?」
「さぁ?なんのことやら?」
わざとらしくとぼけると、サスケもそれ以上追及してこなかった。
「それにしても、サスケ。おまえ、オレが記憶を失くした時にあることないこと、随分とオレを煽ることを言ってくれたじゃない?」
「オレがナルトを特別に思っていることは嘘じゃなかっただろ」
「久し振りにオレの愛の鞭が必要みたいだねぇ~」
「はっ。ど変態が。もう、てめぇなんかに簡単にやられる年齢でもねぇよ。あんまり頑張ると、ギックリ腰にでもなるぜ?」
「おまえね。男は三十代からな~のよ。尻の青いガキにはまだまだ負けるわけがないでしょーよ」
「はん。その気の抜けた顔、地面に這い蹲らせてやろうか?」
水面下で互いに牽制し合っていると、黄色いチャクラがこちらに向かってくる。「てめぇな…」それだけであっさりと身を引いたオレに、サスケが呆れたような視線を送った。
「ま、おまえへのお礼は次の任務の時にでも取って置きましょーか」
傍目にもわかるくらいうきうきとした様子で窓に足を掛けたオレに、黒髪の青年は舌打ちをしたようだった。
「よ!ナールト」
苦もなく金髪頭を発見して、建物の上から地面に降り立つと、ナルトはかなり驚いた顔をしてから笑った。
「今、カカシ先生のところに行こうと思ってたところだったってばよ」
「うん。おまえの匂いがしたから、先に来ちゃった」
「先生。なんかそれ、本当に犬っぽい…」
「ま。オレは追尾型の忍者だからねぇ~。って、それより、ナルト~~。まぁたイルカ先生とラーメン食べてきたでしょ?」
「え?わかるってば?」
「ぷんぷん、オレ以外の匂いがするからねぇ。ナルトさぁ。どーして、昔からイルカ先生とばっか一楽に行っちゃうわけ?」
「だって、カカシ先生は、ばぁちゃんに報告があったじゃん…っ?」
ナルトがたじろいでいるようだが、オレはこんなことじゃ引き下がらないよ。
まったく油断も隙もあったもんじゃない。オレはナルトを抱きしめる。
ナルトには自覚がなさすぎるんだよ。
「大体さぁ。ナルト、どうしてオレの記憶が失くなっている時、すぐにオレの恋人だって言ってくれなかったわけ?」
確かに、色々とタイミングが悪かったことは認めるが、ナルトは〝馬鹿じゃねぇの。オレがカカシ先生の恋人なんだってばよ!〟とふんぞり返っていても文句は言われなかったはずだ。
「ううう…」
「それに、嘘も吐いたでしょ」
「へ?え?う、うそだってば?」
オレってば吐いてないってばよ?とナルトがきょとんとする。
「吐いたでしょ?悪い夢を見た時の対処法」
「!!!」
ナルトがビクンと震えて、オレから逃げようとする。しかし哀しきかな、リーチの差でナルトは易々とオレの腕の中に収まってしまった。
「懐かしいなぁ。オレが色々試してもナルトはまったくだめだったもんねぇ。で、一番効いたのはなんといっても…」
「わわわわわ」
ナルトが泡を食っている。オレは、桜貝のような耳に唇を寄せ、囁く。
「オレがこうしてやること」
「~~~~っ!!」
「ナルトが悪夢で飛び起きた時は、オレが人肌で抱き締めてあげたもんねぇ?」
「うあああああああっ。声に出していうなってばよ!!!」
「あの頃のナルトは可愛かったなぁ。すんすん泣きながらオレの乳首に吸い付いてきちゃったりしてさぁ」
「んなことまでしてねぇし!!!!」
「してました~。〝カカシせんせぇ〟っていいながらちゅうちゅう吸うもんだから、先生困っちゃったなぁ」
「~~~~~~~っ」
よほど思い出したくないことだったのだろう。ナルトはオレの腕から逃れると、苦虫を百匹くらい噛み潰した顔で、そさくさと逃げて行こうとする。そうはいかなーいよ?
「カカシ先生!買い出し行く約束だろ!先に行ってるからな!!」
「ははは。待ってよ、ナルト。そんなに急がなくても商店街は逃げやしな~いよ?」
「ううううるせぇの!」
ナルトがオレを睨みつけている。そんなところは、昔からちっとも変わらない。
「ナルト…」
ナルトは後頭部まで赤くさせている。そんな青年の背中に、オレはぽつりと呟いた。
ナルトには聞こえなかったかもしれない。
だが、それでいい。
「大好きだよ。オレを好きでいてくれて、ありがとう」
今回、記憶を失くしてわかったこと。それは、オレはナルトに何回も恋をするということ。はたけカカシというちっぽけな人間は、うずまきナルトという存在に惹かれずにはいられないということだ。
これから何があったとしても、はたけカカシという男は何度でもうずまきナルトという愛おしい存在に恋をするだろう。
終わり。
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管理人の生態
自己紹介
名前 空気猫、または猫
職業 ノラ
趣味 散歩・ゴミ箱漁り
餌 カカナル
夢 集団行動
唄 椎名林檎
性質 人間未満
日記 猫日和
ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
職業 ノラ
趣味 散歩・ゴミ箱漁り
餌 カカナル
夢 集団行動
唄 椎名林檎
性質 人間未満
日記 猫日和
ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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