空気猫
空気猫
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つまりは和服姿のナルトさんが縁側でサクモさんのことを「お義父さん」とか言ってお茶出したら、床に転がっちゃうだろ~~~~~~っ。っていう連載。
肝試しの夜。突然、生き返ってしまったカカシの父、はたけサクモ。いったいどういった仕組みで、彼が常世に再び現れてしまったか、火影すらもわからず、科学班の調査を持っている状態だ。結局、急場凌ぎとして、彼は昔暮らしていた一戸建て木造りの平屋の屋敷でカカシとナルトと共に生活することになった。死人が生き返ったとなれば、里人の混乱を招き兼ねない。そこで、カカシとナルトがサクモの警護とサポートに抜擢されたというわけだ。
「二人に迷惑を掛けてしまって、すまないねぇ…」
息子とそっくりの仕草で背中を丸めて、本当に申し訳なさそうにサクモが微笑む。だが、脆く壊れてしまいそうな儚さが、彼にはあった。
「まぁ。オレも父さんにまた会えて嬉しいから、気にすることないよ」
「そうだってば。オレもカカシ先生が生まれた家に住めて嬉しいし…」
カカシは自分の隣に並ぶナルトを驚いたように見降ろす。サクモもまたそんな息子の様子と、カカシの頭一つ分小さいナルトに目を向けて、瞳を細めた。
「ナルトさんは、何歳なのかな?」
「あ、今年で二十歳になります!」
「そうかい。ということは今は19歳かな?忍としてもまだまだ成長盛りの年齢だね。私もどういう形であれ、息子の恋人に会えて嬉しいよ」
サクモに微笑まれ、ナルトはビックリしたように俯いてしまう。
「あの、その…っ。オレ、男なのに、カカシ、さんと、あの、ごめんなさ…っ」
「素敵なお嫁さんがうちに来てくれて、嬉しいよ。よければ、私のことも気兼ねなくお義父さんと呼んでくれて構わないからね?」
「………っ!!!」
にっこりとサクモに微笑み掛けられ、ナルトが電撃を受けたように固まってしまい、「あれ、ナルト。どうしたの、おーい」カカシは恋人の異変に、目を丸くした。
「父さん…。オレとナルトは結婚したわけじゃなんだから。流石に気が早すぎるよ…」
「そうかい?しかし、こういうことは早めにきちんと言っておいた方がナルトさんも安心するだろう?」
カカシがまたナルトの顔を覗き込めば、ナルトは、またなぜか顔を真っ赤にさせている。そして「恰好良いってば…」と呟かれた一言を、カカシは聞き逃さなかった。
(もしかして、もしかしなくても…)
己の父親を見て、ぽー…となっているナルトの姿。ナルトを、愛娘を見るような目付きで見詰め、ニコニコと笑う父。二人の間に漂う妙~な空気。
(ナルトってジジ専…!?)
幼少期、三代目に育てられたナルトは、他の若者と感性が斜めうん十度ズレているところが元々あった。それに加え、普通なら同じ年くらいの子を可愛いだとかで、好きになりそうなところを、心惹かれるのはシルバーグレイのオッサンという感性調教を下忍時代からされていることも大きい。そう、ナルトの好みは、カカシ寄りに調整されている。
だから、インプリンティングをした当の張本人が冷や汗だらだらで焦ってしまう。う、うそでしょ。父さんがライバルーーー!?これはかなり部が悪い。父親なのだから、自分に似ているのは当然だ。そうなれば、自ずとナルトの好みのラインにもかなり引っ掛かるということになり、ジジ専であるナルトからすれば、自分より父の年齢の方がヒットラインになるのではないだろうか。昔から父はモテたと思う。自分もそれはモテたが、モテの質が違った気がしないでもない。言うなれば、(ど天然で色気を振り撒くんだよ…うちの父さんは…)そんな人間相手にまったく勝てる気がしないカカシであった。
一戸建ての優しい雰囲気が漂う家屋。古き良き、年月の重みを感じさせる木造に、風通しの良い縁側付き。そこに佇むは、着流しの着物を着た、壮年の男。灰銀色の髪を一纏めにして肩に垂らし、存在は儚いほど薄い。彼は、縁側に座りながら、日向に視線を落としては、時折瞳を細めていた。
「格好良いってば…」
給仕をする手を止めてナルトは、ほう…と感嘆のため息を吐いた。そうして、サクモと、にこ…と目が合った瞬間に、かぁあああっと頬が火照らした。
「妻の着物が、蔵に残っていて良かったよ。若いナルトさんには少し地味な柄かもしれないけど、よく似合ってる」
「そんな…っ。オレ、サクモさんにそう言ってもらえて嬉しいです。でも、オレがそんな大事な着物を着て良かったんですかっ?」
和装のナルトは、おぼんを持ったまま、恥ずかしさのあまり顔を隠してしまう。そんな恥じらうナルトに目を細めて、サクモはふっと笑う。
「ナルトさんにこうしてもう一度袖を通して貰って、妻も喜んでいるだろう。よく似合う…。まるで、死んだ妻が帰って来たかのようだ」
「……~~っ」
サクモの一言にナルトは静かに悶絶をかます。またおぼんの向こうに隠れてしまいそうになった青年を、サクモはほっそりとした手が手繰り寄せる。
「あ…、サクモさん…っ」
「ナルトくん。そろそろお義父さん、と呼んでくれても構わないんだよ?」
「え、あ…お、お義父…さっ」
きゅうきゅう、とサクモにふれられた掌が熱い。ただ視線を注がれているだけなのに、それなのに。お、おれってばどうなっちゃうんだってばよ~~っ!!とナルトが瞳を瞑った時だった。
「ドベ…。いったいなんのコントをしてやがるんだ…」
「さ、さっすけ~~」
助かった、とばかりに謎の呪縛から逃れたナルトが、頬を桜色に染めて、パタパタとサクモの元から立ち上がる。そして、仏頂面の幼馴染の元に着くが早い、着物姿のままタックルをかまし声を潜める。
「もう耐えらんねぇ。あ、あれは天然のお色気の術だってばよ~!!!」
ぐぇ、とサスケから嫌な異音が発されるがお構いなしでナルトは、大仰にのたまった。男のままでも出来るんだ!!と、元悪戯っ子の青年はゼーハ―ゼーハーとと肩で息をする。
「カカシ先生とはまた違った落ち着いた雰囲気があるっていうか、あの笑顔で、はんなり微笑まれたら、なんだか身も世もなくふにゃふにゃになってしまうんだってばよ!ある意味、カカシ先生の百倍タチが悪いってば~~」
ナルトの訴えに、サスケは面白くなさそうに顔を顰める。彼は元々、サクモが常世に突然出現したことに、疑心暗鬼なのだ。
「ああ、そこに居るのはカカシの弟子の、サスケくんかい?そんなところに居たら、冷えるだろう。うちに上がってお茶でも飲んで行きなさい?」
二人の青年のそれぞれの思惑を気にすることもなくサクモは、確か、綱手さんから頂いた茶菓子があったと思うのだが…とのんびりと縁側から立ち上がる。緩慢な動作だが、一流の忍として長年培われてきたであろう如才の無さがそこには身に付いていた。サスケはそれに目を細めつつ。
「確かに。カカシには出せない余裕だな…。あの野郎は間違ってもオレを家の中で持て成さなかった…」
「サスケの見分けの判断はそこの点だってば?」
ナルトが不思議そうにサスケの顔を覗き込み、「おまえってカカシ先生にそんなに嫌われたっけ?」と、〝家にあげたくなかった〟原因になった本人がどこまでも鈍いことを言う。サスケはナルトのそんな様子にため息を吐きつつ、
「サクモ…、さん。すいません。オレはこれから私用がありますので、また今度お邪魔させて頂きます」
暗に任務だと、匂わせサスケは、僅かに礼をする。この青年にしては礼儀正しい方であろう。
「そうかい。いつでもいらっしゃい。息子の弟子は、いつでも歓迎するよ」
「だ、れが、あんにゃろの、でっ……!!そんなこと一度だって……!!」
「ん?」
「………っ!!!」
なんだか、邪気のない顔で微笑まれ、流石のサスケも絶句する。斜め横からの視線を感じつつも、サスケはバツが悪そうに、出掛かった罵倒の嵐を引っ込め、
「な、なんでもねぇ…」
と呟くに留めた。じぃ、と和装のナルトが窺うように、こちらを見ている視線を感じる。サスケは赤くなった目元を隠すように、ぶつぶつと呟いた。
「確かに…。あれは恐ろしい色気だ…。本当に40歳過ぎなのか…?」
「おう。サクモさんの時代って戸籍がちゃんとしてなくて、細かい年齢はわからないらしいんだけど、今のカカシ先生より10以上年上なのは確かだってば」
「恐ろしいな」
「ほんと、恐ろしいってば…」
ナルトは、はふっとため息を吐いたものの、満更そうでなさそうな様子で。どうやらこの生活を楽しんでいるらしかった。
恐ろしきhatake家。ちなみにサクモさんの現役時代の二つ名は「ノンケ落としのサクモさん」
モテたってレベルじゃありません。
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空気猫取扱説明書概要
ここは二次創作小説置場です。無断転載は禁止。本物のカカシ先生とナルトくん、作者様とは一切関係がありません。苦手な人は逃げて下さい。
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管理人の生態
自己紹介
名前 空気猫、または猫
職業 ノラ
趣味 散歩・ゴミ箱漁り
餌 カカナル
夢 集団行動
唄 椎名林檎
性質 人間未満
日記 猫日和
ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
職業 ノラ
趣味 散歩・ゴミ箱漁り
餌 カカナル
夢 集団行動
唄 椎名林檎
性質 人間未満
日記 猫日和
ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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