空気猫
空気猫
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
木の葉喫茶のマスターは波風ミナトで四代目になる。三代目マスターは、猿飛という名の老人で、もうこの世にはいない。四代目マスターは金髪碧眼の年齢不詳のいつもニコニコした男で、妻子持ちだが、戸籍の婚姻暦の欄にはペケが1個付いている。
どうやら、最近ようやく8年ぶりに最愛の息子と再会したらしく、機嫌はえらくいいが、従業員に対する扱いが滅法厳しくなったと、もっぱらの噂であった。
「オレはぜーーーったい2人の関係を認めないからねっ!」
木の葉喫茶に、四代目マスターの雷が落ちた。カウンターの前には、背中を丸めてジュースのストローに齧り付いているナルトと、「ははは…いやぁ」とふざけた笑いを漏らしているカカシの姿。
気の抜けた従業員の様子に、四代目マスターはこめかみに青筋を立てた。
「ウチの可愛いナルくんをどうしてカカシくんなんかに掻っ攫われないといけないのっ。パパは認めませんっ。ナルくんには、ナルくんには可愛いお嫁さんが来るんですー!!」
「ミナト、落ち付きなさいよ」
怒髪天を付いたミナトを宥めたのは、その日木の葉喫茶に輸入雑貨を置きに来るために来店したクシナだった。なぜか彼女は、ブラックカラーのシンプルなエプロンにシャツという姿で、店の給仕めいた手伝いまでしていた。
「母ちゃん、オレがカカシ先生と付き合ってるって知ってたの?」
「あら、私は見た瞬間に2人が付き合ってる仲だってことに気付いていたわよ」
「クシナさん!?」
ミナトが、愕然とした声を上げて、元妻を凝視した。信じられない、といった表情だ。
「ふふふ。いやーね、私が気付かないと思ってたの?女の勘よ?」
クシナは笑いながら肩を跳ね上げてウィンクをする。とても40歳近い年齢とは思えず、その仕草はチャーミングさを兼ね備えとても似合っていた。
「ナルくん、いいかい。絶対、絶対、カカシくんの家になんて行っちゃダメだよ」
「と、とうちゃんっ?」
「絶対、絶対だよ。カカシくんの部屋になんて行ったら妊娠させられるからね!」
「に、にんしんっ?」
余りに鬼気迫るミナトの様子に、ナルトはちょっぴり自分と出会う前のカカシは一体どんな大人だったのだろうと思ってしまった。また、男は妊娠しないと思うが、それを父に指摘するべきかそれとも黙って頷くべきか、非常に迷うところであった。
「ナルくんはしばらくカカシくんと会うの禁止。わかった?」
「でも、父ちゃん。そんなのカカシ先生にあんまりだってばよ?」
「う゛。そ、そんな可愛い顔してお願いしてもダメだよ。パパはそんな手には引っ掛からないんだからね…!」
しかしその1週間後。ミナトはクシナたっての希望で海外に輸入家具の仕入れに手伝いに行くこととなる。「新婚旅行みたいだわ」と無邪気にはしゃぐクシナの横でミナトは、本来なら笑顔で出発したことだろうが不安のあまりほとんど涙ぐみさえしていた。
「ナルト。暇なら今週の日曜日、オレの家に来る?」
嵐のごとく海外に旅立った夫婦を見送ったあと、しんとした空気の中カカシは隣にいるナルトに話しかけた。少年の答えは―――…。
スプーンとフォークでお気に召すまま13 << | HOME | >> 人生という名の隙間に挟まってました。 |
PR
空気猫取扱説明書概要
ここは二次創作小説置場です。無断転載は禁止。本物のカカシ先生とナルトくん、作者様とは一切関係がありません。苦手な人は逃げて下さい。
カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
猫耳探偵事務所
仔猫ちゃんたちがキーワードから記事を探索してくれます。
管理人の生態
自己紹介
名前 空気猫、または猫
職業 ノラ
趣味 散歩・ゴミ箱漁り
餌 カカナル
夢 集団行動
唄 椎名林檎
性質 人間未満
日記 猫日和
ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
職業 ノラ
趣味 散歩・ゴミ箱漁り
餌 カカナル
夢 集団行動
唄 椎名林檎
性質 人間未満
日記 猫日和
ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
足跡