空気猫
空気猫
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うずまき上忍はモテモテです。
うずまきナルト(19歳)、中忍女子の間では将来有望な憧れの先輩ナンバーワンとされる綺麗な青年忍者である。もっとも、蓋を開ければ案外ガサツなところがあったり、ドジでそそっかしいところもあるのだが、年下の女の子や後輩男子にはもれなくそうした欠点が見えないらしく、「格好良い」「優しい」「男前だ」という盲目っぷりを発揮して、キャーキャーワーワー言われている。
同年代の女子からすれば、欠点もないキラキラ男子などそんなもの夢と幻である。春野サクラ(19歳)、傍目から見ればキラキラ男子2名が同班男子で尚且つ幼馴染みという立場の彼女ではあるが、今のところそんな彼等の被害をこうむって〝春野先輩には手を出せない〟と彼氏ナシ。
「サ、サクラちゃん…」
「馬鹿ね、ナルト。アンタ、上忍になってもこんなものが怖いの?」
「だってさぁ。ここ、第四演習場だってばよ…。ヤマト隊長に、この間ここには中忍になれなかった下忍の魂が夜な夜な彷徨ってるって下から顔ライトで脅かされたんだってば」
自分より身長が頭一つ分ほど高い大の男にしがみつかれ、春野サクラは諦めのため息を吐いた。
「ふん。ドベはいつまで立ってもドベだな」
サクラのたくましい(?)腕に齧りつくナルトを冷たい視線でうちはサスケが射抜く。「サスケェ~~」とどこか恨みを込めた瞳で、ナルトがサスケを睨み付けた。
うちはサスケ(20歳)。里に戻って来たサスケの監視係を自らかって出たのはナルト本人だ。
「サスケのことはオレが最後まで責任を持って面倒をみる!」と聞きようによっては、中忍女子が「きゃー!」と黄色い声を上げそうになることを、後輩男子が男惚れを起こしそうになる事を堂々と言ってのけた男前男子である。
「どうして上忍にもなって肝試しなんだってばよ~」
「しょうがないでしょ。新人歓迎の恒例行事だからって言われちゃあ…、わたしたちに拒否権なんてないじゃない」
さぁ、行くわよ!と、昨今の異性以上に男前な彼女は金髪の青年の腕をぐいっと引っ張って死の森の中を大胆に歩いて行く。桃色と金色の性別逆転コンビにうちはサスケ上忍はため息を吐きつつ、妙な気配がたくさんある、巨木の上に呆れた視線をやった。
「うずまき、今日も可愛いな」
木の上に居るのはまだ若い暗部や上忍等だった。ちなみに全員男である。
「ああ、可愛い」
歳はナルトたちよりは少し上だろうか。今夜の肝試しにあってはナルト等より若い連中も数名混じっているかもしれない。
「ナルト先輩はすぺしゃる可愛いです…」
「お。おまえ、初恋がうずまきだっていう去年の新人だろ」
暗部と言えばむさ苦しさは男所帯さながらだ。
「はい。ナルト先輩とは暗部時代のSSランク任務の際にご一緒させて頂いたんですが…」
女性暗部とて、男以上に女前の女性が多く、むしろそれなら可愛い同性に視線が行くのも、特殊な世界なら珍しい事ではなかった。
「ほぉ?」
「〝オレの仲間は絶対殺させねぇ〟〝絶対諦めるな!〟と絶望的な戦況にも関わらずチーム全体に激を飛ばされ、足を負傷したオレの肩を担いで…」
「キラキラした瞳で」
「男前に〝オレはおまえのことを絶対見捨てねぇ〟と言われたんだな」
「――そうです!先輩方、どうしてそれを!?」
驚いた顔の去年の新人に、先輩上忍等はどこか遠い目で、明後日の方を向いた。
「いや、可愛いよなぁ。うずまきは」
「鑑賞に値する可愛さだよな」
「どうして〝カレシ〟も〝カノジョ〟もいないんでしょうか。あんなに可愛らしい方なのに」
新人の一言に、場全体が凍り付いた。
「誰の許可があって、ナルトのことを〝可愛い〟って?」
見計らったように妙に間延びした猫撫で声が響いた。
「ナルトが可愛いのはわかってるけど、聞き捨てならない言葉を聞いたなぁ」
「貴方は―――…。カカシ先輩っ。どうしてここにいらっしゃるんですか!?」
戦く新人と、ざざざざと血の気を引かせた上忍等。そこに居た、若い上忍等は一斉に下を向いて黙したという。
「あーあ、ナルトは今日〝肝試し大会〟なんだってさぁ」
「そうですか…」
「オレも行っちゃおうかなぁ。悪い虫を払いに」
「だめですよ、任務中なんですよ」
「それもほら、もう終わったし。ナルトはさぁ、あの子あの歳になっても幽霊とか怖い子なのよ。そういう美味しい時は恋人として一緒に居てあげたいわけじゃない」
「…今、カカシ先輩が行くと逆に変な霊を一体か二体憑けて行きそうですけど」
テンゾウことヤマトは、鋼糸でバラバラになった血だらけの死体を見下ろして、先輩暗部に対してため息を吐く。カカシは死体の一つに興味なさそうに視線を落とすと、尻に付いた砂埃を払った。
「火影様も人が悪いな。ナルトが男共の群に放り込まれる時に限ってオレに裏任務だなんて…。オレが何をしたって言うんだろうねぇ」
「火影様は近年輪を掛けてナルトを可愛がってますから…」
ヤマトが苦く笑って死体処理のためにタグを死体のタグを切り始めると、カカシが立ち上がる素振りをした。
「カカシ先輩、ツーマンセルの相手がオレだからって任務をサボらないで下さいよ」
「信頼してるよ~、テンゾウ」
それこそ幽霊のように気配が消えたカカシにヤマトはため息した。
「ナルト先輩。あんなちゃっちぃ仕掛けにいちいち怖がっちゃって可愛いなぁ」
「春野先輩は男らしいなぁ」
木の上に隠れた暗部等は「んぎゃー」「あんぎゃー」と泣き喚く金髪碧眼の上忍を目の保養に、死の森の中を歩く春野サクラとうずまきナルト、遅れて続くサスケを眺めていた。
ナルトは、頬にひっついたこんにゃく(紛れもなくただのこんにゃくだ)に、この世の終わりかのような声をあげて横のサクラに叩かれている。
今回の肝試し大会でお化け役をかって出た暗部たちのほとんどはナルト目当てだ。夏と言えば肝試し、肝試し大会と言えば、出会いの少ない若い暗部たちの絶好の出会いの場であったりする。脅かし役等は元より、実を言うと脅かし役と脅かされ役で恋が芽生えたりするわけである。
――例えば。「うらめしや~」と井戸ならぬ木のウロから出て来たのは、ばっちり幽霊の扮装をしているが、よく見れば何度かナルトと任務が一緒になったことのある後輩忍者で、見知ったナルトを見つけると彼は血糊を付けたまま満面の笑みを浮かべた。
「ふぎゃぁああっ」
「うらめしや~、手裏剣が一枚、二枚……」
「怖いってばよぉ」と地面に蹲るナルトにお化け役の暗部は苦笑すると、
「あの~、ナルト先輩。今度、一緒に甘味屋行きませんか~~?」と明るい声でナンパを始めた。
「ひゃぁあああ~~」
「あの~、ナルト先輩?」
「ぎゃああああ~~。ごめんなさい、ごめんなさいっ」
「好きです。オレと付き合って下さい」
噛み合わない会話に春野サクラが見兼ねて「駄目よ、こいつ。完全に怖がっちゃって聞いちゃいないわよ」と言わなければいけなかった。
「残念です。またお会いしましょう。ナルト先輩」
「もうなんだよ、おまえ。お化けなんかに会いたくねぇってばよ~~~っ」
ぎゃーーー、と涙目になりながらナルトが答える。その後も何故かお化け等が率先して一番ビビっているナルトの傍に現れるので、ナルトはほとんど恐慌状態になった。そのうえ、子犬のように震えているナルトを幸いとベタベタと触り捲って帰って行くのである。横のサクラはもちろんご立腹である。
「―――あんたねぇ、忍者がそんなんで任務が務まるの!?」
「だって、サクラちゃん。オレってばフワフワ宙に浮いたり、半透明になって堂々と出てこねぇ女々しい奴等は苦手なんだってばよ!なんか言葉で説明出来なくてゾーっとするんだってば!!」
任務はちゃんとやるってばよ!!と両拳を握って、ナルトがサクラを見上げた。ウルウルとした瞳は下忍の頃を変わらずで、サクラはため息した。
「腰、引けてるわよ。あんた」
「ううう。ごめんってば」
「しかし、たまに出て来るトラップは流石は上忍専用だな」
サスケが、重しの付いた鋼糸を投げるとそこに出現したのは、落とし穴だ。底には身体を貫通したらそれこそ大事になりそうな無数のトゲが待ち構えていた。三人は同時に顔を見合わせる。
「新人の腕試しも兼ねてるってところかしら。上等よ」
「おう。お化けは苦手だけど、こっちは任せろってばよ!」
「ふん。ドベ。足、引っ張るんじゃねえぞ」
誰に言ってるんだってばよ!とナルトがサスケの挑発に息をまいて一歩踏み出す。そこにあるのはサスケが発見した落とし穴で、信じられないことにナルトはものの見事にその中に落っこちた。
「あ、――馬鹿」
「ぎゃ~~~っ」
上忍らしからぬ失敗をしたナルトに、サスケとサクラが同時に飛び出す。「ウスラトンカチが!」「ナルトのドジ!!」2本の手が落とし穴の中に伸ばされて、ぼふんと誠に忍者らしい音を立てて煙と共にナルトが消えた。
「ナルト先輩、大丈夫ですか!!」
「うずまき、大事はないか!?」
「オレのナルト先輩が~~」
「どこに行った。完全にうずまきの気配が消えたぞ!?」
総勢30名は超すのではないかという上忍や暗部がソロゾロ虫のように沸いたのを見て「先輩方…。どこにそんなに隠れていたんですか…」
春野サクラは顔に青白い棒線を、サスケは「ウスラトンカチどもめ…」と後輩暗部等に明日シゴいてやるとばかりに呆れた視線を送った。
「ふぎゃーーーーーっ。おー、ちー、るーっ」
「な~ると?」
「……へ?カカシせんせぇ?」
浮遊感と共に、次は安定感のある巨木の上に着地した。バタバタと暴れていた胴に腕を回され、頬に後ろから息が掛る。そこに居たのは顔を半分以上隠した上忍だった。
「カカシ先生、今日は任務だろ。どうしてここにいるんだってば?」
「んー。終わってすぐにここに駆け付けて来ちゃった」
「うぇぇ、なんでだよっ?」
「ナルトに会いたかったからに決まってるでしょ。もー、ナルトに悪い虫が付かないか心配で心配で…」
「へっ?」
ぺたぺたと顔じゅうを這い回るカカシの手にナルトは綺麗に静止した。
「誰にも触られなかった?おまえのキラキラした髪の毛!すべすべのお肌!オレにしか許してない、オレの形に馴染んだナルトの綺麗な―――」
「うわーーーーーー」
まさかとは思うが、18禁用語が飛び出しそうなカカシの台詞をナルトは慌てて遮った。まるで漫画のような光景だ。
「カカシ先生。なななななに言ってくれちゃってるんだってばよ!!」
「ん?真実」
可愛い、と抱き締められナルトは見事に石化した。青年になったとは言えナルトは華奢な方なのですっぽりとカカシの腕の中に収まる。
「ふんふん…ナルトの匂いだねぇ。だけどオレのナルトの匂いに混じって複数名の男の匂いがする。――最悪」
「へ!?」
そんなことわかっちゃうのかよ!?とナルトはカカシの腕の中から逃れて巨木の幹に背中をくっつけた。そんなナルトに再びカカシの手が伸びる。
「当たり前でしょ。ナルトのことなら、オレは髪の毛の先から爪先まで全~部知ってるんだよ」
「うわわわ、言うなってば―」
「まったく…。おまえはオレのなのに…」
自覚ある?とカカシはナルトの耳元に囁いた。
「オレだけのこの髪の毛をいったい何人の男が触わられたの?」
「ひゃ…」
「オレだけのこの綺麗な肌にいったい何人の男が触れたの?」
「―――んっ」
「その瞳で男を誘って、声で誘惑したんでしょ…?」
「ちがっ」
己の金糸を這い回るカカシの指に戦いてナルトは払いのけようとしたが。
「ナルトの髪の毛を梳いて、肌を合わせて触っていいのは、恋人のオレだけなの、わかった?」
睦言のように言葉を落とされて、ナルトは抵抗していた手を止めた。
「う。カカシせんせぇ…」
「そのうえ、ベタな落とし穴に落ちてオレのことハラハラさせるし。
おまえね、今どきあんな下忍でもやらないようなドジして上忍失格だよ?」
呆れた声色で指摘され、ナルトは顔を真っ赤にさせた。
「カカシせんせぇ…。あのオレってば…」
「―――本当。いつまでもオレを夢中にさせる子だよ、おまえは」
「ナルト。はい、ちゅー」とカカシは口布に指を掻けると、啄ばむようなキスをナルトに強請った。
「ん、んう…」
「はぁ。安心する…」
「んふ…。はぅ、ぁ…ん」
息継ぎの間に、カカシの舌がナルトの口内に侵入し貪欲に歯列の間を貪る。カカシはキスで喘ぐナルトを薄目を開けて観察しつつ、悪戯な手を伸ばし青年の耳の裏を擽った。
「ねぇ、ナルト。ここも触られた?ここは?」
「――あっ、ふぁっ」
それだけで敏感なナルトは、ゾクりと震えたようにしてカカシに縋った。「ここ、いい反応するねぇ」耳元で囁くと、金糸がイヤイヤとふり乱れた。ナルトはそのまま襟足をカカシに弄ばれ、熱い吐息をカカシの首元に落とした。「溜まってた?ナルト?」
「カカシ先生は、エッチしに来たのかよ。オレってば肝試しの途中で…。だから、ダメだってばよ?」
「本当は、おまえに集る虫を追い払いに来ただけど、興奮しちゃった…」
「へ、へぁっ?」
カカシはナルトを己の股の間に跨らせると布越しに主張するモノを押し付けた。そのまま嫌がる青年の細い腰を持って何度も上下させる。
「あ、あんっ。う、うそ。カカシ先生のもう硬いってばっ?」
「だから、言ったでしょ。興奮したって…」
耳元で熱く囁けば、ナルトがとろんとした表情でカカシを見た。
「ね、ナカが駄目なら手か口でやってくれればいいから…」
「で、でもさ…こんなところでするなんてオレってば」
「ねぇ、可愛くご奉仕して?」
カカシはナルトの手を握ると、それを自身の下半身へと導く。
「ナルトは興奮するでしょ?」
「―――あっ」
「ほら。ちゃんと両手で持って、扱いて?」
ナルトはカカシの手に包まれそそり立った幹を握る。にゅるにゅるとした感触と共にナルトの手がみるみる精液で汚れた。
「いや…」
ナルトが思わず顔を背けると、「どうして、目を離すの?」と意地悪げに口の端を吊り上げた長年の恋人が居た。
「おまえ、いつも散々オレのこれ美味しいって食べてるでしょ。今更、初めて触るわけでもないし?〝うずまき上忍〟?」
「うあ…ぁっ」
「それともうずまき上忍はオレのを握ってるだけで感じちゃう淫乱さんなのかな?」
金髪の青年の、啜り泣きのような押し殺した声が漏れた。「可愛い」とカカシがそのおでこにキスをしているところを見ると、この上忍は相当捻くれた性癖を持っているに違いない。そのままカカシはナルトのことを膝の上で疑似セックスでもしているように上下に揺すった。ナルトの切ない喘ぎ声が森の中に落ちた。
「あれ、なんか。誰かのため息が聞こえたような?」
唐突に、他の忍の声が聞こえた。ナルトの身体がビクりと強張り、そこは流石に上忍らしく気配を薄くさせる。下を見れば、若い感じの忍が数名歩いていた。
「ナルト先輩、どこに行ったのかなぁ」
「ちぇ、オレもナルト先輩を脅かしてお触りしたかったぜ~」
話題が自分の事であると知ったナルトは、カカシの懐に頬を寄せ息を顰めた。
「さっき。ナルト先輩、触り放題だったらしいぜ」
「本当かよ。羨ましいなぁ。第一部隊の奴等め」
「どさくさに紛れて告白した奴もいたらしいが失敗したらしいな」
「当然だ!ナルト先輩はんな尻軽じゃねぇもんな。貞操の硬い人なんだよ」
「とか言っておまえだって機会があれば告白したい、と思ってるんだろ」
「ああ。当然だろ。そして、あわよくば恋人の座に」
「おまえ大胆だなぁ~~」
「あー、ナルト先輩とセックスしてぇ…」
「ははは。ちがいない…」
若い忍たちは言いたい事だけ言うと、また森の中に消えて行った。後に残ったのは絶句するナルトとカカシで、目に見えてカカシの機嫌が悪くなったのは、カカシの服の裾を掴んでいたナルトにはありありとわかった。
「あー、やっぱり来て正解だった」
かなりご立腹のカカシは、半眼で森の奥を睨みつけていた。まさかとは思うが、本気で嫉妬して怒っているのだろうか?
「カカシ先生?」
「んー…ナルト」
にっこりとナルトの大好きな笑みが返って来た。思わずほわんとなっていると。
「おまえ、なに触り放題にさせてるのよ~~」
「うわー、カカシ先生。不可抗力だってばよ!」
まさに恋人の雷が直下でナルトに落ちた。
「あいつら~~。今度、暗部部隊に殺虫剤撒いてやろうか!それとも逆さ吊りにして火影岩の上で晒してやろうか!」
「カ、カカシ先生!若い奴等の言うことだし…」
「なに、言ってるの。ナルト!おまえは自分がどれだけ美味しい存在なのかちっともわかってないでしょ~~!?」
「へっ?へっ?おいしい?だって、オレ、男だし…。サクラちゃんならともかく…」
「ナ~ル~ト~!!」
「うわーーっ」
「おまえ、おしおき決定」
そこに、怒髪天をついたカカシが居た。ナルトは表情を引き攣らせて、己の運命に蒼褪める。
「ご、ごめんなさいってばぁ~~」
「だーめ。許さない」
カカシはナルトの後頭部を引き寄せると、唇を食んだ。
「ん…、ちゅ、んんん…センセ…」
「そう。いい子だね…。オレのナルト。おまえが誰のモノなのか思い知らせてあげる…」
カカシは柔らかな金糸を指で梳きながら、半開きになった唇の隙間から舌を入れる。甘く温かな口内に目を細めつつ、彼は夏の夜に美味しく恋人の口の中を頂いたのであった。
「あ、あん。だ、だめ。カカシ先生」
「どうして?」
「ここ外だってばよ。人。そうだ、人がいるかも知れねえし…っ」
ナルトは忍服の中に侵入して背中を這うカカシの熱い手に焦ってしまう。思わず、艶めかしい吐息が出た。
「はっ。そんな可愛い抵抗でオレが止まると思ってんの?甘いよ?」
助けてくれってばよーーー!と思わずナルトは天に向かって祈った。そしてその願いはなんと聞き届けられたのである。
「さぁ。覚悟を決めて、オレの膝の上に跨りなさい」
年下の恋人に対して最悪な要求をしている時、ガサガサと茂みを掻き分ける音が響いた。
恋人とのイイ時間を邪魔されてなるものかとカカシが思わずクナイを構えると、
「カカシ…」
聞き覚えのあるトーンの低い声がカカシの耳に聞こえた。それはどこか懐かしいような、だけど信じられない人の声で、肝試しの夜に彷徨い出て来てしまったとある人物だった。彼の登場に周囲の気温が1℃は確実に下がる。
「父さん…!?」
「え……!?」
目を見開いたカカシとカカシの首に腕を回して膝に跨っていたナルトは、お互いに固まって、茂みの奥から現れた人物を凝視した。現れたのは、死んだはずのはたけサクモで。カカシは完全に思考停止。ナルトは金魚が酸欠になった時のように口をパクパクさせている。
「その子はおまえの恋人かな。男の子のようだが…。カカシ」
「う、うそでしょ…。父さん…」
夏の夜とは得てして超常現象が起こり易いもの。常世と向こう側の境界線が曖昧になり、懐かしきかの人がやってくる。そんな肝試しの夜のことであった。
大方の予想を裏切りナルトパパさんではなくサクモさん。
そのうちはたけ親子ものを書きます。
空気猫取扱説明書概要
ここは二次創作小説置場です。無断転載は禁止。本物のカカシ先生とナルトくん、作者様とは一切関係がありません。苦手な人は逃げて下さい。
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猫耳探偵事務所
仔猫ちゃんたちがキーワードから記事を探索してくれます。
管理人の生態
自己紹介
名前 空気猫、または猫
職業 ノラ
趣味 散歩・ゴミ箱漁り
餌 カカナル
夢 集団行動
唄 椎名林檎
性質 人間未満
日記 猫日和
ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
職業 ノラ
趣味 散歩・ゴミ箱漁り
餌 カカナル
夢 集団行動
唄 椎名林檎
性質 人間未満
日記 猫日和
ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
足跡