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空気猫

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猫さんがどれだけオトナルに夢を見ているかとくと味わうがいい!
(オトナルは背中に大輪の花を背負ってると思います効果音はシャランラ)
でわknock、knockからどうぞー。

 




「カカシ先生いい加減にしろってばよー!」
火の国、木の葉の里。麗らかな午後のある日。伸びやかな青年の声が、アカデミーの校庭に響いていた。12歳に満たない子供たちに囲まれているのは、金髪碧眼の二十歳前後の青年で、通常より長い鉢巻型の木の葉マークの額宛てが風に靡いて、青年の金糸を一際美しく見せている。
青年の名前はうずまきナルト。現在、不慮の事故で足を骨折して入院中のうみのイルカの代理として、一週間前からアカデミーの下級クラスの担任を受け持つことになった風変わりな毛色の臨時教員だ。
彼の特徴をあげるとすれば、忍者としては、目立ち過ぎる色彩も然ることながら、まず、第一に声が大きい。そのうえ、忍なのに、気配を隠そうとしない。教師のくせにおっちょこちょいで、落ち着きがなく不器用だ。廊下では、教材を満載したダンボール箱を両手に持ってコケている姿をよく目撃され、本当に上忍なのかと生徒たちに首を捻られることもしばしばで、忍のくせに人懐っこく無防備で女子生徒からクッキーなどを差し入れられるとこれ以上ないほど、綺麗な笑顔で笑う。
だが、彼は紛れもなく、この里の代表格と成りつつある上忍なのだ。隠れた実力はもちろんのこと、懐は大きく、面倒見も良い。生来のノリの良さから男子生徒とは休み時間に一緒になってはしゃぎ笑い、美しい容姿のため女子生徒からは憧れの視線を向けられる。褒める時は褒め、叱る時はがっつり叱る指導方針。座学よりも課外授業が多いことが難点だが、生徒と一緒になって授業に望み、よく笑い、よく仕事に励み、そのうえ器量良しときたものだ。器量の面はプライスレスオプションではあるが、これ以上、アカデミーの教師として適任の教師も居まい。
そんな新米臨時教師に、一つだけ悩み事があった。
「カカシ先生!」
それは、彼の恋人はたけカカシのことだ。
「毎回、毎回、オレの授業を邪魔して何が楽しいんだってば!」
額宛てを靡かせたナルトは腰に手を当てて、カカシを怒鳴り散らす。
「邪魔なんてしてないよ」
「カカシ先生がいると生徒たちが集中できねえんだってば」
上忍はたけカカシは、課外授業中のナルトと生徒たちの傍で、木の幹に背を預けて、素知らぬ顔で本のページに目を落としていた。
「子供の前で堂々とエロ本を読むんじゃねー」
ナルトの注意もなんのその、18禁本を片手にカカシは怪しい笑いを漏らす。
「カカシ先生―!!!」
ムキーというナルトの怒鳴り声が地響きとなって、職員室で呑気にお茶を啜っていたベテラン教師スズメに、茶を噴かせた。
「ナルト先生、なんであんな人と付き合ってるんですか」
授業が終わり、何名かの生徒を引き連れて一楽に向かう途中の道で、生徒の一人がそんなことを言った。ナルトは困ったように三本髭の頬を指で引っ掻き、自分たちの一歩後ろをのそのそとした足取りで付いてきている上忍にちらりと視線を向ける。
「いやぁ、まぁ、なんつーか………カカシ先生とオレの付き合いは結構長くてさ。別れる理由もないし、成り行き?」
「ええええ、そんな感じなんですか!?」
信じらんなぁい!!と女の子たちが騒ぎ出す。彼女たちの目は大恋愛の果ての関係でなければいけないと如実に語っていた。
「でも、ちゃんと好きだってばよ…?」
ナルトは照れが入るのか、はにかんだように顔を赤らめて笑う。その笑顔が落ち着いていて、伏せられた睫毛が余りに綺麗だったから「ナルト先生って意外に大人なんですね…」まだお付き合いの経験のない女の子たちが声を顰めて密かに尊敬の眼差しを送る。
熱の籠った眼差しに欠片も気付かず、ナルトはまた微笑む。
「……ああ、見えてもいい人なんだってばよ」
「あれのどこがですか!?」
猫背の上忍を指差して生徒全員が声を揃えた。「ははは……」とナルトが乾いた笑みを漏らす。そう言えば、自分も初対面の時はなんて胡散臭い教師なのだと思っていたのを思い出し、子供たちに自分とカカシとの間に流れている関係をどうやって説明しようかと頭を悩ませた。
確かに、四六時中暇さえあればエロ本を読み、左目を額宛で隠し、顔の半分以上を口布で覆った表情の伺えない忍は怪しいことこの上ないかもしれない。
そのうえ、カカシと来たら一楽でも子供たちを押しのけて、ちゃっかりナルトの隣の席を陣取り、子供たちと諍いを起こすのだ。ぎゃーぎゃー騒ぐ子供たちを余所にイチャパラ本を片手に無言でナルトの横をキープする姿は大人気ないという以前に変人の域に達しているかもしれない。
「あのさ、あのさ、カカシ先生ってば実はマスクの下は凄くカッコイイ人なんだってばよ」
「ええ、うそぉ!」
ナルトの微妙に外れたフォローに女の子たちが一斉に騒ぎ出す。ナルトはまた「ハハハ」と笑い、後ろを歩く大人に助けを求めたが、カカシは相変わらず本のページに目を落としたままだった。
(ちぇー…カカシ先生ってばぜーんぶ聞いてるくせに知らんぷりだってば)




「うおー、食った食った」
一楽を出てからも相変わらず、子供に囲まれたナルトと、後ろを歩くカカシの距離は変わらない。夕暮れの空に、すでに見え始めた薄っすらと浮かび上がる三日月。月が、近い。
次の瞬間、ナルトは身体をぴくりと強張らせた。背筋を駆け上がるその感覚は…。
「……――わりぃ。おまえら今日はここまでに勘弁してくれねぇ?」
「えー!!」
「今日はナルト先生の家に連れてってくれる約束だったのに」
「ごめんな。今度、埋め合わせをするから」
ナルトの腰元に群がっていた子供たちが抗議の声を上げるのを「わりい!」と手を立てに振って謝罪して、ナルトは解散の合図を告げる。ぶつくさ文句を言う子供たちと別れ、あとに残ったのはナルトとイチャパラ本に目を落とした大人だけだった。
夕暮れの空の下、沈黙がしばらく上忍二名の間で落ちて、最初に口を開いたのは、金髪碧眼の青年の方だった。
「………カカシせんせぇ」
「なあに?」
「今日、暇……?」
言わずと知れたことを尋ね、ナルトは息も絶え絶えに自分の上忍服のベストを鷲掴んで、近くの壁に凭れ掛かった。体温も上昇しているようで、頬が上気している。
「…………っはぁ」
「月が赤いな……」
「……そうみてぇ」
睫毛を震わして、身体の芯から湧き上る疼きに耐える青年の頬を撫でながらカカシが答える。「んん、カカシせんせぇ……」とナルトが物欲しそうにカカシを見つめ、熱の灯ったため息を漏らした。
「カカシ先生が欲しいってば。シヨ…?」
日頃のナルトの性格からは考えられない露骨な誘い文句と情事の催促。
「オレの腹の中、掻き回して?」
「ナルト……」
「そのために、オレに傍にいてくれてたんだろ…?」
「オレは、大切な恋人の望みならいつでも喜んで抱いてあげるよ?」
「ありがとうってば…」
「もちろんそれ以外の時もね?」
「うん。早くカカシ先生とシタいってば。シテ?」
熱っぽい瞳が誘うように、眇められた。はぁはぁと荒く甘い息を吐き、色っぽく自分を見つめる青年に、カカシはごくんと喉を垂下させる。
「ここで可愛がられるのと、オレの部屋で可愛がられるの、どっちがいい?おまえに選ばせてあげる」
カカシの声に耳を撫でられて、ナルトが鳥肌を立てる。寒いのではない、吐息を掛けられたところが熱いのだ。擦り切れそうな理性でナルトはカカシの首に縋り付いて「オレの家っ。早く運んでってば」とだけ呟いた。







 
 
 
 
 












 
 
 
 
 ちなみに某響さんとこ寄贈のオトナル先生と微妙にリンクしています^v^
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空気猫取扱説明書概要
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管理人の生態
自己紹介
名前    空気猫、または猫
職業    ノラ
趣味    散歩・ゴミ箱漁り
餌      カカナル
夢      集団行動
唄      椎名林檎
性質    人間未満

日記    猫日和

ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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