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空気猫

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灰色ネズミの頃から精神的に成長していない先生と歪みに気付かない暢気なナルトくん。






「カカシセンセ…っ。あ、やだっ」
「ナルト。大丈夫、怖いくないよ。ゆっくりオレに身体を任せてくれればいいから」
「いやぁ。痛い。ふぁぁ…」
「―――っあ。挿ったよ、ナルト。あっ、あっ…、気持ちいい…」
「ひっく…」
「凄い。ナルトの中、絡みついてくるよ…。こんなことならもっと早くおまえのことを抱けば良かった」
ナルトの肉壁がざわざわとカカシのペニスを包み込む。ナルトの腕が拒むようにカカシの頬に当たる。目尻から零れる涙に、苦悶の表情。突き上げるたびに上がる、か細い悲鳴。全てが、カカシを興奮させる材料でしかなく、自身を打ち込むたびに、ナルトの深い部分と繋がる一体感に身体が歓喜していた。
「センセー、センセー…。もー…、やだぁ…」
「ナルト、ナルト、ナルト…」
気分はサイコーだった。







「サイテーでしょ……」
はたけカカシ三十歳。何がいけなかったのだろう。禁欲生活には相当の自信があったのに、所謂、夢精というものをしてしまった朝である。
恋人の少年の痴態を思って、自分の分身は朝から大変元気だった。カカシは根が淡白な性質なのか、思春期の頃だってこんな状態で目覚めた経験はあまりない。
「最近、抜いてなかったからなー…」
利き手を所在なく彷徨わせた後、仕方なく自身を握り込む。それはカカシにとってはほぼ義務的な作業でしかなく、達した後は虚しささえ感じる行為だった。
「……――っナルト」
どくん…と脈打って精液が自分の手を汚す。頭に思い描いたのは、夢の中のナルトの痴態で、我ながらヘコんでしまうチョイスだ。
「なんで、強姦なんだよ…」
せめて合意。涙を零し暴れるナルトの足を押さえつけて、圧し掛かっていた夢の中の自分。レイプだなんて、ヘコむどころの騒ぎではない。恋人同士になったのに、心を通じ合わないセックスをする趣向はカカシにはない。少なくとも、ナルトに対してだけはやるつもりはなかった。
しばらく、日和見老人のように薄っぺらな布団の上でぼんやりしていたカカシは、出勤の時間を30分程過ぎたところで起き上がる。
テーブルの上には、開けられないままのインスタントコーヒーの袋に、食べ掛けて途中で飽きたと思われる完全栄養食品の固形物。そしてシンプルで素っ気ないデザインの長封筒だった。カカシは、2、3日前に届いて、テーブルの上に置きっぱなしになっていた封書を破り捨てる。
「今更、オレに用なんかないでしょ…」
誰に向けるでもない独り言を紙面に並んだ見覚えのある名前に向かって呟く。
「あー、吐き気がする。気持ち悪い…。―――だめだ。ナルトに会わなきゃ」
トラッシュ缶を蹴って、中から溢れたゴミが荒れた部屋の風景の一部になる。呪文のように〝ナルトに会わなきゃ〟とまた呟いて、ふと開けっ放しのドアの奥にある洗面所の鏡に映る自分の表情を見てうんざりした。
日に当たってないせいで死人のような肌の色。半分だけ開いて垂れ下った両目。自分と狂人の違いをいったいどうやって、見分けるというのだろうか。こんなにも自分はイビツに歪んでいるというのに。
そんなカカシの部屋の中で、ただ一つだけ埃も被らず、ベッドの上に飾られているものがある。ナルトがカカシの誕生日プレゼントだとくれた観葉植物だった。カカシは愛おしそうに、葉の部分を撫で、想い人の代わりに唇を寄せる。
「大切にするよ…本当なんだ。おまえだけは大切にするから……」
ナルトだけは大切にする。だっておまえはオレの全てだから、絶対傷付けない。ナルトの嫌がることはしない。
「ナルトはあの女とは違う…。ナルトはあの女とは違う…」
綺麗で、はにかんだ笑顔が眩しくて、きっと腹を裂いても、あの子の内臓はつるりとして綺麗に決まっている。
「………ナルトってどんな声で啼くのかな」
口の端が、吊り上がりそうになって、はっと我に返る。ああ。ちがう、ちがう、ちがう、ちがう、ちがう。スキなんだ、スキなんだ、スキなんだ、スキなんだ。自分は、純粋に、ナルトが好きなんだ。カカシは洗面所に蹲ってしまった。
ナルトを好きになれた。この気持ちだけはドロドロの汚くも醜い自分の中で唯一誇れる点なのに。初めて、大切にしたいと思った。だから、自分勝手な肉欲なんかで汚したくない。
だけど、長くなるキスの時間。密着したい身体。大きくなる欲望の種。ナルトの、吐息を思い出すだけで勃ち上がるだなんて、あの子には絶対に知られてはいけない。




その日、ナルトは学校の小教室の中でため息を100回ほど吐いていた。
「うがーーーーー、オレってばもう我慢できねぇええぇ。外は秋晴れで良い天気なのに、なんでオレがこんな狭い場所に閉じ込められてなきゃいけないんだってばよ」
木の葉学園には定期テストで30点以下の点数を取った生徒は秋休みに補習をする制度がある。ナルト・キバはその補習組みの常連であり、よく放課後、補習組み用の小さな教室の中に押し込められていた。
連休の貴重な時間を割かれるというのは、少年少女にとってかなりの痛手であり、補習を受けたくなければ必死こいて勉強しろ、というのが学校側の主旨なのかもしれないが、いつの時代も、教師泣かせの生徒というものは存在するものである。
何しろ、この補習教室という空間自体が曲者なのだ。当たり前だが、補習教室に勉強にやる気があったり、出来る者がやって来ることは少ない。つまり、風邪を引いてテストを欠席した者以外は、必然的に学校や試験に対して程よくやる気のない人種が集まるわけで、そんな生徒を狭い教室内にぎゅうぎゅう押し込んだ所で勉強しようという雰囲気が出来るわけがない。
補習プリントを前に居眠りをする者、窓から上半身を出して乾し布団状態になっている者、ひたすら携帯を打っている者、紙飛行機を飛ばす者、何故か水彩道具を持ってきて本格的なお絵描きを始める者(それも恐ろしく上手い絵だ)、もちろん補習自体をサボっている生徒もいるだろうが、とにかく集まった生徒たちを見渡すだけでも、ここはどこかの幼稚園なのだろうか、いや幼稚園以下だという長閑な光景が広がることとなる。
今日も、小教室内には何ともやる気のない空気が漂っていた。今回はその中にシカマルが珍しく加わっている。彼の場合は、テスト中に居眠りでもしてしまったのだろう。
キバは学ランの懐に忍ばせていた赤丸にビーフジャーキーをやっている。その前席で「うーんうーん」と唸り声を上げたナルトが爆発したのは補習室に閉じ込められること一時間後だった。かなり堪え性のない部類に入るだろう。
「キバ、脱走するってばよ」
「あぁ、中抜けか?」
「そ。5時半までに戻って来ればオレたちが抜け出したなんて誰もわからないってば」
「うお、それ面白そう。遊びに行こうぜ」
「だろ。おっし、決まり!」
ナルトとキバは腕をクロスさせて拳を握り合う。
「オイオイ。見張りのイルカ先生が来たら、どう言い訳すりゃいいんだよ」
「オレたちはすっげー長いトイレに行ったっていってくれってば」
「大だよ、大!!」
「きったねぇ理由…」
「ふははは、オレたちに不可能はないんだってばよ!」
「シカマル、プリントは任せた」
「また補導員に捕まっぞ」
窓に足を掛けつつ、敬礼した二名にシカマルは「めんどくせぇ」とため息を吐く。
「この辺りの補導員の顔は全員覚えたってば!!」
「オレたちの記憶力舐めるなよシカマル」
ナルト等はその記憶力をもっと別の所に使えば、もう少し優秀な成績を収められたかもしれない。
一階の教室の窓から地面に着地して塀に攀じ登る。しかし、所謂『塀越え』なることをしでかそうとした瞬間、教室のドアが開いた。
「おおい、勉強は進んでいるかー。――って、ナルトォ、キバ。おめーら何をやってるんだぁ!」
「ぎゃ、イルカ先生」
「やべ、逃げろ」
イルカの怒号が響き、それに驚いたナルトは「うわっ」と塀からバランスを崩した。






「ナ、ナルト。なんで!?」
「へ、カカシ先生!?」
真っ逆様に地面に向かって激突しそうになったナルトの身体を受け止めたのは、一見ひょろそうな男の腕だった。カカシは一旦ナルトの身体を支えたものの、バランスを崩して地面に横転した。
「イテテ。おまえ、随分と変わった登場の仕方するね」
「し、仕方ねぇだろ。避けようがなかったんだって。あ、ごめんカカシ先生」
「いーよ。それより怪我はない?」
カカシを下敷きにしていることに気付いたナルトは慌てて起き上がろうとするが、反対に腕を引き寄せられる。
喫茶店に一日中で働いているためか、煙草と珈琲の匂いが染み付いたコートに、顔を埋めて、ナルトはバツが悪そうに身動きした。
「大丈夫だってば。カカシ先生がキャッチしてくれたからオレってばへーキだったみたい」
「そう。良かった」
頬の3本髭の痣を撫ぜられて、ナルトはふにゃりと笑みを浮かべた。
「おぉーい、ナルト。そろそろオレの存在に気付けよ…」
「うぉ…。あ、キバ。おまえも落っこちたのかよ」
「うぅ…。くそ痛てぇ。なんでおめーだけ助けられてるんだよ。ズリィだろーがよぉ」
「ご、ごめ…。大丈夫かキバ?」
「顔面強打だバカヤロー」
キバは少なからずナルトに特別な想いを寄せている。まだキバ自身は、自分の気持ちに勘付いてはいないが、時に身体は心より正直なものだ。憎からず想っている少年の窮地に活躍したいと思う気持ちが行動に出た。
しかし、キバは塀から落ちたナルトに手を伸ばし助けようとはしたものの、反対に自分もバランスを崩してしまった。
もちろん、カカシの視界には学ランの高校生2名が、有に2メートル半ある塀から落下してくる光景はばっちり見えた。しかし、そのうち約1名を完璧に無視し、金色の方だけ迷わずキャッチした彼はまったく自分に正直な男である。
カカシは、ナルトと同じ制服を着ている物体Aに視線を向けて、遅ればせながらにそれがナルトの同級生であることに気が付いた。別段その少年が骨を折ろうとどうしようと関係ないが…どうやら少年はナルトの友人のようである。
「きみ。大丈夫かい?」
「だから大丈夫じゃねぇーって。って。えっ、いや。ハイ大丈夫っす」
ナルトに話し掛ける調子で文句をぶう垂れていたキバは、突然聞こえた低くてやたらといい声に、思わず敬語になってしまった。
冷たいコンクリから顔をズラして、横転した姿勢のまま世界を横に見れば、銀髪の男がいた。男の傍らには散乱した食材が転がっている。オレンジが1個、2個、3個。4個目まで数えたところでキバは不思議に思った。
その他にもトマトにセロリ、ニンジン、赤ピーマン、砂糖と塩を一袋ずつ、赤カブを小さなダンボール1箱に、人間の頭部程ある牛肉の塊。すっげぇ大食らいの人なのかっ?
図らずもナルトと同じ感違いに行き着き、何故、ナルトはあの男と親しくしているのだろう、と不思議に思った。ナルトは男が転がしたオレンジを男に手渡して、はにかんだように笑っている。それは、今まで見たことのない類の表情だった。見ているこっちが照れ臭くなるような笑顔だ。相手が年上だからだろうか。ナルトはいつもより肩の力を抜いているように見える。
だが、ナルトをよく知るキバに言わせれば、ナルトは大人が苦手だったはずだ。とくに今、銀髪の男がやるように、頭を撫ぜるようなスキンシップを、どこか恐れていた。それなのに目の前のナルトは、ごく自然な雰囲気で男の手を受け入れていた。
「カカシ先生、くすぐったいってばよ」
弾むような声が聞こえてくる。
「キバ。カカシ先生がオレンジ1個くれるって。良かったな」
「カカシ先生……?」
「あ。そっか、キバにはまだ話してなかったっけ。この人はカカシ先生。本当は〝先生〟じゃねぇんだけど…――」
「―――ナルト。大丈夫か。落ちるんじゃねぇよダッセぇ」
「シカマル。はれ、イルカ先生は?」
「卒倒中。おまえ、あとでイルカ先生に謝れよな。イルカ先生が心労で入院したらおまえらのせいだぞ」
「ニシシ。わりぃ。だってさーイルカ先生って反応が一々面白れぇんだもん。ついからかってみたくならねぇ?」
後頭部で腕を組んで笑う金髪の少年の額に、ばーか、と消しゴムを投げ、シカマルは、銀髪の大人に視線を移した。
「どうもっす」
「やぁ、こんにちわ。……きみもナルトのお友達かな?」
「………」
カカシはやんわりと微笑んで、いやしかし目の奥はちっとも笑っていなかったのだが、すぐにナルトの方へと視線を落とす。
「今、先生に頼まれて買い物の途中だったんだよ。補習が終わったらおまえもまた店に来なさい?」
「……っうん」
「ナルトー。一旦、教室に戻れ。イルカ先生が目ぇ覚ますぞ」
「おう。シカマル、手ぇ貸してくれってばよ!」
「シカマルちゃーん。はーいタッチ!!」
「はぁ、おまえらめんどくせぇ……」
しぶしぶシカマルは窓から地面に着地して、塀に足を掛けると、キバに向かって手を伸ばす。
「ナルト。ちょっと、こっち来てごらん?」
キバに続こうとしたナルトを、カカシが引き留める。
「んあ、何。カカシ先生」
「ここ、汚れてるよ」
「ふぇ、どこどこ?あ。」
「ん。綺麗になった」
ナルトが顔を拭く前に、服の袖で、左頬の汚れを取られて、にっこり笑われる。「あ、あのさぁ…カカシ先生」「……ん?」「い、いや。なんでもねぇ」最後に耳の裏を擽られるように、触れられ、ナルトは視線をつま先に落とした。
「……ありがとってば。カカシ先生」
でもオレもう子供じゃねぇ…とナルトは、カカシの胸部にパンチをして、ナルトはひらりとカカシから遠ざかり、壁に足を付けるとシカマルに引き上げられた。
ポケットに片手を入れてナルトに手をひらひらしているカカシを見下ろして、
「絶対、確信犯だろあれは……」
シカマルは軽くため息を吐いた。
「おまえ、あの人とどういう関係なんだ」
「へ…。何。シ、シカマル?」
ナルトのうなじを掻き上げながら、視線だけこちらにうっそりと上げて、威嚇していた大人の目は鮫のように無機質で何を考えているのかシカマルにでさえも量り知れなかった。
















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管理人の生態
自己紹介
名前    空気猫、または猫
職業    ノラ
趣味    散歩・ゴミ箱漁り
餌      カカナル
夢      集団行動
唄      椎名林檎
性質    人間未満

日記    猫日和

ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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