空気猫
空気猫
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本日のナルトは、緑色のパーカーとショッキングピンクのTシャツ、ウォレットチェーンをジャラジャラ付けたローライズジーンズという一昨日のままの服装で学校に登校した。
私服姿で昼過ぎに現れたナルトは、冷やかしの的となった。
「朝帰りかぁ~、うずまきぃ」
何名かの察しの良い同級生から囃され、席に着いたところで、幼馴染みのしかめっ面とご対面する。「キバに気付かれる前に、トイレで匂い消しておけ」とシカマルから消臭スプレーを放り投げられ、「オレ、匂う?」と尋ねると「おまえ以外の人間の匂いがこびり付いている」と、なぜか微妙に顔を顰めて感想を漏らされて、ナルトは「おう」と頷いた。
遅刻をイルカにどやされ、午後の授業をコンプリートしたナルトは、ぱかっと大きな口を開けるとしばし無言のまま鈍痛の走る腰をさすりつつ何事かを考えた後、
「ちょっと顔を出してから帰ろうかな…」
いつもの下校路ではなく別の場所へと足を向けた。ナルトのスニーカーがアスファルトの地面を蹴った先、そこは。都心から少しばかり離れた工場地帯。どこか下町の雰囲気が漂うそこはナルトが中学時代を過ごした場所だった。
モクモクと煙を吐き出す煙突が対岸に並ぶ河原を越え、路地裏とゴミバケツと野良猫の姿が似合う通りを抜けると、板金塗装の音と匂いが入り交じる、見慣れた修理屋の前に出る。築何年になるかわからない、錆びれた二階建ての工場。併設されているプレハブの事務所。“懐かしの風景”という写真からそのまま抜け出したようなそこは綱手が社長を勤める小さな工場の前だった。
ナルトはキョロキョロと忙しなく周囲に視線を彷徨わせた後、繋ぎ姿の工員とショートカットの事務員の姿を見つけた。
「あ。ゲン兄…!」
見知った人物に、金髪ぴよぴよ頭がぴょこんと揺れた。
「ナルト。おまえ、元気になったか?」
「おう。オレってばちょー元気になった。ゲン兄はシズネ姉ちゃんと上手くやってるってば?」
「あひ。ナ、ナルトくん……!」
バックパックをぶら提げたナルトは、ニシシと片手を上げて笑った。
「仕事中に密会とはお熱いですね~、二人とも…。ニシシ!」
ナルトが茶化すように、ゲンマとシズネの事を肘で突つくと、シズネの頭の上で小さな噴火が巻き起こった。
「おいおい。おまえは前から誤解してるようだがな、別にコイツとは何にもないぜ?」
湯沸かし器のように顔を真っ赤にさせたシズネに対して、ゲンマは余裕の顔で苦笑する。
「まったまた~」
「あのな、おまえは変に勘ぐり過ぎ…」
「そんなわけねえ」とナルトが唇を尖らせて大人二名を囃し立てようとした時だった、背後の工場内で小さな爆発が起こった。
「な、なんだってば今の爆発は!?」
ナルトが呆気に取られたように大口を開けると、ゲンマが困りきったように後頭部を掻いた。
「またオビトさんか……」
「オビト……?」
聞き慣れぬ単語に、ナルトが首を捻ると、「ほら、黒髪ゴーグルの…」とゲンマが楊枝を工員用の寮に向けた。
「おまえと入れ替わりに来た工員だよ。おまえも寄宿舎で1週間くらい一緒になったろ?」
「ああ、あのなんか明るくて楽しい人?覚えてるってば。一緒に〝名犬パックン〟を観たってば。大人なのにすげーボロ泣きしてて、楽しい人だろ?」
その時のことを思い出したのか、ナルトは破顔して笑った。本人によると今年で三十路になるというのに童顔で、はしゃぐのが一等大好きという大人。
「仕事は器用なんだかなぁ、どうもトラブルメーカーなのが困りものだな。ちょっとおまえに似てるか?」
「似てねぇってばよ!」
ゲンマと掛け合いをしながらも、ナルトは朦々と煙が立ち昇る爆発の発信地に駆け付けた。そして、白い煙の中から現れたのが噂の主である人物であった。
「いやー、失敗した。失敗した。死ぬとこだったぜ。笑えねえ、ふははは」
ゴーグルを額の上に乗っけた繋ぎ姿の青年が、笑いながら地面に座り込んでいた。巻き上がる噴煙。よく見れば黒い頭髪からダラダラと血を流している。
「オビトさん、また仕事中に車を勝手に改造してたんですか。いい加減にしないと本当に綱手社長に叱られますよ」
「ちっ、ちっ、ちっ。ゲンマちゃーん。天才に失敗は付き物だぜ。ルールに従うだけのマニュアル人間ではこの社会ではやっていけないのだ…!」
オビト工員は背中を精一杯反らして笑った後、ゴーグルの位置を直しながら楊枝の同僚に向き直った。
「いや、誤魔化さないで下さいよ」
「バレたか。だけど改造って面白いな」
「異法ですよ」
合いの手を入れるようにゲンマが突っ込む。
「やっぱオレってサラリーマンよりこういう仕事のが向いてるなー」
「いや、オレの話を聞いて下さい…」
はぁ、と楊枝を咥えたゲンマが疲れたようなため息を吐く。仁王立ちになって豪快に笑うオビトを、ナルトはぽかんとした顔で見つめた。
「お。おまえ、ナルトだっけ。久しぶりだな。少しここで遊んで行けよ。中にあるオレ様の自信作を披露してやろう」
完全にアウェー状態であったナルトは突然肩に回された腕に驚きつつも…。
「うお。このバイク、カッケー…!」
「だろー。さては違いのわかる男だな、おまえ。よしよし、オレの弟分にして進ぜよう…」
一瞬で意気投合した黒髪頭と金髪頭に、ゲンマは笑いを噛み殺しつつも、己の持ち場に戻る。
「ナルト。今日、暇か?夕飯奢ってやるから、帰りにオレのとこ寄れよ?」
「うお。ゲン兄、太っ腹」
「まー、たまにはな」
「サンキュ。ゲン兄、大好きぃ!」
ナルトは、ニカっと笑うと、工場内に身を翻した。ちょうど幼馴染の腐れ縁の様子を見に偶然通り掛ったカカシがそんなナルトの様子を目撃していた。
「おいおい。おまえは前から誤解してるようだがな、別にコイツとは何にもないぜ?」
湯沸かし器のように顔を真っ赤にさせたシズネに対して、ゲンマは余裕の顔で苦笑する。
「まったまた~」
「あのな、おまえは変に勘ぐり過ぎ…」
「そんなわけねえ」とナルトが唇を尖らせて大人二名を囃し立てようとした時だった、背後の工場内で小さな爆発が起こった。
「な、なんだってば今の爆発は!?」
ナルトが呆気に取られたように大口を開けると、ゲンマが困りきったように後頭部を掻いた。
「またオビトさんか……」
「オビト……?」
聞き慣れぬ単語に、ナルトが首を捻ると、「ほら、黒髪ゴーグルの…」とゲンマが楊枝を工員用の寮に向けた。
「おまえと入れ替わりに来た工員だよ。おまえも寄宿舎で1週間くらい一緒になったろ?」
「ああ、あのなんか明るくて楽しい人?覚えてるってば。一緒に〝名犬パックン〟を観たってば。大人なのにすげーボロ泣きしてて、楽しい人だろ?」
その時のことを思い出したのか、ナルトは破顔して笑った。本人によると今年で三十路になるというのに童顔で、はしゃぐのが一等大好きという大人。
「仕事は器用なんだかなぁ、どうもトラブルメーカーなのが困りものだな。ちょっとおまえに似てるか?」
「似てねぇってばよ!」
ゲンマと掛け合いをしながらも、ナルトは朦々と煙が立ち昇る爆発の発信地に駆け付けた。そして、白い煙の中から現れたのが噂の主である人物であった。
「いやー、失敗した。失敗した。死ぬとこだったぜ。笑えねえ、ふははは」
ゴーグルを額の上に乗っけた繋ぎ姿の青年が、笑いながら地面に座り込んでいた。巻き上がる噴煙。よく見れば黒い頭髪からダラダラと血を流している。
「オビトさん、また仕事中に車を勝手に改造してたんですか。いい加減にしないと本当に綱手社長に叱られますよ」
「ちっ、ちっ、ちっ。ゲンマちゃーん。天才に失敗は付き物だぜ。ルールに従うだけのマニュアル人間ではこの社会ではやっていけないのだ…!」
オビト工員は背中を精一杯反らして笑った後、ゴーグルの位置を直しながら楊枝の同僚に向き直った。
「いや、誤魔化さないで下さいよ」
「バレたか。だけど改造って面白いな」
「異法ですよ」
合いの手を入れるようにゲンマが突っ込む。
「やっぱオレってサラリーマンよりこういう仕事のが向いてるなー」
「いや、オレの話を聞いて下さい…」
はぁ、と楊枝を咥えたゲンマが疲れたようなため息を吐く。仁王立ちになって豪快に笑うオビトを、ナルトはぽかんとした顔で見つめた。
「お。おまえ、ナルトだっけ。久しぶりだな。少しここで遊んで行けよ。中にあるオレ様の自信作を披露してやろう」
完全にアウェー状態であったナルトは突然肩に回された腕に驚きつつも…。
「うお。このバイク、カッケー…!」
「だろー。さては違いのわかる男だな、おまえ。よしよし、オレの弟分にして進ぜよう…」
一瞬で意気投合した黒髪頭と金髪頭に、ゲンマは笑いを噛み殺しつつも、己の持ち場に戻る。
「ナルト。今日、暇か?夕飯奢ってやるから、帰りにオレのとこ寄れよ?」
「うお。ゲン兄、太っ腹」
「まー、たまにはな」
「サンキュ。ゲン兄、大好きぃ!」
ナルトは、ニカっと笑うと、工場内に身を翻した。ちょうど幼馴染の腐れ縁の様子を見に偶然通り掛ったカカシがそんなナルトの様子を目撃していた。
空気猫取扱説明書概要
ここは二次創作小説置場です。無断転載は禁止。本物のカカシ先生とナルトくん、作者様とは一切関係がありません。苦手な人は逃げて下さい。
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管理人の生態
自己紹介
名前 空気猫、または猫
職業 ノラ
趣味 散歩・ゴミ箱漁り
餌 カカナル
夢 集団行動
唄 椎名林檎
性質 人間未満
日記 猫日和
ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
職業 ノラ
趣味 散歩・ゴミ箱漁り
餌 カカナル
夢 集団行動
唄 椎名林檎
性質 人間未満
日記 猫日和
ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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