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空気猫

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ナルトの着物はくすんだ橙色のような奴で、模様は紅葉。
足元は白足袋。帯は着物と同系色のきゅっ!て奴です。
今回はそれに割烹着で。
想像OKですか?よし、はたけ家にこっそりknock、knockお願いします。





 

 


「あの。お義父さん。ご飯です…」
「ああ。すまないねぇ…。ナルトさんも、もうおあがりなさい」
しゃもじを持ったままナルトは、ほぅ…とため息を吐く。碧い(まなこ)に視線を注がれ、サクモは味噌汁の椀を持った手を止める。
「どうかしたのかね?」
「あ、すいませんってば」
「いや、私の方こそ、給仕ばかりさせて、すまないね。もしかして、私はナルトさんを緊張をさせてしまっているのだろうか…?」
「そっ、そんなことないですってばよ!」
「しかし…。どうしてナルトさんの顔はそんなに赤く…」
「料理も掃除も、オレが好きでっ、やっていることですからっ!お、お義父さ…っ」
またしても、花びらが舞ったような背景に二人が包まれたところで、ドタタタという廊下を駆けずるような物音。
「ただいま戻りました…っ!」
およそ、忍らしくない物音を立てて、ドタバタと帰宅したのは、はたけカカシだ。サクモはそんな息子の様子に目を見開きつつも、
「あ。おかえりなさいってばよ。カカシ先生」
「おかえり。カカシ」
はんなりと出迎えた。ナルトもそれに続いて、僅かに身体を浮かす。
「カカシ先生。任務お疲れさまだってば。もうご飯の支度出来てるってばよ。それともお風呂、先に入るってば?」
ナルトが割烹着の裾を直しながら、小首を傾げる。
19歳の恋人に微笑み掛けられ、カカシは、うっと息を詰まらせた。
「カカシ先生。いきなり何、泣いてるんだってばよ!!」
「ごめん。なんだか物凄い勢いで、都合の良い夢を見ているようで…覚めてしまうのが怖い。なら、いっそここで死んでしまうしかないのかという葛藤を…」
「カカシ先生。しっかりするってばよ。ていうか、寝言は寝てから言えっ!!何、馬鹿なこと言ってんだってば!!」
がっくん、がっくん、とナルトがカカシを揺さぶると、カカシの首は仕掛け時計の振り子のようによく揺れた。
「ははは。ナルトさんの方がしっかりしているみたいだねぇ」
「……あ」
思わず、カカシから身体を離して、ずべしゃとカカシが床に突っ伏すのにも気にせずナルトが顔を赤くさせる。
「なんだかんだ言って、カカシもまだまだ若輩ものだねぇ」
サクモの、のんびりした呟きに、カカシ先生が若輩もの…??ナルトが首を傾げるも、サクモから見れば、カカシとてひよっこのような存在なのかも知れない、と思い直す。
「あの、父さん。オレはもう30過ぎなんですが…」
「私からみたら、いつまで経ってもおまえは息子だよ」
ははは…と笑いながら、茶を啜られ、カカシはガックリと肩を落とした。
「はぁ…言っておきますが、父さん。息子のオレにその攻撃は効きませんからね?」
「何がだい…?」
サクモが本当に不思議そうに目を瞬かせたので、カカシはハァとまた肩を落とし、丸テーブルに腰を落とした。ナルトから椀を渡されて、もそもそと食べ始めるも…、どうも目の前で繰り広げられている光景が気になった。
「お味噌汁の味、濃くないですか?」
「大丈夫。丁度良いよ」
サクモが笑うと、それだけでナルトは自分のご飯茶碗を持ったままぽーとしている。
「あの~。ナルト。オレのこと、忘れてなぁい?」
おまえ、オレの時は味噌汁の味なんて気にしたことないよね!?と思いつつ、
(うん…。やっと薄口を覚えてくれたのは嬉しいんだけど…だけどさぁ~)
だけど、しかし。うん、しかし。とカカシは大変難しい葛藤をする。テーブルには和食を中心とした薄口な料理の数々がずらり。
(そのきっかけがうちの父さんっていうのが気に食わないんだけどぉ~?)
「ナルトって!父さんに対する接し方と、オレに対する接し方がまったく違わない!?」
「そんなことないってばよ?カカシ先生の気のせいじゃないの?」
サクモの給仕を甲斐甲斐しくしながら、ナルトが首を捻って少し怒ったように言う。
違う!絶対に、180度違うぞ!!とカカシは歯をきりきりとさせた。しかし、そんな息子の様子を見たサクモでさえ、
「…カカシ。あんまりナルトさんを困らせてはいけないよ?」
事情をまったく察することが出来ず困ったように眉を潜める始末。
「っ。理・不・尽・だ…!」
カカシがふるふると震えている間にも、舅と嫁(?)の二人は仲が良い。
「サクモさんって、身長何センチぐらいなんですかってば?凄く長身ですよね?」
「ああ、背はカカシより父さんの方が高いからなぁ…」
「父さんがデカ過ぎなんだよ!オレは里の中でも身長あるほうよ!」
「はは…。すまんなぁ、背は勝手に伸びてしまうものだから仕方ないなぁ」
「~~~っ」
銀髪二人の会話を聞いて、ナルトがしょぼんと項垂れる。
「オレってば男なのに、もっと小さいってば…」
カップラーメンばかり食べていたせいか、ナルトの身長は華奢な方だ。そんなナルトを180センチ組が見降ろす。
「ナルトさんはこれくらいのほうが可愛いよ」
(オ…、オレの台詞をとっていきやがった)
「あ、あの。ありがとうございますってばよ」
(悪気がないのがタチが悪い…)
ふっと笑ったサクモの顔を見惚れたようにナルトが見上げている。大変面白くない、という顔でカカシがギリギリとしていると、
「サクモさんを見ていると、カカシ先生の十年後が見れてるみてぇですげぇ幸せな気分になるってばよ」
「え…?」
ほう…とナルトが独り言めいたため息を吐く。カカシが目を見開く。今聞いた言葉の意味を確かめようと、ふんわり笑うナルトに声を掛けようとするが…。ばたばた、と廊下を掛ける足音。忍者らしくない、そのドタバタ具合。そのくせ、やけに身のこなしの良い軽快なリズム。
「何…?」
「なんだってば?」
「………」
三者三様の反応を見せ、閉じられた障子の向こう側に視線をやる。そして、そこに現れたツンツン頭のシルエット。
「サクモさ~ん。オレも、生き返ってきちゃいました~!」
てへっ、と他の中年がやったら寒くて仕方がない仕草を素でやり、且つ似合うような唯一の、男。可愛い系ナンバーワンの父はオレだよ~!と登場したのは、木の葉の里、伝説の英雄。四代目火影、波風ミナトであった。





 
 
 
 

 
 







肝試しの時に「登場するかと思った」と言われたナンバーワン厄介な人の登場。

あとナルトさん、ナイスミドルに撃沈。

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空気猫取扱説明書概要
ここは二次創作小説置場です。無断転載は禁止。本物のカカシ先生とナルトくん、作者様とは一切関係がありません。苦手な人は逃げて下さい。
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管理人の生態
自己紹介
名前    空気猫、または猫
職業    ノラ
趣味    散歩・ゴミ箱漁り
餌      カカナル
夢      集団行動
唄      椎名林檎
性質    人間未満

日記    猫日和

ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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