「……っ離せ、離せってばぁ!!!」
腕を引っ張られ、薄暗い路地裏に連れ込まれた。男たちの人数は3人。普段のオレなら掴まるなんてヘマはしなかったんだけど、今日は別。酷使されたまだダルい下半身のせいで思うように動けなかった。どん!と壁に叩きつけられ、ああまた殴られるのかなと次の衝撃に身構えて、ぎゅっと目を瞑った。ところが、
「おい、見ろよこいつ」
今日の場合、事態は別の方向に転がっていったようで。男の1人がオレの足から流れ出た精液の水溜りを指差した。
「うぇ、汚ねぇなぁ。なんだぁこのガキお漏らしかぁ?」
「イタっ。やめ、さわんなぁっ!!」
髪の毛を引っ張られ、からかうように揶揄される。恥ずかしくて仕方がなかった。そのうち、男たちの一人が納得したように呟いた。
「へえ、こいつ男を咥え込んだあとかよ。化け物のうえ変態だったってわけか」
「げぇ、マジで?キモチワルー」
「子狐ちゃ~ん、誰に相手してもらってたの~」
男たちのあけすけな物言いに赤面してしまう。
「ふうん、おまえみたいな奴でもオンナの代わりに出来るんだな。こりゃ、おもしれぇや」
男が下卑た笑みを浮かべて、オレの顎を無理矢理上に向かせる。「よくみりゃ、カワイー顔してんじゃん」ニヤニヤ笑いの長髪の男の手にオレは思いっきり歯を立てた。
「ってぇ、こいつ噛み付いてきたぞ!」
「ばーか、なにやってんだよダッセェなあ」
「うるせっ。おい、手足押さえとけ」
「了~解」
途端どたばたと男たちに無理矢理地面に押さえつけられ、何度か叩かれる。「きゃんっ」と仔犬のような鳴き声の悲鳴がオレの口から飛び出して「人間サマに逆らうんじゃねぇよ」と、どこか皮一枚掛かった朦朧とした意識の中でそんな声が聞こえた。
「っだ」
「ん?」
「やだ…」
思わず、涙が零れて悔しくて男を睨みつける。息を荒くして胸を上下させたオレを長髪の男がしげしげと見下ろした。「やめろってば……」男の喉がこくんと垂下される。殴られるんだとまた目を瞑ったけど衝撃はいつまでもこなくて、薄っすらと涙目で目をあければ、
「……気分が変った。なあ、このガキの味、試してみたくねーか?」
「っ!」
長髪の男が仲間に振り返って、わけのわからないことを言い出した。
「なんだよ、おまえ。んな趣味オレにはねーぜ」
ニット帽の男がゲーと舌を出す。
「いいじゃねえか、モノは試っていうだろ。意外とイケるんじゃね?幸い、このガキのことを心配する親なんていねーしよォ」
男たちの1人に圧し掛かられた瞬間、今から何が行われるのかを悟った。男の手がオレの上着に手を掛けられて「やぁ、やめ…脱がすなぁ!!」オレってば必死に抵抗したが、まるで意味がなかった。
「やだぁ!」
「物好きな奴…」
背後でニット帽の男ともう1人が気乗りしなさそうな台詞を吐きながらも暴れるオレの足を引っ掴む。
「おら、大人しくしな」
「!!」
「オレたちとも遊んでよ、色狐ちゃーん?」
乱暴な手つきで、上着を肌蹴られ、肌が外気に晒された。
「いやぁっ」
途端、男たちが短く息を呑んだ。
「すげぇ、こりゃ上玉だ…。見ろよ、この肌。手に吸い付いてくるぜ」
ゴクッと男たちの喉が鳴った音に、絶望する。羞恥のあまり肌が上気してしまうのがわかる。ほんのりと色づいた肌に男たちががっつき始めた。
「やだやだやだ、やめてぇっ!!」
オレが叫んで暴れるほど男たちの興奮の度合いは高まっているようで、生暖かい汗ばんだ手が体中を這い回る。気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い!カカシ先生とは全然違うそのベタついた感触に嫌悪感を覚えた。
「暴れんなって。すぐ気持ち良くしてやるからよ~」
「ヒッ」
長髪の男に、上肌をぬちゃっと吸われ、気が付けばニット帽の男やもう1人の男も急いだようにカカシ先生との情交のあとが色濃く残る肌や、下半身に集中する。
「いぁ…。い…ぁぁっあんっ」
「おい、このガキいっちょ前に感じてるぜ」
「あ、ぅぁあ…ちが…うも」
カカシ先生との行為に慣らされたオレの身体はオレの意思とは無関係に反応し始めて、
「そそられるじゃん。おら、もっと鳴けよ」
パシン、頬を打たれ、男の昂ぶったモノがオレの内股に擦り付けられる。
「ひん……」
ニット帽の男もベルトを外し始め、すでに勃起したそれを取り出している。
「おい、ガキ四つん這いにして、こっち向かせろよ。まずは口から試してみようぜ」
「んあ?おまえ、男には興味なかったんじゃなかったのかよ」
「うっせ。オレも気が変わったんだよっ。バックはおまえが1番でいいから言うとおりにしろよっ」
「へいへい。ほらほら色狐ちゃーん、おしゃぶりの時間ですよ~」
オレの目の前にムンと男の匂いがするオスが突きつけられ、無理矢理口の中に捻じ込まれた。
「んぅっ」
「おい、ガキ。歯ぁ立てたら容赦しねーからな」
男の腰が乱暴に喉の奥を突いてくる。
「んふぅ…っふ・・んーっ」
髪を鷲掴みにされて、行為を強要される。頭の上で擬似セックスに没頭する男の息が次第に荒くなってくる。
「はっ、はっ、はっ」
「んん、んん…くう」
「おーい、ガキの使い心地はどうなわけ?」
「はっ、すげーイイ。こいつのちっせぇ歯に、オレのが擦れんの。で、他はどこもかしこも柔らけーし、信じらんねぇくらい狭くてあちぃ。さきっぽがちょうど喉の奥にあたって、たまんねー」
「ん、んんん…」
男から溢れ出した先走りと涎が口の端に伝う。
「おら、もっと深くまで咥えろ!」
「んんんんーっ!!!」
必死で嘔吐感に堪え、やがて男が達する。どろっ、と生臭い精液がオレの口内に広がって、髪の毛を鷲し掴まれ吐き出すことも許されず注ぎ込まれたそれにオレは激しく咳き込んだ。「うえ、げほ、ごほっっ」涙と垂液と精液でぐちゃぐちゃになりながら息を整えていると、「おい、なに休んでるんだ?これからが本番だぜ?」震える膝でもう一人の男のモノも間髪入れず咥えさせられる。ぐっと喉奥を突かれ、
「おら、上手に舌使って慰めろよ。っそう、そうだ…。そうやってゆっくり舐めろ。うわ、あったけぇ信じらんねぇ」
「ふぅ…っむ…くぅ」
口で含みきれないところは手で愛撫することも要求される。
「こいつの舌、薄っぺらくて…っそのくせ妙にしっとりとしてて、吸い付いてくらぁ…。やべ、イク」
「おいおい、早くねー?」
「んうっ。んんんんっ!!」
もういっそこの時間が早く終わってくれとばかりにオレは必死で男のモノを舌で扱っていたのだけど。
「おまえら楽しみすぎ。おーい色狐ちゃん?下のお口もおしゃぶりしましょうね~」
下肢を剥かれ、秘部に充てられた熱の感触に、オレは悲鳴を上げた。
「あああっ。やだぁ!!!」
オレ、犯されるんだっていきなり現実感が沸いてきて、どっと冷や汗が伝う。もうどうでもいいって思ったけど…、やっぱり、やっぱりこんなのいやだってばよ!
「離せってば、離せぇ!!」
「また威勢がよくなったぞ?」
「っいやぁ!!か、しせんせぇっかぁしせんせぇ!!!」
「〝せんせぇ〟だって、このガキ」
「たすけてぇ……」
「ばーか、誰も来ねェよ」
再び、喉奥に男のモノを深く突っ込まれ、後ろにはぐぐって男の棒が押し入って来ようとした瞬間、
「きみたち、何をしているんだい?」
猫のお面を被った兄ちゃんがいた。
「なんだ、てめぇ!」
「あ、その格好は暗部か?」
「っ暗部のヤロウがなんのようだよ。今いいとこなんだ邪魔すんじゃねぇ」
あんぶ…?カクカクと腰を揺さぶってオレの口の中に出し入れしてしていた男が息を乱しながら振り返る。
「きみたちね。そういうわけにもいかないだろ。今すぐその子から離れなさい」
「こいつは例のガキだぜ。ほっとけばいいだろ」
「兄ちゃんもこれに交じるかい?このガキ見掛けによらず淫乱なんだぜ?ちょっと触ってやっただけでアンアン言い出すしよォ」
「そうそう、おしゃぶり上手でさー、咥えて離してくれないんだよな?オレが終わったら兄ちゃんと交代させてやってもいいぜ。サイコーだぜ、こいつの喉奥は」
「ふくぅ…む」
涙交じりで奉仕させられているオレを見て、猫面の兄ちゃんがため息を吐く。
「悪いが遠慮しておくよ」
猫面の兄ちゃんが目にも留まらぬ速さで手を動かしたかと思うと、地面から木が生えてきて、男たち体に意思を持っているかのように巻きつき始める。
「ぎゃ!」
「なんだこれ!!」
「やめ、ひい!」
男たちの短い悲鳴が上がり、間もなく辺りが静かになった。オレ、助かったの?男たちの拘束から開放されて、オレはぺたんと地面に座り込む。この場で意識があるのは、ほとんど半裸のオレと、オレの前に立っている猫のお面の兄ちゃんだけ。
「うずまきナルト…くん。大丈夫、…ではないよな?」
オレのほっぺに付いた精液を親指で拭いながら、猫のお面の兄ちゃんがオレを立ち上がらせる。だけど、オレってば膝が笑っちゃって上手く立てなくて、結局、猫のお面の兄ちゃんに凭れ掛かるようになっちゃった。
「立てない?」
「ちょっとまだ無理かもだってば…」
「まぁ、仕方ないか」
オレの脇に両手を入れて、壁に立たせるようにして、猫面の兄ちゃんはしばらく何事か考えていたようだったけど、その片方の手がオレの下肢へと下がっていく。
「へ?」
それは確かな意思を持ってオレの口からは言えない恥ずかしい所に向かって行って。
「ひぁっ、ちょ、なにするんだってばぁ」
猫面の兄ちゃんの指がオレのソコを突いて、あまつさえ侵入しようとする。オレってばびっくりしてしまった。結局この猫面の兄ちゃんもあいつらと同じなの?と悲鳴を上げたら、
「中のモノ掻き出さないときみがあとから辛いから」だって。
「そ、そんなことしてくれなくてもいいってば!オレ、自分でできるし!」
「子供のきみが上手くできるはずがないだろ?ほら、いいからじっとしてなさい」
ってまたオレの、その・・・例の大事な部分に指を入れようとする。うう、この兄ちゃん親切だけど、余計なお世話だってばよ!!
「オ、オレまだ最後までヤられてないってばっ。こ、これはカカシせんせぇなのっ」
「………」
「………」
オレってば、猫面の兄ちゃんの恐るべき強行を止めるべく、正直に叫んでしまった。
「えっと、カカシ…先輩?」
「………。そうだってば。猫面の兄ちゃんってばカカシ先生の知り合い?」
「いやその…。それは僕の方からはなんとも…。きみ、カカシ先輩とは…」
「付き合ってるってば。たぶん…」
「………」
「………」
なんとも微妙でまぬけな間が猫面の兄ちゃんとオレの間で漂った。オレは唇を噛んで俯く。
「参ったな。僕が泣かしたみたいじゃないか……」
声もなく啜り泣いていたオレを猫面の兄ちゃんは困ったように頭を掻いて見下ろした。
最後に出て来たのは木遁隊長さんです。