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空気猫

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そんなわけで12歳になりました編1
ナルトさんは12歳になりました。
カカシ先生は26歳のまま。
狐っ子の成長は子供の頃限定で通常より早いです設定。






 
路地裏に捨てられていたナルトを拾ってくれたのは、はたけカカシという名前の銀髪の忍者だった。いろんなことを教えてくれる人は「先生」って言うんだって。怒るとスゲー怖いけどオレってばカカシ先生のこと世界で一番大好き。でもな、カカシ先生。最近カカシ先生のこと見ると胸がドキドキするんだってば。カカシ先生が他の人と喋ってると凄く嫌な気分になって、オレに向かって笑い掛けてくれると堪らなく嬉しい。ふぁっとして、落ち着かないこの気持ちはなあに。教えて、カカシセンセー。


「こら、ナルトー!」
木の葉上忍寮の一室で、フライパンを持ったままのカカシが、四つん這いで掛けて行く金色の子供に向かって声を張り上げた。それは、いつもの朝の風景だ。
「またオレの靴隠したでしょ。どこにやったの」
「ニシシ、秘密だってばよ~!」
「まったく、どうして朝の時間のない時にイタズラばっかりするんだか。だめデショ!」
首根っこを掴まれ「めっ」と睨まれると、ナルトは、にへっと条件反射で笑ってしまう。だって、悪戯したらカカシ先生が構ってくれるんだもん。止められないってば。怒られてるのに、勝手に尻尾が振れてしまう。カカシもそんなナルトの様子に気付いているのか、余り酷くは叱らない。
「カカシ先生、今日は何時に帰って来れるってば。5時?6時?」
首根っこを掴まれたまま、嬉しそうにナルトは首を傾げる。近頃、夕飯の支度をするのはナルトの役割だった。忙しいカカシの代わりに家事の手伝いをするようになったのだ。
「今日はちょっと遅くなるから先にご飯食べて寝てなさい?」
「え」
思わぬカカシの言葉にナルトは固まってしまった。今まで、カカシが任務以外の理由で、夜遅くなることなんてまったくなかったからだ。いつだって、カカシはナルトのために早く帰宅してくれた。
「リンが里に帰って来たんだ。ほら、前に話したオレの幼馴染」
いい子にしてるんだよ、とカカシに頭を撫でられる。〝リン〟ベッドの上に飾ってある写真の人間の女の子の名前だ。カカシの口から出て来た女性の名前に、ナルトは下腹が重くなるのを感じた。何故だろうか。
「何時くらいになるんだってば…?」
「んー、ちょっと分からないから、先にお布団に入ってるんだよ?」
「………」
知らずに、カカシの服の袖を掴んでしまう。〝行かないで、カカシセンセー〟三角耳が垂れて、二本の牙が覗く小さな口が物言いたげに開いたが、明確な音が発されることはなかった。
「いってきます、ナルト」
「……いってらっしゃい」
ぱたん、と閉まったドアをナルトは項垂れて見送った。カカシせんせぇ、オレってばもう子供じゃないんだってば。家で大人しくカカシ先生の帰りを待っているのが、いい子ってことがそういうことならオレってば全然嬉しくねぇ。
カカシ先生が他の人と喋ってると凄く嫌な気分になって、オレに向かって笑い掛けてくれると堪らなく嬉しくなる。ふぁっとして、落ち着かないこの気持ちはなあに。教えて、カカシセンセー。
ナルトの尻尾がぱたりと床を叩いたけれど、その夜、カカシはいくら待っても帰って来なかった。電球すら点ける気力がなくて、薄暗い部屋で大好きなカカシの帰りを待つ。そして、気付いてしまった。オレってばカカシ先生がいないとこの家にひとりぼっち。



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 



始まりました。ペットライフ長編。
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空気猫取扱説明書概要
ここは二次創作小説置場です。無断転載は禁止。本物のカカシ先生とナルトくん、作者様とは一切関係がありません。苦手な人は逃げて下さい。
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管理人の生態
自己紹介
名前    空気猫、または猫
職業    ノラ
趣味    散歩・ゴミ箱漁り
餌      カカナル
夢      集団行動
唄      椎名林檎
性質    人間未満

日記    猫日和

ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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