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空気猫

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上記はタイトル決まらなくてつい時候の挨拶に走る図。








「あ゛ち゛ぃ」
カカシの部屋で、扇風機を独り占めしたナルトはランニングシャツ一枚の格好で、夏の暑さにヘバっていた。
「暑暑暑、暑い~!」
「なぁに。さっきアイス食べたばっかりなのにもう暑くなったの?」
あんまり暴れると家が壊れるデショ、と実際に壊れるわけねってば、というようなことを言われ、ナルトは頬を膨らませた。
「カカシ先生は暑くねぇのかよ!?」
「うーん。確かに暑いとは思うけど、おまえほどじゃないかな?」
窓からそよぐ生温い風にすら心地良さそうなカカシに、ナルトは不満顔だ。
「カカシ先生って、暑いって感覚ないんじゃねーのっ?」
「忍なら体温調節くらい出来るようにならないとねぇ…」
心頭滅却すれば火もまた涼し、だなんて少年が苦手とする慣用句を使い出した大人に、少年忍者の茹った脳味噌は沸点に達したようで。
「ぐぁああ。むかつくーっ」
ナルトは髪を掻き毟るとばたばたと床に転がった。そのさまはまるで、駄々を捏ねるお子さまのようだ。いや、この少年はこれでも16歳なのだ。
「騒ぐと余計に暑くなるよ~?」
苦笑されつつ大人に指摘されれば、図星だったようで、少年は舌を出してフローリングの床に突っ伏した。
「カカシ先生ばっかり涼しそうでズルいってば」
「そうは言ってもねぇ。オレは普通にしてるだけだよ?」
ナルトの隣に腰を降ろしたカカシは少年の金糸に指を絡めると、汗で湿ったその感触に視界を細めた。
「ナルトが子供体温なんじゃない?」
どこか嬉しそうに言うカカシにナルトは不満そうにへの字口だ。最近のカカシはナルトの子供っぽいところを挙げ列ねては、表情を柔らかくする。―――カカシがロリコンであったら社会的に抹殺せねばなるまい、とはナルトの硬い決意である。
「カカシ先生ってば、蛇とかトカゲなんじゃねぇのー?」
「いや、さすがに蛇は勘弁してよ…」
ぷくぷくムクれていても、三十路のカカシからすれば可愛いだけだ。
(カカシがのほほんと湯呑からお茶でも啜りそうな風体で涼んでいると、
「――え?」
突如として腰に巻き付かれた腕に、カカシは軽く瞳を瞬かせる。
「うう~。まだあちぃ…」
「おまえは…」
カカシの腰にぶら下がってるのは恋人の少年。呆れられたかな?と伺うように見上げる少年に、ごくりと大人の喉が鳴る。
「本当に…、オレを煽るのが巧いよね?」
カカシはそう呟いて焼けるように熱い舌をナルトの口内に差し込んだ。
「んんふ…」
「いいよ。おまえの暑いのに、オレも付き合ってあげる」
いつの間にか、取られた口布。その日の木の葉の里は例年に比べても珍しいくらいの猛暑で。アパートの一室にて、大人と少年の体温は上昇する。真夏の午後はまだまだ暑くなりそうだ。




 
 
 
 
 
 
 






 
カカシさんは仔リスのような頬にすりすりされたんですよ。
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空気猫取扱説明書概要
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自己紹介
名前    空気猫、または猫
職業    ノラ
趣味    散歩・ゴミ箱漁り
餌      カカナル
夢      集団行動
唄      椎名林檎
性質    人間未満

日記    猫日和

ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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