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空気猫

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ナルトがご立腹だったわけ。

 




 

「あなたがナルト?」
「あんた、誰だってばよ」
真昼間から自分の部屋で、カカシに抱かれて、ナルトが情事後の惰性でベッドに寝転がってダラダラしていると、滅多なことではならないチャイムが鳴った。その時、カカシは上忍待機所での所用を済ませるために出掛けていたため、ナルトは一人きりで留守番だった。出際に「続きはまた帰ったらネ?」なんて熱い吐息で囁かれて、ナルトはまだ火照った身体を醒ますために、裸体のまま、シーツの中で泳いでいたのだが、突然のチャイムに、丸っきり油断してしまい、慌ててそこら辺に散らばっていた服を羽織って玄関へと向かうと知らない女が立って居た。そして先の「あなたがナルト?」の会話に繋がるわけである。
「嘘。まだ、まるでガキじゃない」
ルージュの口紅が塗られた唇に開口一番に言われた言葉に、ナルトは驚いてしまった。
「聞いてた以上に子供っぽいのね。カカシの奴、いつの間にショタコンに走ったのよ」
「………」
確かに今のナルトの恰好は実年齢より幾分か幼く見えただろう。大きめのカカシの忍服を羽織って出てきただけのナルトの姿に女は顔を顰める。
「ふぅん、しっかり抱いて貰ってるってわけ?」
たった今までセックスをしていました、という格好で現れたナルトを、女は軽蔑した視線で上から下まで眺めた。まだ日の明るい内から情事に耽っていたコトを、咎められたようで、ナルトは何となく居心地が悪くなって縮こまる。
だって、カカシ先生が、夜まで我慢出来ないって言ったんだ。今日は休みだからいっぱいシようねって言ったんだ。さっきまでずっと離してくれなかったんだ。オレ、悪くねぇもん。
唇を尖らせて、この人何しにきたんだろ…と自分の左足を右足の腱に擦っていると、
「私、あなたと付き合う前にカカシと付き合っていたの」
「!」
「ふふ。どう、びっくりした?」
その女はふふんと自慢気に顎をそやした。ナルトはあまりのことに呆気に取られてぽかんと口を開けてしまった。
女が、カカシの彼女であったことに驚いているのではない。女の態度に驚いたのだ。彼女にとって、はたけカカシと付き合っていたことはある種のスティタスなのだろうか。
自慢げな女はナルトの一連の表情を、自分の都合の良いように解釈したらしく、髪を掻き上げながら挑発的に喋り出した。
「あなたってあのうずまきナルトでしょ、狐の。私、今日はあなたに文句を言いに来たの」
「………――――は?」
「よくもカカシを誑かしてくれたわね。この泥棒ギツネ」
たっぷり3秒半は固まったあと、ナルトはあんぐり口を開けて、思わずまぬけ面で女を穴が開くほど見返してしまった。
どん、と手で押される。廊下に転がってから、女に突き飛ばされたのだと気付いた。
「ふん。忍のくせにトロい子」
ふふんとまた鼻で笑われて、土足のまま自宅に女が上がって来る。ナルトはブーツの踵に踏み付けられた自分の手を不思議な気持ちで見降ろした。





「あなたに言いたいことがいっぱいあるのよ」と言われれば、女の余りの気迫に断ることも出来ず、ナルトは女を部屋に招き入れた。
「付き合ってる時はカカシの浮気癖に苦労したわ。あなたもさぞかし大変でしょう?」
「え」
「カカシの浮気は一種の病気みたいなものだもの」
女はナルトの出したお茶に口を付けることなく喋り始めた。彼女は、ズカズカとリビングまで入って来ると、ナルトが止める間もなくいつもカカシと夕食を取るテーブルに座ってしまった。そこ、オレの席だから座らないでよ…と言いたかったが、唐突に口を開いた女の言葉に驚いてしまいナルトは注意する機会を失ってしまう。
ナルトの表情を見て、女はまた何かを勘違いしたらしい。同情するような目付きで女は片頬に手を当てて首を捻り、「あなたも大変ねぇ」とまた同じ言葉を繰り返した。
「………」
「私、彼が好きだったわ。でもあの人ってああいう性格だから、私と付き合っていた時も浮気ばかり。だけど憎めないのよね。悪気がないんだもの。本当にふらふらとして波のような人……。普通の女じゃあの人のことを捕まえておけない儚さがあの人にはあったわ」
「………」
ナルトは気持ち悪いものに遭遇した時のように固まってしまった。波?儚い?彼女曰く、波のように儚い人は、今日の朝「ナルトからもキスしてくれなきゃいやだ!」と駄々を捏ねてベッドの中で足をバタつかせていた。
「あ、あのさ…。せっかく忠告して貰って悪いけどオレってば…」
「あの人、本当に寂しい人なのよ。だから一人の女の温もりじゃ足りないの。寂しいって思う代わりに女を抱いて誤魔化す可哀相な人なの。でも、それでもいいって思ってたわ。慰み者になるだけの女でも、あの人になら遊ばれてもいいって思えた。私たち良い関係だったわ」
「あ、あの姉ちゃん……?」

ナルトの言葉を見事に無視して、ほう…と切ないため息を吐いて女が瞳を潤ませる。
「私、カカシを愛し始めていたわ。彼の素っ気ない優しさに惹かれていく自分を抑えることが出来なかったの」
胸のところで手をしっかり合わせた女は瞳をしっとりと潤ませて、慎ましやかに視線を落とした。ナルトは彼女の前にあるお茶請けに手を伸ばすか、伸ばさないかで非常に悩んでいた。
「ちょっと。あなた、私の話を聞いてるのっ?」
「えっ、うぇ。お、おうっ」
ナルトは思わず居住いを正したものの、困ったなぁと心の中で後頭部を掻いた。カカシの、元恋人だという女に遭遇したのはこれが初めてでない。カカシと付き合い始めた頃など、集団で囲まれて吊るし上げのような状態になったこともある。もちろん、それはあとからカカシの知ることとなり、その時、カカシの元カノジョ等がどんなめにあったのか、ナルトは知らないのだが。
昔は彼女たちに罵られるたびに、酷く落ち込んでしまったものだが、今はそうでもない。もっと言えば自分たちの関係に文句を言いに来る輩がまだいたのか、と思ったほどだ。
「私、カカシのことを愛してたのよ」
「はぁ?」
「彼、私のところにいた方が何倍も幸せになれるわ。ねぇ、あなた自分でもそう思わない?」
「さぁ……」
「冷たい言い草ね。貴方、本当はカカシのことを愛してないんじゃないの?」

「わからないってば」
「やっぱり。最近の子って妙に冷めたところあるのよね。信じられない」
「………」
「私は違うわ。誰よりも真剣にカカシのことを愛してた」
手を胸元に持って来て女が瞳を潤ませる。
「だけど私がカカシに溺れ始めた頃、別れを切り出されたわ。真剣に付き合いたい奴がいるからもうおまえは抱けないって言われたわ」
「!」

「そう、あなたのことよ」
「……カカシせんせぇ」
思わず、ほわんとなって顔を揺めたが、鬼のような形相で睨まれてナルトは、ひゃ!と首を竦めた。美人が台無しの顔である。
「この世に二つとないくらい綺麗で宝物のような子に出会えたんだって言われて、私、諦めたわ。きっとカカシと吊り合うくらい素敵な人なんだって思ったんだもの。お似合いのカップルを前に引き下がるくらいの良識ある女のつもりだった」
「………良識?」
「そう良識よ。あなたにはわからない言葉でしょうけどね」
キッと女が般若の顔でナルトを睨む。
「カカシにフラれたあと、私、傷心の余りに里を出ることにしたわ。だってそうでしょ。最愛の恋人を失ったんですもの」
「へ、へぇ……?」
心の中では、今時、そんなことする人なんているんだ…、と思っていたくせにナルトは返答に困って相槌を打つことしか出来なかった。とにかく、はっきり言ってナルトには理解できない人種でちょっと困ってしまった。
だって傷心のあまりに?しおしおと身を引いた、とこの女は言っているのだ。妄想もいいところだ。

「でも一週間前に、里に帰ってきてびっくりしたわ。まさかあのカカシがあなたのような子供と付き合っているなんて。ねぇ、どんな色仕掛けでカカシを誘ったわけ?」
どうやら話が本題に戻っているようである。女が鬼のような形相でナルトを睨んできた。

「オレが、カカシ先生の恋人だと納得できねぇの?」
「だってあなた。まだ、16歳でしょ?」
「そうだけど」
「やだ、カカシがショタコンみたいじゃない」
「付き合い始めたのは12歳からだってばよ」
「そう。尚更よ。子供のくせに色気付いちゃって気持ち悪い」

ここでようやくナルトは女の言いたいことを理解出来た。つまり、どこぞの絶世の美女とカカシが付き合い始めたかと思って、しおしおと身を引いたはいいが、ナルトのようなちんくしゃと付き合ってるなら、納得できない、と女はナルトに文句を言いに来たらしい。
「そのうえ、あなた男じゃない。子供も産めないくせに、不毛も良い所だわ。優秀な上忍の遺伝子を途絶えさせて、何が残るっていうの。何様のつもりでカカシと付き合ってるのか説明して頂戴」
「………」
ナルトがカカシと付き合い始めたのは、下忍の頃にカカシから好きだと告白されたからだ。まだ心も身体も未成熟だったナルトにとっては少々過ぎた恋愛であったが、お互いに想い想い合って、心を繋ぎ合って、身体を繋げた。

確かに、二人のセックスは、汗と精液以外何も生み出さない。生物学的にも、不自然なことなのだろう。だけど、子供という形を残せなくても、幸せそうな恋人や夫婦はたくさんいるではないか。その幸せな人たちに、ちょっと謝れとか思ってしまう。
あれ。ちょっと待て。なんだかムカついてきた。もしかして、自分は今とんでもなく失礼なことを、言われてはいまいか。
「オレとカカシ先生が何してようとお姉さんには関係ないってば」
「なぁに、言い逃れをするつもり」
「お姉さんこそ、どこからそんな自信がやってくるわけ。突然オレの家にやってきてそんなこと言って失礼だとか思わないの?」
「狐なんかに何の遠慮をする必要があるのよ。あなたみたいな子に負けたのかと思うと、私は悔しくて死んじゃいそうなのよ」
なら、死んでしまえばいいのに。悔しくて死ねれば、の話ではあるが。女性の言葉にナルトは眩暈を起こしそうになって、この人、早く帰ってくれないかな…なんてことばかりが段々頭の大部分を占めるようになる。
「私、彼のためなら、毎日ご飯を作って上げれるわ。掃除も洗濯も喜んでしてあげれる。…あなたはできないでしょ。何よ、この散らかった部屋」
「余計なお世話だってばよ」
「真剣にカカシと付き合ってないなら彼のこと私に返してよ」
「返すも返さないも、そんなのカカシ先生の勝手だってば」
「あなたがカカシをとったんじゃない。カカシを独り占めして何様のつもり?意地汚い色狐ね!」
椅子に座っていた女が立ち上がる。そして、家具や床を順々に指差しし始めた。

「なあに、この部屋。掃除も洗濯もろくにしないで、台所に蛆でも湧いてるんじゃないの。カカシも可哀そうよね。こんな子と付き合うなんて。もっと掃除も洗濯も料理もしてくれる子、いくらでも居たでしょうに。よりによってなんであんたとくっついたのかしら!」
「バッカみてぇ。姉ちゃんは、カカシ先生の母ちゃんかよ」
「な、なんですって!」
「あのさ。そんなにカカシ先生の世話したきゃ、恋人じゃなくてもいいんじゃねぇの」
「!!」
ナルトの顔に女の冷めたお茶が投げつけられる。ナルトはそれをひょいっとかわすと、――もう出てってくれってばよ、とナルトは女の腕を掴み、玄関まで叩き出す。

「きゃ!乱暴な子ね」
「オレだって女の人には手荒なことしたくなかったってば」
ナルトは脱ぎ捨てられていた女の靴をまとめて女に放り投げる。
「あのさ、姉ちゃん。一つ勘違いしてるから教えてあげるけど…、オレだけがカカシ先生を好きなわけじゃねえの。カカシ先生もオレのこと、好きで付き合ってんの」
ナルトは憤然として、扉に手を掛けながら言う。
「料理が出来なくたって、掃除が何一つ出来なくたって、オレ、愛されてるもん。カカシ先生ね、オレとセックスするのが大好きなんだって」
「!」
「カカシ先生、オレと毎日セックスしたくて堪らないんだって。昼も夜もオレのこと離してくれねぇの。この意味わかる?」
「ッイヤラシイ子!」
「あっそう。だってさ、イヤラシイコトしたら、カカシ先生喜んでくれるもん。オレにイヤラシイコト教えてくれたのもぜーんぶカカシ先生だからさ。小さかったオレは痛がって泣いてたのにね?」
「………っ!」

歯軋りをした女に、あっかんべー、とナルトが舌を出す。
「オレ、カカシ先生の浮気の心配したことねぇよ。浮気させねぇくらいメロメロにさせてる自信あるもん。あんたこそ、そういう努力、怠ったんじゃねぇの。浮気されるのはあんたにその程度の魅力しかなかったってことだろ。それなのに、オレに獲られただの、返せだの言ってきて意味不明。獲られた方が悪いんだってばよ」
なんでオレがドラマの悪役みたいな台詞を言わなきゃいけないんだよ、と思いつつ、女を睨む。女も、視線だけで人を殺せるなら殺してやりたい、という顔でこちらを睨んでいた。

そして、いつまでも靴を履いて去ろうとしない女にナルトはため息を吐く。
「あのさ、カカシ先生が帰って来る前に帰ってくれねぇ?オレとの続きがシタくて待ち切れねぇ、どうしようもねぇ大人なの。もしかしたら玄関で押し倒されちゃうかも……。お姉さん、オレたちのセックス見る趣味はないでしょ?」
「……アバズレ!」
「へへ、ありがとう」
ニカ!と笑うと、パシンと頬を叩かれた。「アンタなんて、物珍しいだけじゃない。身体が飽きられたら捨てられるだけよ!」顔を真っ赤にさせた女は、ブーツを履くと物凄い足音を立てて(ピンヒールが折れてしまうかと思ったくらいだ)階段を降りて去って行った。

「…………」
やがて女の足音が遠ざかる。
「おし。オレってば撃退成功!」
両拳をガッツして、ナルトは玄関のドアを閉める。女が帰ると急に力が抜けたのか、脱力してしまった。それともカカシにヤラれ過ぎたのかもしれない。まだ異物感の残る重たい身体を引きずってナルトはソファーに倒れ込む。しかし、だんだんシュンとして、最後には項垂れてもう動くのもいやになってしまった。





「どどどどうしたの、ナルト!?」
上忍待機所から帰って来て、毛布に包まって暗がりに転がっているナルトの姿を見つけて、カカシは仰天した。慌てて背中を擦ってやると「べっつにぃ」と、掠れた声が返ってくる。
「別になんでもないってば」
「なんでもないわけないでしょう。どうしたの、おなか痛い?まさか、落ちたものを拾って食べたんじゃあ…?」
「人を犬猫と一緒にするなってば」
「だっておまえ。昔は、よく腐った牛乳飲んでたじゃない」
「…………」
どうやらカカシは、まだナルトが忍になったばかりの頃に賞味期限切れの牛乳を飲んで腹を下していた時のことを言っているらしい。そんな昔のこと今は持ち出さなくてもいいではないか。まだカカシに子供扱いされているようで、ナルトは面白くない。

「なんだかモヤモヤするんだってば」
「モヤモヤ!?よし、わかったよ今すぐベッドに行こう」
オレに任せて!とナルトの服を剥き始めたカカシに、ナルトは疲れたような視線を送る。
「違うってばカカシセンセー。エッチはシタくないってば」
「それじゃあ…。いったい、なんで?」
「カカシ先生にはわからないってば」
「ど、どうしてオレにはわからないの、ナルト?」
「どうせカカシ先生なんてオレとヤることしか考えてないんだ。カカシ先生には、オレのこの繊細な気持ちなんてわからないんだってばよ」
ナルトは、立ち尽くしたカカシを一瞥すると、キッチンへと向かって晩御飯の仕度を始めた。
「そんなことないよ。ナルトのことならどこにキスしたら気持ちいいとか、どこを舐めたらイイ声出しちゃうとか凄く詳しいよっ。なんでもわかる!!!」
「カカシセンセー…。ごめん、もう喋らないで?」
ナルトはカカシの誠に品行方正な口を黙らせるべく、カカシの大好きな笑顔でにっこりと笑った。途端に、カカシがふにゃりと力の抜けた表情になる。十中八九、ナルトは可愛いなぁ…などと思ってるのだろう。カカシは犬のように上機嫌に尻尾を振ってキッチンへと向かう。
「ナールト、今日の晩御飯はなぁーに」
ナルトの細い腰に腕を回しながら、カカシは問う。

「目玉焼きだってば」
「え…」
今日の晩御飯はカカシの好物の秋刀魚の塩焼きに茄子の味噌汁だったはずだ。

「なんか文句があるかってば?」
「ううん、ないよっ。ナルトが作るものならなんでも美味しいに決まってるでしょ!」
「そ。なんかさぁ…今ぁ、この目玉をぐっちゃぐちゃにしてやりたい気分なんだよね?」
「…………」

「カカシせんせぇー、料理の邪魔だから離れて?」
「え、えー……。センセー今はナルトから離れるの心配だな。なんかおまえ不機嫌でしょ。ん?具合悪いの?それともオレがなんかした?」
「…………」
「なぁーると、なぁーると。オレの可愛いナルトっ。ね、ご機嫌直してよ?」
「もー、ウザいからあっち行ってろってば」
ナルトは腕を腰に回して「ナルトー、ナルトー」と懐く大人を片手で突っぱねて、
「別に怒っていないってば」
と卵の殻が入ってしまいそうな握力で殻を割ってフライパンに落とす。
「カカシ先生、少し黙ってね?」

「…………」
カカシは知っている。ナルトが、「別に怒ってないってばよ」という時は一番怒っているのだ。そう、少年の怒り方は、年を重ねるごとにかの人に似てきている。少年の父親もニコニコしながら最上級に怒る人であった。
「ねぇ…、ナルト。気分が悪いなら外食にしようか。無理に作ることないんだよ、料理なんて止めてナルトはベッドで寝てなよ」

「………」
「あとはオレがやっておくからナルトはなーんにもしなくていいよ?」
「……っ。カカシ先生の馬鹿!!」
しかし、不幸なことに、カカシがナルトを気遣ってそう言った瞬間に、ナルトは爆発したのである。そう。気分の悪い恋人の身体を労わっての言葉がナルトの地雷を踏んだ。
「オレだって料理くらいできるも……っ」
「え、いや。そんなつもりで言ったわけではないけど…オレが言ってるのは無理しなくてもいいってことで」

「カカシ先生と付き合い始めてからは台所に蛆虫なんて沸かせたことないってば!!」
「………はい?」
俯いて拳を握り、ふるふると震え、捲し立てるようにナルトは言った。それはまったくカカシの不可抗力な申し立てであった。たぶん。
「どうせ、どうせオレなんてセンセーとセックスしかできねぇもん。バカ、バカ、バカ。ぐ、具合が良かったからオレと付き合ってるんだってば!?カカシ先生エッチなことばっかしかオレにシテって言わないし…。オレ、それ以外は役立たずってこと?………カカシ先生なんて、カカシ先生なんて、どうせオレのカラダが目当てだったんだってばよ。カカシ先生なんて、信じられない。不潔だってば。家出してやるっ、わーん!」
ナルトはフライパン返しをすぱーんと床に叩き付けて家出をしてしまったのである。これが二人の喧嘩の原因の全貌である。






 




 
 



こんなナルトは果たしてオッケーでしょうか…。
悪女バリに女の人を撃退してすいません。
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ここは二次創作小説置場です。無断転載は禁止。本物のカカシ先生とナルトくん、作者様とは一切関係がありません。苦手な人は逃げて下さい。
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[07/30 羊]
管理人の生態
自己紹介
名前    空気猫、または猫
職業    ノラ
趣味    散歩・ゴミ箱漁り
餌      カカナル
夢      集団行動
唄      椎名林檎
性質    人間未満

日記    猫日和

ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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