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空気猫

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ソフトクリームネタ。



 
 

真夏のソフトクリームには気をつけて

今日のカカシとナルトは木の葉商店街デート。
「カカシふぇんふぇい?」
ソフトクリームをそっと唇に口付けたまま上目遣い気味で見上げた少年にカカシは喉を詰まらせた。はたけカカシの美人な恋人は何歳になっても彼の心を捕らえて離さない。



(相変わらずエロい食べ方するよね~~)
ソフトクリームを頬張って口の周囲をベタベタにしている少年の姿は酷く卑猥だ。あくまでカカシ視点で、ではあるが、それにしてもナルトの食べ方は男心を刺激するのは気のせいか。ナルトに恋して告白して手に入れて早うん年目。相変わらず14歳年下の恋人にメロメロなカカシにとっては、ナルトの100%天然故の行動は刺激的過ぎた。
白濁色のソフトクリームを下から上に向かって舐め上げる姿はあらぬ想像を掻き立てられる。もちろんナニをしている姿を想像して。
この場合、ナニってなんですか?と質問するのは野暮というものだろう。こくんと垂下されるたびにカカシの喉も鳴る。勢い良く齧りつかれるたびにもっと優しく!!と指導をしたくなった。炎天下の中、暑さで早々に溶け始めるなめらかなソフトクリームに、ナルトの舌が追いかけるようにちろちろと動き、コーンの縁に溜まった白い液体を啜るように食し、軟く甘く歯を…etc.そんなわけでカカシの思考回路はお空の彼方まで飛んでいった。
指に付着した甘い液体をペロリと舐め取ったナルトは「はぁ…」と感嘆のため息を吐き、不自然なくらい大人しく自分を見つめる大人の視線に眉根を寄せた。
「カカシ先生も食べてぇの?」
まさか自分の食べる姿を見ていけない妄想が展開されてるとは露知らず、ナルトはきょとんと首を傾げる。
「甘いってばよこれ」
この銀髪の大人が甘味を苦手としていることは周知のことで、だからナルトは不思議そうに尋ねた。
「んー、だって凄く美味しそうなナル…いやいや凄く美味しそうにソフトクリームを食べてるなぁと思って」
締まりのない顔で笑う大人を見上げて、そういえば以前の夏にも似たようなことがなかっただろうかとナルトはジトーーと疑わしそうな半眼で大人を睨んだ。
「今なに考えてたってば、カ・カ・シ・セ・ン・セ?」
「ん~?」
「鼻の下が伸びてたってばよ?」
ぴしゃりとナルトが指摘する。鋭い。伊達にカカシの恋人歴が長いわけじゃない。子供の頃はあっさり騙されてくれた誤魔化しも最近では通用しなくなることが多くて、成長してるんだなぁなんてナルトの周囲に居る大人の一人として感慨を抱いてしまう気持ちと、もう下手を言えなくなっちゃったんだなぁとタジタジになってしまう恋人としての気持ちを二つ同時に味わう特別に、カカシは笑みを零す。
もちろん、16歳になったナルトは夜の営みの成長具合も最高で体格差が無くなったぶん色んな体位が楽しめ…。
「カカシ先生今の怪しい笑いはなんだってば」
「なーんでもナイヨ?」
「その怪しい片言はなんだってば。今、エロいこと考えてただろ」
カカシの鼻先にナルトの人差し指が突き付けられる。
「変態上忍っ。サイテーだってば!」
「イタタ、こら。髪の毛を引っ張るんじゃない」
「問答無用ー!」
ポカポカとカカシの頭を叩いたり引っ張ったりする少年の拳は一応、忍者としての力が付いてきているので結構痛い。
「カカシ先生のバカ、バカ、バカ」
「ははは…」
「笑うなー、って。あーっ」
カカシに掴み掛かった拍子に、手に持っていたソフトクリームが宙に飛んで、ナルトの顔にソフトクリームが飛び散った。溶け掛かったソフトクリームの滴がぽたぽたと丸い頬に滴る。
「カカシ先生のせいでベタベタになっちゃっただろ―!?」
ナルトは眉を寄せて、頬についた白い液体を拭う。文句を吐いてやろうと、熱された地面の上でご臨終になったソフトクリームをしばらく睨みつつ、大人に振り向くと、大人が前屈みになって蹲っている。
「カカシ先生?」
「………ナルト」
「んだってば」
「勃っちゃったどうしよう」
「だからナニを想像してるんだってばぁああぁっ!!!」
一拍置いてナルトは大人がしたであろう想像に辿り着いて、顔を赤くさせる。とびきり暑い夏の日。木の葉商店街のソフトクリーム屋の前での出来事だった。バカップルの痴話喧嘩を最初から最後まで全て目撃していた店屋のお姉さんは生温い笑みを浮かべ、今日も暑いわねぇと現実逃避を開始した。





 
 
 
 
 




 
 
 
 
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名前    空気猫、または猫
職業    ノラ
趣味    散歩・ゴミ箱漁り
餌      カカナル
夢      集団行動
唄      椎名林檎
性質    人間未満

日記    猫日和

ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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