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空気猫

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ナルトが目覚めた時、隣にカカシの姿がなかった。重たい腰を引きずって、ベッドから這い上がると、時計の針は10時半を指していた。なんと、またしても学校に遅れてしまった。
「頭痛ぇ…。つか、腰がダルい…」
喉と腰を押さえながら、ナルトは水を求めてキッチンに行こうとしたものの、物の見事に腰が砕けていた。バタ、と高校生男子が立てるにしてはマヌケな音が、部屋の中に響く。
「くそうううう、カカシ先生のバカヤロー…」
初めてではないとはいえ、あの激しさだ。恨みがましい独り言をナルトが呟いた時だった、
「ナルトっ?」
パン屋の袋を引っ提げたカカシが丁度外から帰って来たところらしく玄関でぼんやりと立ち尽くした挙句、
「―――……」
靴を履いたままナルトに駆け寄って来た。大型犬にぎゅっと抱き締められナルトは混乱する。
「ナルト、ナルト、ナルト?」
「うわっぷ、カカシ先生…!?」
時々カカシは幼稚園児が一生懸命歩いているような歩き方をする。
「ナルト、大丈夫?朝起きてちゃんと立てなかったでしょ。今日一日はオレが抱っこして運んで上げるからな?」
ふんわりと抱き抱えられ、ナルトはぽかんと口を開けた。
「カカシ先生。靴!」
「あれぇ……?」
自分の足下を見下ろして、カカシは今初めて気が付いたといった様子で、転々と続いた己の足跡を辿る。
「あはは、忘れてた。ナルト、朝ご飯食べる?サンドイッチくらいならすぐ作れるよ?」
「カカシせんせぇー…」
カカシに抱き上げられ床から10センチほど離れたところで、ナルトは呆れた声を上げた。カカシは靴を脱ぎながら、「ん?」という悪気のない顔で微笑んだ。
「なんでもねってば…」
仕方なくナルトはそれ以上なにかを注意することを諦めた。いつになく上機嫌なカカシはナルトを持ち上げたまま、ベッドへと移動すると顔や唇、首筋にじゃれ付くようなキスを落とす。
「んあ、んんんふ…」
「んー」
「ふぁ、カカシ先生…」
いつも通りのカカシだ。良かった、とナルトは思う。昨日のカカシは、どことなく思い詰めた様子だったから不安になっていた。だが、それもこの朝のカカシの様子を見ると、杞憂であったのではないかと思ってしまう。
(本当、カカシ先生ってオレのこと好きだよなぁ。こんなオレのどこがいいのかわかんねぇけどさ…)
もしやこのまま、またしてもセックスに傾れ込むのかと連日続いたセックス三昧に怯えたナルトだが、カカシの唇がナルトの首筋を這った時に、ナルトの腹部から異音が鳴り響いた。つまり、その音が差し示す事が羅は人間であれば誰でも生まれる生理的な欲求であったのだが…。
「―――朝ご飯、食べようっか?」
「ん…」
くくくく、とカカシが笑い、ナルトはニシャと崩れたような笑みを零す。その後に、二人は啄ばむようなキスをして、遅い朝食を摂った。心の片隅で少しの不安を抱えながら。
 
 












 

 
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空気猫取扱説明書概要
ここは二次創作小説置場です。無断転載は禁止。本物のカカシ先生とナルトくん、作者様とは一切関係がありません。苦手な人は逃げて下さい。
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管理人の生態
自己紹介
名前    空気猫、または猫
職業    ノラ
趣味    散歩・ゴミ箱漁り
餌      カカナル
夢      集団行動
唄      椎名林檎
性質    人間未満

日記    猫日和

ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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