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空気猫

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禍々しいチャクラの渦が空を赤く染めていた。全てを覆いつくす赤、赤、赤。暗部姿のオレが封印の森に向かって血眼に走っている。だが、駆けつけた時には全てが遅く。オレは自分の下に横たわった先生(四代目)の亡骸を見下ろし、頭を抱え発狂した。
「―――うぁ、あ、 ぁ あ… っ」
大量の寝汗と共に悪夢から覚める。思わず混乱からベッドで暴れそうになるが、横から、にゅーと伸びてきた腕にパジャマを引っ張られ、オレは理性を取り戻した。
掴まれた腕の先に視線を上げると、金糸の青年がオレを心配そうに見つめている。どうやらオレはセックスした後にこの青年をベッドに引き摺り込んで、そのまま眠りに就いてしまったらしい。
掛け違いになったパジャマのボタン(おそらく、着る暇も与えずオレが抱き込んで眠ってしまったせいだろう)。そして、そこから覗く、陶器のような白い肌に、オレは何故か顔を赤くして視線を逸らしてしまう。
「カカシ先生。大丈夫だってば?」
「あ、あぁ…」
「悪い夢でも見たのかよ? 水、飲むか?」
オレが頷く前に青年は、下半身すっぽんぽんのままベッドから降りると、水の入ったコップをキッチンから運んできてくれる。
「一口でも飲んだら、少しは落ち着くってばよ…」
「ああ…。すまない」
背中に手を添えられ、コップが差し出される。一口水を飲むと、青年の言った通り気分が幾らか落ち着いた。
「もう大丈夫だよ。ナルト、悪かったね。少し、昔の夢を見ちゃってな」
「気にするなってばよ。オレってば、昔みたいにカカシ先生が、うなされてるから心配したってば。最近はなかったのに、やっぱり記憶を失くしたせいかもしれないな」
「昔?」
「オレが下忍の頃だけど。たまに…あ、もちろん野営の時とかだけどさ」
ナルトが早口で説明する。オレは未だ小刻みに震える手に視線を落として、拳を握り絞めた。自分の心を蝕み続ける過去が憎い。止まらぬ震えに苛立っていると、震える手の平にナルトの手が重ねられる。
「カカシ先生。一人で考え込まないで欲しいってば。オレで良かったらいつでも力になるから」
オレは、目を見開いて青年の手に目を落とす。驚くべきことに、手の震えが止まっていた。
「いや、あの、つまり、オレってばお世話になったカカシ先生の役に立ちたいだけであって…」
オレの視線に気付いたのか、ナルトは、ぱっと手を離してしまう。おそらくオレが、男に触られるのが嫌いだと思ったからだろう。しかし、――どうして離すのさ。と、つい睨んでしまった自分に更に驚いた。
「ま。気持ちだけは貰っておくよ。さっき、おまえがいてくれて助かったのは事実だし」
「本当だってば?よかった…。オレもよく怖い夢を見た時はよく飛び起きてたから、カカシ先生の気持ちがなんとなくわかるんってばよ」
ニシシ、とはにかんだように金髪の青年が笑う。
「おまえが?」
悪夢を見て飛び起きるとは掛け離れた青年に見えるが…。まぁ、大方、アカデミー生の頃に、お化けの夢を見たとかいうオチだろうか?
「あ、まてよ―――ということはまさか、さっきの方法はおまえが昔やってたこととか?」
「あ、いや、別にそういうわけじゃないけど。でも、落ち着いただろ?」
はー…。つまりオレはこいつがガキの頃と同じ対処をされたわけね。ま、いいけどさ。
「なぁ!なぁ!カカシ先生。夜も遅いし、もう寝ようってばよ。オレってば、明日任務だし」
「え。そうなの?」
ナルトに任務が入るのは、オレが療養生活に入ってから初めてだった。なんだか、ムッとしてしまっう。たった一日だろうが、青年が居ないということに。
「オレってばこれでも急成長中の忍―!西へ東へと引っ張りだこなんだってばよー!」
「………それっていいように使われているだけじゃないの?」
「んぎゃ。それは言わない約束だってばよ~。カカシ先生!」
オレは不機嫌になって、ベッドの中に青年を引きずり込む。腕の中のナルトがポカポカとオレを叩く素振りをしていたが、力が入ってないのでまったく痛くない。オレはそんな青年の可愛らしい所作に苦笑すると、青年を抱き込んで眠りに落ちた。青年の吐息が横にあると何故か酷く安心した。















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空気猫取扱説明書概要
ここは二次創作小説置場です。無断転載は禁止。本物のカカシ先生とナルトくん、作者様とは一切関係がありません。苦手な人は逃げて下さい。
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自己紹介
名前    空気猫、または猫
職業    ノラ
趣味    散歩・ゴミ箱漁り
餌      カカナル
夢      集団行動
唄      椎名林檎
性質    人間未満

日記    猫日和

ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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