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空気猫

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お隣のカカシさんシリーズ第1弾

おまえの泣き声はいつも聞こえない。


カカシサイド。人生色々にて。

誘拐犯と子供7 最終話

4年後。実質、はたけ邸で監禁されるように育った子供は無事に成長していた。さぞかし太陽の光が似合うだろう色彩の少年は、一人の男により存分に愛でられ、今年で16歳になる。
屋敷の外から出されることなく育ったためか元々薄かった色素はいっそう抜けて、屋敷の主人の溺愛っぷりに拍車を掛けた。
「いやー、本当。いい拾いものをしたよねぇ」
「何が」
「ん? おまえが大好きだって言ったんだよ」
「バッ。恥ずかしいと言うなってばよっ」
予め温めたポットとカップに珈琲を注ぎながら、ナルトは耳朶を赤く染め上げる。長椅子で寛いでいたカカシは金糸の少年の細腰を引き寄せると、「キスして?」と命令という名目のおねだりを命じた。
「はたけさま…」
「カカシでしょ、ナルト」
「カカシ…――センセイ」
少年のうなじを掻き揚げ悪戯を仕掛けようとしていた若き伯爵は、少年の「あんまりな言葉」にガクンと項垂れた。
「相変わらずムードのない子だねぇ」
「だって…」
「また、ジイサン方に厭味を言われたのか。そんなこと気にしなくてもいいのに」
「はたけさまって言わなきゃだめちゃん…それにオレがカカシ先生のこと呼び捨てにしたら、ええと下々の者に示しがつかないってば」
現在、ナルトはカカシ専属の従者として、カカシが外出する際はいつでも追従していた。追従ではなく、連れ添っているのだとは、はたけカカシの言い分で、ナルトが名目上は屋敷の主人のお付きの従者として外の世界を見ることを許されたのは、つい最近のことだ。それまでカカシは、ナルトが屋敷の外に一歩でも出ることを酷く厭うた。それは、〝ナルト〟という金髪碧眼の子供を探して「三代目」と俗名の公爵が血眼の捜索をしていると風の噂で聞いたためであったし、人目に自分の宝物を披露する趣味がなかったせいである。
しかしそれではまるで監禁ではないか、と髭の友人に指摘を受け、従者として夜会に出席するようになったのは、ナルトが16歳になったばかりの頃だ。だが、今もナルトはカカシの腕の中に閉じ込められたままだ。銀の伯爵の寵愛を受けている少年に手を出そうとした愚かな男が伯爵の圧力によって社交界から消えたのはつい最近のことであったりもする。
もちろん、ナルト本人は自分が異常なほど愛されていることなど、知るよしもなかった。カカシの愛情を水のように注がれて育ったナルトは、カカシが自分にすることに、疑問を持つことはない。
「二人っきりの時は呼び捨てにしてって言ってるでしょ。今度〝はたけさま〟って言ったらおしおきだからね?」
目元を赤くさせたナルトは、何かを堪えるように、カカシのシャツを掴む。
「痛いよナルト」
「あ、すいませ…」
「敬語も禁止したはずだよ」
不機嫌な声を出したカカシに対して、ナルトはどうして良いかわからず瞳を潤ませた。こんもりと目の淵に浮き上がった涙に、カカシは確信犯の微笑みを浮かべ、少年の全てを味わい尽くすかのような接吻で、当然のようにその唇を貪った。
「ふぁ…むんんん」
ナルトの、シャツを掴む力が、強くなる。せっかく先程、皺取りをしたばかりのシャツはこれで使い物にならなくなってしまった。
今、カカシの身の回りの世話の一切を取り行っているのはナルトだ。ナルト以外が自分にふれることを許さない、とカカシが屋敷内で宣言してもう随分の時が経つ。それ以来、カカシの着替えも食事の膳を取り分ける作業も、湯あみすらも、全てをナルトが取り行っている。
「でも。オレ、カカシ〝先生〟って呼ぶのは嫌いぢゃない」
上流社会の礼儀など無教養だったナルトに、流儀を教えてくれたのは他ならぬカカシ本人だ。
夜伽すらもカカシの手から教わった。初めての時は痛くて、痛くてびっくりして泣いてしまったのだけれど、今では上手く出来るようになったのだ。
「カカシせんせぇ…っ」
「ま。合格」
息を弾ませて、カカシはナルトの服を乱し始める。
「カカシ先生、夜会に遅れちゃうってば」
「オレの遅刻癖は今に始まったことぢゃないでしょ?」
二人分の体重で長椅子が軋む。色違いの瞳に見下ろされて、ナルトは頬を染めた。
「ふぁ…んんん」
「ナルト…」
首筋を噛まれて、ナルトの口から色めいた声が上がった。まだ数度の性交しか交わしていないナルトの身体をカカシは丹念に愛撫していく。
そうたった数度。
「愛おし過ぎて抱けなかった」とカカシに告白されたのはナルトが16歳になったばかりの頃だ。当時、ナルトは周囲の噂に反して(毎日、カカシの夜伽の相手をさせられている、というようなものだ。真実はとんでもないデマだった。)カカシに抱いて貰えないのは、自分に魅力がないためだと思っていた。
カカシを良く知る友人の予想では、はたけカカシが、愛して止まない少年と一線を越えることが出来たら奇跡だろう、とのような賭け事がされていたらしい。
「あのさ…カカシ先生、オレのこと好き?」
「好きだって、何度も言ってるでしょ。オレはね、おまえに一目惚れだったの。掻っ攫って、誰の目も届かない屋敷の中に囲いたくなるくらいにね」
「………カカシせんせぇ?」
「……んー?」
「オレ、幸せかも」
「オレも、おまえと一緒だよ」
ギシッ、と長椅子が二人分の重みでしなった。

 
 
 
 
 
 
 
☆終わり。ナルトにはたけさまって言わせたかったです^v^
あ、大好きサイトさんと相互になりました。これが巷でいう両想いって奴ですか。お返事20日~。

日常編
―お注射の時間―

空気猫取扱説明書概要
ここは二次創作小説置場です。無断転載は禁止。本物のカカシ先生とナルトくん、作者様とは一切関係がありません。苦手な人は逃げて下さい。
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管理人の生態
自己紹介
名前    空気猫、または猫
職業    ノラ
趣味    散歩・ゴミ箱漁り
餌      カカナル
夢      集団行動
唄      椎名林檎
性質    人間未満

日記    猫日和

ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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