忍者ブログ
空気猫

空気猫

[872]  [871]  [870]  [869]  [868]  [867]  [866]  [865]  [864]  [863]  [862
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

そんなわけで先輩との付き合いも割合長くなったというわけで。







「テンゾウ。醤油とって」
「今はヤマトですってば。いい加減、暗部時代の名前で呼ぶの止めて下さいよ」
「ああ、そうだったね。テンゾウ」
「…先輩。ボクの名前を覚える気がありませんね?」
しぶしぶ目の前の醤油さしを先輩に渡し、自分のぶんの定食をつつく。カカシ先輩と向かい合って食事をするなんて、暗部時代のボクが知ったらさぞかし歓喜するだろう。…あの頃は若かった。
「テンゾウってさぁこの大豆みたいだよね」
「は?」
小鉢に盛られた大豆を指差し、いやだっておまえって初代様の遺伝子受け継いでるんデショ。遺伝子組み換えの大豆なんかじゃあるまいしおまえ存在自体がビックリ人間ショーていうか面白い冗談みたいだよね、とそんなことを平気な顔をして冗談交じりに言う先輩は本当の意味で底意地が悪い、いや性格が悪いんだと思う。
はたけカカシという人物についての報告書をあげるとすれば、ボクほど優秀なレポートを仕上げられる人間は、この木の葉の里でもそういないに違いない。
基本的に自分以外の人間が傷付こうがどうしようが先輩には関係がないのだろう。ぐさっと大豆の煮物に箸を突きさして、もごもごやってる先輩は何事もなかったかのように秋刀魚定食を咀嚼している。
「先輩。今更昔の話を蒸し返して…。ボク、何か先輩を怒らせるようなことしましたか?」
「ん~?なぁにが?おまえが最近ナルトとばっか任務やってることとかについてちーっとも理不尽な気持ちになんてなってやしなーいよ?」
「原因はそれですか…」
大人気ないです、先輩…。がっくりと肩を落としてため息を吐くが、先輩は相変わらずもそもそぼそぼそと定食をつついているばかりだった。
「あー。カカシ先生ってばんなとこにいたってばよ」
探したんだってばよ、と金髪碧眼の少年が定食屋の中に入って来る。身長は160センチほどだろう。すらりと伸びた手足が、真っ直ぐこちらに向かって来る。
「うわ。何、ここ。オッチャンくさ!カカシ先生ってば普段こんな店で飯食ってンの?」
ナルトは大仰な仕草で仰け反る。ナルトも大概キツイ子だよね。まぁ、店内を見渡せば背中を丸めた中高年ばかりの姿がチラついている。築何十年になるかわからないオンボロの店と相まって、埃っぽい店内は、ナルトの年代の子が足を踏み入れるような場所ではないだろう。
「ナルト。昼まだ?何か食う?」
「食う!」
無邪気な笑顔と共にカカシ先輩の隣に腰掛けたナルトが一瞬だけこちらを見る。
「ふぅん。カカシせんせぇってばヤマトたいちょとこんなとこで飯食ってんだ」
あれ、ナルトから温度の低い視線。まさかこの子、カカシ先輩といたボクに嫉妬してるとか言うんじゃないだろうね?嫌な予感がして向かい側に視線を移すと、これ以上ないほどゆるみきったカカシ先輩の顔があった。先輩!今、貴方の考えていることが手に取るようにわかるのはなぜですか!
「これ、オレのおすすめ。少しはここで野菜食え。野菜」
「ぶーぶー。オレってば野菜はノーセンキュー!」
「そんなことばっか言ってるから横にも縦にも大きくなんないんだよ、おまえ。――あ、おやっさん。すみません。この子に野菜の ひとつ」
げぇえええと言いながらもナルトは、嬉しそうだ。基本的にナルトはカカシ先輩にかまわれるのが好きだ。
それにこの二人はどうやら付き合っているらしい。傍目には教師と生徒の会話に聞こえるかもしれないが二人の関係の事情を知る者が聴けば、イチャイチャしているふうにしか聞こえないのはどうしてだろう。まったくボクも相当苦労症だよね。
「カカシせんせぇがこの店の常連だなんて知らなかったってばよ。オレってば結構探したんだからな」
イビキのおっちゃんとかに聞いてやっと見つけたんだからな!と、この年頃の少年にしては幼い仕草でぷっと頬を膨らませるナルトの姿は、傍から見ても可愛らしい。似合ってるから困る。
「なぁると。かわいー。焼き餅妬いてくれたのかなぁ~?」
「べ、べつにしてねぇってばよ!」
あーあ。ナルトもツンツンしちゃってるよー。本当はカカシ先輩にかまって欲しくって仕方がないくせに。カカシ先輩の迫りくる顔を抑えるナルトは、大人の百倍常識的だ。
まぁ、ナルトは普通にいい子だよね。意外と人に配慮も出来る子だし、ボクにも何気に気を使ってくれるし。可愛い子だよね。人の美醜っていまいちわからないけど、ナルトの大きな瞳は一見の価値があるくらい綺麗だと思う。あ、悪寒。嫌だな、カカシ先輩。後輩にまで嫉妬するなんて大人気ないですよ。
















ドリームが覚めたヤマト隊長。ボクの青春返して下さい
この記事にコメントする
お名前:
タイトル:
文字色:
メールアドレス:
URL:
コメント:
パスワード:   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
空気猫取扱説明書概要
ここは二次創作小説置場です。無断転載は禁止。本物のカカシ先生とナルトくん、作者様とは一切関係がありません。苦手な人は逃げて下さい。
独り事
web拍手

こぎちゅねなるとがついったぁをはじめました。

カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
猫耳探偵事務所
仔猫ちゃんたちがキーワードから記事を探索してくれます。
miu miu
[01/17 NO NAME]
[07/30 羊]
管理人の生態
自己紹介
名前    空気猫、または猫
職業    ノラ
趣味    散歩・ゴミ箱漁り
餌      カカナル
夢      集団行動
唄      椎名林檎
性質    人間未満

日記    猫日和

ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
ダンボール箱
携帯猫
足跡
Powerd by NINJAブログ / Designed by SUSH
Copyright © 空気猫 All Rights Reserved.
忍者ブログ [PR]