空気猫
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上忍先生絶賛片思い中
ぽかぽかとあたたかい昼下がり。本日、七班の任務は草むしり。
「はぁ」
そんな平和な木の葉の里のことである。
「ふぅ」
「カカシ先生、ウザいです」
はるのサクラは任務を手伝いもせず草原にしゃがみ込んで落ち込んでいる大人を罵った。先程から途切れることなく落ち続けるため息に、いい加減痺れを切らしたらしい。
ヒドいよサクラなんて、地面にののじを描く大人はうざったいだけで、拗ねて見せたとろこで可愛さの欠片もない。
「ナルトとの仲を取り持ってくれたらお礼になんでも買ってあげるよ、サクラ?」
「カカシ先生、大人のプライドないんですか?」
援助交際をする親父のような台詞にサクラの頬が思わず引き攣る。ショタコン…、と漏れた聞き捨てならない呟きに、カカシは再びため息を吐いた。
「変態じゃないよ、ナルトが可~愛いだけ」
この大人はっ。サクラは 思い切り拳を落としたい衝動に駆られた。しかし、相手は腐っても上司。そこはぐっと堪える。平常心、平常心と草をぷちぷち抜くことに専念するサクラ。しかし、
「あ~、ナルトとキスしたいな~」
いっぺん死んでこい!ブチッとちぎれた草を握り締め、サクラの背後に黒いオーラが渦巻いた。年頃の女の子を前に、言って良いことと悪いことがある。この上司はそんなこともわからないのか。TPOをわきまえろ、とサクラは拳を握り締めた。
「でも避けられちゃってるんですよね?」
「………」
「で、手も繋いでもらえなくなったと」
「………」
「あまつさえ、怖がられて逃げられちゃってたり?」
ずぅぅぅんと上司は目に見えて落ち込んでいる。その落ち込みっぷりたるや、とてもこの里屈指の上忍の姿とは思えない。ついでに言えば、己の師事する上司だとは認めたくない。
「自業自得です」
ちょっと、ちゅうしただけなのに、とイジイジと恐ろしいこと呟く大人から精一杯目を反らしつつ、
「私もナルトがかわいいんですよ」
もちろんカカシ先生とは別の意味で!と続けられた言葉に、カカシは、はっきりと意外だという目で桃色の少女を見た。確かにこの頃のサクラは変った。以前は、ナルトに話しかけられるだけでも嫌がっていてたのに、今ではナルトがわからないことを教えてやったりいちいち世話を焼いてやったりしている姿も見受けられた。だからといってこうもはっきり、少女が主張したのは初めてだったので、教師は少々驚いたのだ。
「カカシ先生、今の目、スゴい失礼ですよ。…私だって、バカじゃないんです」
がんばっている子を見れないほど馬鹿じゃない、と続けられた言葉にカカシはああと目を細めた。例えば任務で依頼主に、ナルトだけが話し掛けられないとか、任務帰りに里中を歩いていると、ナルトにだけ冷たい視線が刺さるとか。気付かないほうがおかしいのかもしれない。いや、聡い子たちのことだ。きっとサスケも気付いているだろう。そして、サクラも気付いた、ただそれだけの話だ。だが、気付き、それからどういった行動を取るかで、人の歩む道は変わると思う。
「サクラはエライ子だね」
「――私、カカシ先生のそういうとこムカつくわ」
エライ子なんて最大の侮辱だとでもいうように「その、なんでも知ってる大人だよーって顔やめてくれません?」すぱんと一丁両断。そうだね、じゃあ訂正でいい女になるよ、と言ったらまた怒られるかな?それともセクハラになるんだろうか?
「私は、サスケくんが好きなんです」
真っ直ぐと前を睨んだままサクラが言う。視線の先には、任務に勤しむサスケとナルトの姿。
「サスケくんを好きなサクラちゃんじゃないといけないんです」
でなきゃあの子が困っちゃうから。――諦めない私を好きだと言ってくれるあの子のためにも。そのままカカシとサクラの二人はそれぞれ別の視線でただどこかを見ていた。
「ナルトって単純ですよねー」
「…………」
「あー、まぁたサスケくんに突っかかっちゃって」
「カカシ先生」
「…………」
「カカシ先生、見苦しいです」
カカシの葛藤はそのあとしばらく、正確には見兼ねた春野サクラが、心の声が丸聞こえですカカシ先生と突っ込むまで続いたという。
この二人のドライな関係がわりと好きです。
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空気猫取扱説明書概要
ここは二次創作小説置場です。無断転載は禁止。本物のカカシ先生とナルトくん、作者様とは一切関係がありません。苦手な人は逃げて下さい。
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管理人の生態
自己紹介
名前 空気猫、または猫
職業 ノラ
趣味 散歩・ゴミ箱漁り
餌 カカナル
夢 集団行動
唄 椎名林檎
性質 人間未満
日記 猫日和
ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
職業 ノラ
趣味 散歩・ゴミ箱漁り
餌 カカナル
夢 集団行動
唄 椎名林檎
性質 人間未満
日記 猫日和
ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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