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空気猫

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「ありがとってば」
ちょこんと長椅子の上にナルトが座ると、大きな大人二人が山のように聳え立つ。
どこからか出て来たジュースを驚きながらも受け取って、なんとなく頭を撫でられたりしていたナルトだが、はっと当初の目的を思い出して「あの、カカシ先生は…」とモゴモゴと呟いた。
「ああ、カカシ上忍か。今はいねぇけどそのうち来るんじゃないか。カカシ上忍に用なのか?」
用も何も、下忍のナルトがここを訪ねてくる理由はよくよく考えなくても、己の担当上忍を探して来る以外に考え難いのだが、はたけカカシに追いかけ回されて、うずまきナルトが逃げ回っていたことは、今では木の葉の里では有名な話だったから、ゲンマはあえて訊ねた。
「最近任務の時に、カカシ先生ってばちょっと元気なかったっていうか、おかしかったからオレってば。だから心配で来たんだってば」
「カカシ上忍が元気なかった?」
「うん、ちょっとだけ。いつもみてぇにくっついて来なかったんだってば。それに任務の邪魔して来なかったし。カカシ先生、体調が悪いのかもしれねぇ」
「………」
それは担当上忍として正常な姿なのか?と思いつつも、それにツッコミを入れたら話しが長くなりそうだったので、ゲンマはさっくりスルーして、次の質問をする。
「おかしかったてぇのは?」
「なんか変な仮面の兄ちゃんたちに囲まれて、縄を巻かれてどっかに連れてかれたんだってば」
「あー…、なるほど」
本日の正午過ぎに、暗部出動にまで発展した騒ぎはゲンマやライドウの耳にも届いていた。それに、とナルトは少しだけ潤んだ瞳で俯いて唇を噛んだ。
「オレのことすげー怖い目で睨んでたんだってば…」
オレ、カカシ先生に嫌われてるかもしれねぇ、とこぶしを握ってナルトは大人二名に訴えた。
(いや、それはないだろ)
ゲンマ、ライドウはもちろん背後にいる上忍たちの心の声が見事に揃う。何故なら、ナルトが言うところの「カカシ先生」は、上忍待機所で、己の生徒、正確には金髪碧眼のだってばよ忍者が任務中にどれだけ可愛かったか散々語ることを日課にしていたからだ。
一部の上忍の間では有名な話だが、はたけカカシといえば、その日の機嫌で上忍待機所を恐怖のドン底の落とす恐るべき男だった。
14歳も年下の部下の機嫌や反応に一喜一憂してため息を吐き、またある日は狂喜乱舞し、散々うずまきナルトが如何に可愛いかと語った後に、「いっくらナルトが可愛いからってオレの恋人に手ぇ出さないでよね」と言い放った時は、銀髪のズレた妄想箒頭にどれだけこぶしを落としてやりたかったことか…。それが、ここにいる上忍一同の意見である。ちなみにカカシとナルトが恋人であるという事実関係はいっさいなく、ついこの間など、うずまきナルトに好きな男がいるという噂を聞いて、人生色々の気温を氷点下にまで下げたばかりなのだ。その騒動は耳に新しい。
そんな中、渦中の人物が飛び込んで来たのだ。噂の真実を知りたいと、好奇心が湧くというものだろう。
そんなわけでちょこんと座ったナルトの周囲には屈強な上忍さんが集まることとなった。
「ところでうずまきおまえ、好きな奴がいるって本当か?」
意外にも直撃ど真ん中な質問をナルトにしたのは色恋からは程遠いと思われるライドウだった。
「えええええっ。おっちゃんってばなんでそれ知っているんだってば」
おっちゃんじゃねぇとライドウがツッコミを入れる中、ナルトの顔が真っ赤なイチゴのように染まった。ナルトは火照った頬に手を当て、ジャケットの襟に首を竦めるようにして埋めると、
「照れるってばよ!」
と、両手で顔を覆ってしまう。あまりに初々しい反応に、何故かそわそわと仕出す上忍続出した。
「すげー、すげーカッコイイ人でさぁ。オレってば一目惚れなんだってば」
周囲にノックアウト者を出しているとは露知らず、ナルトは、意中の人物について語りだそうとして、はたと顔を上げる。
「お、男が男を好きになるなんて変かな…?」
消え入りそうな声で、ナルトが哀しそうに俯く。極めつけにジャケットの裾をきゅっと握る仕草が何とも健気で意地らしかった。
なんだ、この可愛い生物は…。
ゲンマ、ライドウコンビ、ひいては人生色々に衝撃が走る。
抱き締めてぇえええ。
天然無自覚の色気を周囲に振り撒きながら、
「銀色で色違いの目をしたすげぇ綺麗な男の人だったんだってば…」
ナルトが恋する乙女さながらに告白した瞬間、ガララ、とそこで銀髪の大人が人生色々に入って来た。しん、と待機所が水を打ったように静かになる。











 
 
 
 
 
 






「ありがとってば」
ちょこんと長椅子の上にナルトが座ると、大きな大人二人が山のように聳え立つ。
どこからか出て来たジュースを驚きながらも受け取って、何となく頭を撫でられたりしていたナルトだが、はっと当初の目的を思い出して「あの、カカシ先生は……」とモゴモゴと呟いた。
「ああ、カカシ上忍か。今はいねぇけどそのうち来るんじゃないか。カカシ上忍に用なのか?」
用も何も、下忍のナルトがここを訪ねてくる理由はよくよく考えなくても、己の担当上忍を探して来る以外に考え難いのだが、はたけカカシに追い掛け回されて、うずまきナルトが逃げ回っていたことは、今では木の葉の里では有名な話だったから、ゲンマはあえて尋ねた。
「最近任務の時に、カカシ先生ってばちょっと元気なかったっていうか、おかしかったからオレってば。だから心配で来たんだってば」
「カカシ上忍が元気なかった?」
「うん、ちょっとだけ。いつもみてぇにくっついて来なかったんだってば。それに任務の邪魔して来なかったし。カカシ先生、体調が悪いのかもしれねぇ」
「…………」
それは担当上忍として正常な姿なのか?と思いつつも、それにツッコミを入れたら話しが長くなりそうだったので、ゲンマはさっくりスルーして、次の質問をする。
「おかしかったてぇのは?」
「なんか変な仮面の兄ちゃんたちに囲まれて、縄を巻かれてどっかに連れてかれたんだってば」
「あー…、なるほど」
本日の正午過ぎに、暗部出動にまで発展した騒ぎはゲンマやライドウの耳にも届いていた。それに、とナルトは少しだけ潤んだ瞳で俯いて唇を噛んだ。
「オレのことすげー怖い目で睨んでたんだってば…」
オレ、カカシ先生に嫌われてるかもしれねぇ、と拳を握ってナルトは大人二名に訴えた。
(いや、それはないだろ)
ゲンマ、ライドウはもちろん背後にいる上忍たちの心の声が見事に揃う。
何故なら、ナルトが言う所の「カカシ先生」は、上忍待機所で、己の生徒、正確には金髪碧眼のだってばよ忍者が任務中にどれだけ可愛かったか散々語ることを日課にしていたからだ。
一部の上忍の間では有名な話だが、はたけカカシといえば、その日の機嫌で上忍待機所を恐怖のドン底の落とす恐るべき男だった。
14歳も年下の部下の機嫌や反応に一喜一憂してため息を吐き、またある日は狂喜乱舞し、散々うずまきナルトが如何に可愛いかと語った後に、「いっくらナルトが可愛いからってオレの恋人に手ぇ出さないでよね」と言い放った時は、銀髪のズレた妄想箒頭にどれだけ拳を落としてやりたかったことか…。それが、ここに居る上忍一同の意見である。ちなみにカカシとナルトが恋人であるという事実関係はいっさいなく、ついこの間など、うずまきナルトに好きな男がいるという噂を聞いて、人生色々の気温を氷点下にまで下げたばかりなのだ。その騒動は耳に新しい。
そんな中、渦中の人物が飛び込んで来たのだ。噂の真実を知りたいと、好奇心が湧くというものだろう。
そんなわけでちょこんと座ったナルトの周囲には屈強な上忍さんが集まることとなった。
「ところでうずまきおまえ、好きな奴が居るって本当か?」
意外にも直撃ど真ん中な質問をナルトにしたのは色恋からは程遠いと思われるライドウだった。
「えええええっ。おっちゃんってばなんでそれ知っているんだってば」
おっちゃんじゃねぇとライドウがツッコミを入れる中、ナルトの顔が真っ赤なイチゴのように染まった。ナルトは火照った頬に手を当て、ジャケットの襟に首を竦めるようにして埋めると、
「照れるってばよ!」
と、両手で顔を覆ってしまう。あまりに初々しい反応に、何故かそわそわと仕出す上忍続出した。
「すげー、すげーカッコイイ人でさぁ。オレってば一目惚れなんだってば」
周囲にノックアウト者を出しているとは露知らず、ナルトは、意中の人物について語りだそうとして、はたと顔を上げる。
「お、男が男を好きになるなんて変かな…?」
消え入りそうな声で、ナルトが哀しそうに俯く。極めつけにジャケットの裾をきゅっと握る仕草が何とも健気で意地らしかった。
なんだ、この可愛い生物は…。
ゲンマ、ライドウコンビ、ひいては人生色々に衝撃が走る。
抱き締めてぇえええ。
天然無自覚の色気を周囲に振り撒きながら、
「銀色で色違いの目をしたすげぇ綺麗な男の人だったんだってば…」
ナルトが恋する乙女さながらに告白した瞬間、ガララ、とそこで銀髪の大人が人生色々に入って来た。しん、と待機所が水を打ったように静かになる。
 
 
 
 
 




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空気猫取扱説明書概要
ここは二次創作小説置場です。無断転載は禁止。本物のカカシ先生とナルトくん、作者様とは一切関係がありません。苦手な人は逃げて下さい。
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管理人の生態
自己紹介
名前    空気猫、または猫
職業    ノラ
趣味    散歩・ゴミ箱漁り
餌      カカナル
夢      集団行動
唄      椎名林檎
性質    人間未満

日記    猫日和

ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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