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空気猫

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先生は映画にはまったく興味がなかったご様子。
(イラストはクリックすると大きく表示されます)






ハリ○ッド式恋愛法

「あれ。このDVDどーしたの」
「ああ、それ。キバから貸してもらったやつ。なんか面白い映画らしい」
ナルトは〝えーが〟に近い発音で唇を動かしたあと、冷蔵庫から取り出した缶ジュースのプルトップを開ける。カカシはテーブルの上に放り出されたままだったパッケージを手に取り、「ああ…」と納得した。
犬塚の少年と聞いてロクでもないピンク映画ではないかと危惧したが、どうやら別の種類のほうであったらしい。しかしこれはこれで思春期の少年心をくすぐる映画だろう。
「さーてぃんふらいでーか…」
「は?」
「ん?正式名称のほう。昔、任務でこの映画の国の人と話す機会があってね。そいつがジェイソンって名前だったモンだからついでに正式名称も教えてもらったんだよね。まぁ、木の葉でのタイトルは直訳が採用されていたみたいでほぼまんまだったけど」
「へーぇ」
13日の金曜日にお面被った殺人鬼が湖畔のコテージに出没するという古典ホラー。木の葉の中心部ではタイトルと殺人鬼の名前ばかりが結構有名な映画で、異国から木の葉にやって来た彼は名前を名乗るたびに、周囲の住民にぎょっとした顔をされ首を捻ったらしい。青年自身は小心者のひょろい男で、件の映画すら観たことがなかっただけに少しだけ笑えた。まだオレが暗部だった頃の話だ。
「カカシ先生ってばこーいうホラー系苦手?」
「いや、そうでもないよ」
「よかった!んじゃ一緒に観ようってば!」
「まぁ、いいけどねぇ…」
歯切れの悪い返事をしつつ、後頭部を掻く。はっきり言って、オレってこういう映画は女優の顔を見てるだけで冷めるっていうか、ちっとも怖くないんだよねぇ。セックスの時、やたらと声のデカい女に醒めるのと一緒の原理かな。ま、こんなフィクションの作品でいちいち怖がってちゃ忍なんて職業やってられないけどね(もっとも、意外や意外。イビキがこの手の映画が大層苦手らしい。自分が殺人鬼のような顔をしているくせに驚きだ)。
「しししー。キバからちゃーんとDVDの再生機械も借りてきたモンねー。オレってば用意がいい!」
それ、ゲーム機じゃないの?と呆れた調子で言えば、「これで観れるんだって!」ともっと呆れた顔で返された。どうやら昨今ではゲーム機が映像再生機器の役割も担っているらしい。
「これをセットしてー。あとはボタンを押すだけってばっ!」
ナルトは映画を見る気満々らしく、煎餅を傍らにテレビの前にあぐらを掻いている。仕方ないのでオレもナルトの背後に回って、よいしょっと腰を下ろした。
腕を回せば、ナルトの華奢な身体がすっぽり収まる。はぁー落ち着く…なんてことを思ってると、即座に「せんせい、暑っ苦しい」という評価を承った。
尚もぎゅうぎゅうと抱き締めてやったら文句も収まったけどね。あー、可愛い。
『―――~~…Help!…Help!…She died!!』
『―――~~…He was my son.He name is Jason…』
映画はハッキリ言って単調でつまらないものだった。こういう映画ってあらかじめストーリーのパターンが決まっているモンだから、年食ってくると自然と次の展開が読めちゃうんだよね。
ナルトは面白いのかなー、とそろそろ~と視線を下ろすと、かなり真剣な顔で食い入るように画面を観ている。ナルトのこういう素直なとこって可愛いよね。オレが捻くれまくってるだけに余計思う。
だけどオレの記憶が確かならナルトってこういうお化けの類って苦手だったはずなんだけど。画面に視線を移せば、ちょうどヒロインが殺人鬼に襲われてるシーン。
ホラー映画で処女だったら助かるとか馬鹿な定番があるんだけど、まぁ童貞男の寒過ぎる願望だよなー、と自身のすたれた青春を思い返していると。
―――ぎゅ。













ん? あれ、あれ、あれ~??ナルト君~?もしかして微妙に震えちゃったりしてる?どうやら映画じゃ最高に怖いシーンに差し掛かっているらしく、オレの腕をぎゅっと握ってる手。
可愛い可愛い可愛い。無意識に恋人に頼っちゃってるナルトとか。普段あんまり甘えてこない強気な子だけに最強過ぎる。よし、今度レンタルショップでホラー映画を何本か借りてこよう。
「~~~っっっ。んせっ」
「あ、おい。おい。ナルト?―――こら、寄せって…」
ぎゅううっとオレに抱き付くナルト。シャンプーの良い香りが鼻孔をくすぐる。困ったふりをしつつ、ちゃっかり腰に手を回しちゃったりして、…それから映画が終わるまで数十分間、オレの天国タイムが訪れたのだった。
「はぁ。終わったってば」
「ん。結構面白かったねー」
「……そ、そう?」
「うん。すっっごく

あー、でもナルト思ったより怯えてるみたい。映画が終わってもぴったりくっついて離れやしない。わりと落ち着きのない子だから、テレビを見終わると大体冷蔵庫にジュースとか取りに行くんだけど、今日は大人しくオレの腕の中に収まったままだ。
「あ、あれも面白かったけど、今度は別の映画にしようってば」
「そう?じゃあ、次はイチャパラ映画がいいなぁ」
「それだけはノーセンキューっ!」
他愛のない話をしているが、ナルトがビクついてるのは明白で。ははは、ぴったりとオレの胸に頬をくっつけるナルト可愛い。
「ナルト~。そろそろ帰らなくて大丈夫~?明日、早いんデショ~?」
「え?でも、今日は…。も、もう遅いし外も暗いし…」
「そうだねぇ、だからもう真っ暗だから早く帰ったほうがいいんじゃない?」
いつもならなんだかんだ理由を付けて風呂に入っていけだの、もう泊りでいいデショだの、言ってナルトを帰さないんだけど、今日はわざと帰らないの?と促してやる。
理由は、ぎゅってなったナルトの白い指先が可愛いから、とでも言いましょうか。
(いや~、あはは。オレも大概性格悪いよねぇ…)
可愛いなぁなんて、金色の髪の毛を掻きあげて生え際にキスを落としてやったら、甘えるように鼻先を擦り寄せられた。
「んー。ナルトは今晩は帰りたくないのかなぁ。かーわい」
「そ、そういうわけじゃねぇけど…っ」
「そっかぁ。先生とイチャイチャしたいんだねぇ?」
「ち、ちがうってば…っ!!」
「ははは~。夜にトイレ行きたくなったらせんせーがついて行ってあげるからねー

「!!!!」
ぼぼぼ、と赤くなったナルトは、怯えていることがオレに筒抜けであったと今更ながらに気が付いたらしい。結構な勢いで暴れ出したナルトを上忍の拘束術を持って抑え込む。
かーわい。ナルトがオレから離れられないうちにいっぱいキスしちゃおうっと。









カカ得
















その後の二人も描いて頂きました。ああ、絶対こうなっている、流石(笑。
この二枚の素敵なイラストをアートして下さった方は
「和音を奏で」のトガシさんです。トガシさんのサイトはこちらから。
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自己紹介
名前    空気猫、または猫
職業    ノラ
趣味    散歩・ゴミ箱漁り
餌      カカナル
夢      集団行動
唄      椎名林檎
性質    人間未満

日記    猫日和

ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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