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空気猫

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人生色々を出てしばらく歩いたカカシは、傍の壁に寄りかかると、はー…と長いため息を吐いてその場にしゃがみ込んだ。
「あー、ヤバい。ナルトの前でぶち切れるとこだった」
流石にそれはヤバいでしょー、と普段は滅多に吸わない煙草なんてものに火を点けてみる。
「……なんで、ナルトの好きな奴がオレじゃないのよー」
煙草を片手にカカシは頭を抱えた。ナルトの好きな男。考えるだけで腸が煮え繰り返った。八つ裂きにしてやりたいとも思う。自分はすごく我儘な人間だから、そいつがナルトと幸せになる未来より、大切なはずのナルトを不幸にしてもいいから、ナルトの傍にいたいと思う。
そうした愛し方しかできない人間だと自覚しているし、それが自分の中にある歪みだった。
だって、綺麗事ばかり言ってナルトを奪われるくらいなら、まともな精神などいらないのだ。それ事態が余人からすればおかしなことなのかもしれないが、まるで駄々っ子が玩具を強請るように、カカシはうずまきナルトが欲しいのだ。
「不味…」
久し振りに吸った煙草はやっぱり好きになれず、よくこんなもの毎日吸えるよねぇとヘビースモーカーの友人に向けて独り言をぼやいた言葉は人生色々の窓から見えたそれに消えた。
しばらくして、潔癖症の嫌いがある子供っぽい大人は指に付いた特有の匂いに辟易した。




一方その頃。ナルトと言えば、混乱の最中にいた。
どうして? カカシ先生が怒っていた。
自分のこと見てくれない冷たい目。ズキンと心臓が痛む。
やっぱりオレのことがキライなの?
「………お、おい。うずまき?」
隣でゲンマ、ライドウの慌てた声が聞こえたが、ナルトは堪えきれずボロボロと大粒の涙が零した。
「どどど、どうしようってば。オレってばカカシせんせぇに嫌われちゃった」
小さなハートは許容量がいっぱいいっぱい。
わんわん、と大声を上げて泣いた、涙の水曜日。











 
 
 
 
 
 
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空気猫取扱説明書概要
ここは二次創作小説置場です。無断転載は禁止。本物のカカシ先生とナルトくん、作者様とは一切関係がありません。苦手な人は逃げて下さい。
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名前    空気猫、または猫
職業    ノラ
趣味    散歩・ゴミ箱漁り
餌      カカナル
夢      集団行動
唄      椎名林檎
性質    人間未満

日記    猫日和

ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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