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空気猫

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―そんなわけで12歳になりました編8-
R18









いつ、カカシの家に到着したのかわからない。気が付けばナルトは、長椅子に放り投げられていた。
「やだぁっ。カカシ先生…っ!!」
天井に伸びた二本の腕は銀色の男によって呆気なく押さえつけられる。見上げれば、険しい顔をしたカカシがいた。
「オレよりもサスケが好きなの?」
「―――っ」
「もう、あいつとキスしちゃった…?」
いつものカカシの声色とは違いきつい詰問口調だった。カカシが怒っているとわかったが、ナルトは何も反応が出来ない。長椅子に縫い留められた両腕がビクともしないのが不思議だった。
「〝いや〟なのか…?」
「へ?」
「ナルトはオレがいや?おまえまで、オレを拒絶するの…?」
どこか平坦で温度のないカカシの言葉と共に、薄暗い部屋でナルトの薄い息遣いだけが聞こえた。どうしてカカシの方が切羽詰まったみたいな、哀しい顔をしているのだろう。
「おまえだけはだめだよ。絶対」
「!?」
「ナルトは、オレのモノでしょ…?」
恐怖のあまり、ナルトは潤んだ目でカカシを見上げた。いつもの穏やかなカカシはどこに行ったのだろう。それが哀しく怖かった。
「ナルト…」
ひっくひっくと泣きじゃくる小さな生物の金糸をほとんど手癖で撫でながら、カカシは擦り切れそうになる理性を抑えることが出来なくなりつつあった。この子はまだたった12歳で、大事にしなきゃいけない子なのに。だが――。
「くそ…っ」
誰かにとられるくらいならば、壊してしまえ。眩暈と共に耳の奥で何かが壊れる音がした。




「ん、んん…ふぅ」
薄暗い部屋で子供の泣き声が聞こえた。電球ではなく、月明かりに照らされた部屋の中で折り重なっているのは、大人と子供。大人は強かに汗を流し、子供は大人の精液で濡れていた。
「ほら、段々痛いだけじゃなくなってきたでしょ…?」
後ろから幼いペニスを弄りながら、カカシはナルトを穿つ。その内、ナルトのペニスからピュクッと精液が零れた。
「ふぇええ…」
「………」
長椅子に突っ伏したナルトの顔は見えない。ただ浮いた肋骨が弱々しく起伏している。
「ナルト…」
「ふくぅ……」
「辛い、ナルト?」
ナルトに拒絶された時、ショックだった。自分だけを見詰めていた碧い瞳が、どこか遠いものに感じられ、成長した手足さえも、自分から逃げいて行くために伸びたように感じ、こんなことなら愛情を掛けて育てなければ良かったとさえ思った。
あんなに信頼を寄せてくれていたのに、あんなにオレに懐いていたのに、成長した途端捨てるのかと、約束をしたわけではないのに、喉からギリギリと出ようとする罵倒を飲み込むのに苦労をした。
カカシ自身、ナルトが己の傍から離れる時が来ることは覚悟していた。路地裏で拾った時から、いつかそういう時が来るだろうとも思っていた。
だが、それは遠い未来のことだとも思っていた。あんなふうに拒絶され、己の手から離れて行くことが結末だなんて誰が予想するだろう。
―――そんなのカカシ先生にはもう関係ないってばよ!
碧い眼で言われた時、途端に足元が不安定になった。今までカカシは苦労せず、ナルトから無条件で〝好き〟を貰えた。カカシはただ一番初めに拾って助けたというだけで、ナルトの世界で一番になる特権を得ることが出来たのだ。
例え何があっても、絶対に揺るぐことのないほど、好意を寄せられているという自負は、心の隅にあった。友人のアスマに向ける目も、同僚の女に向ける目よりも、初恋だと言われた少女にさえ、誰よりも、特別なのだと、自分だけを頼る小さな生物が、愛おしく、時には愛玩動物のように可愛がった。己はそれに胡坐を掻いて、何か大切なことを見落としていたのだろうか。
「ナルト…?」
組み敷いた子供から答えは返ってこない。どうしたら、永遠に自分のものになるだろうか。小さな身体に釘を挿すように穿っていると、
「カカシ先生、痛いよぉ…」
「……っ」
ナルトがカカシの下でシクシク泣いていた。当たり前だ。初めての性交で、それもきちんと認識しているかわからない状態で、自分の倍はある人間の男を受け入れているのだから。
中心に、カカシのペニスが刺さった状態で、ナルトは身体を丸めて泣いていた。尻尾は精液が絡みついて、毛先が絡まっている。
「ナルト、」
「はぁ、カカシ先生。カカシ先生。やぁあー…」
「………」
何故、ナルトの唇は己を拒絶する言葉ばかりを吐き出すのだ。瞳に浮かんだ涙はなんだ。どうして、自分に最上級の笑顔が向けられない。
「やらぁ……」
「――――っ」
焦燥感が募った。誰かを殺して、殺して、殺して、人殺しと罵られ、親を殺して子の、子を殺して親の恨みを買い、だけど、帰れば三角耳をパタパタさせたナルトが待っていた。自分だけを待っていた。帰って来てくれて、生きていてくれて嬉しいと、その表情で、耳で、尾で、全身で表して汚れた自分に抱き付いてくれたから、生きていてもいいのだと、生きることを許されていたのに―――…。
「どうしていやなの、ナルト。おまえだけは、〝駄目〟だよ。オレを拒絶するなんて許さない…」
カカシは既に気絶しかけたナルトの頬をぺちぺちと叩いて、何度も抱き起そうとした。だが、間抜けな音が響くだけで、ナルトはぐったりとしたままだ。
「ふぇええ…」
ナルトは人形のように揺すられたまま内臓器官を押し上げられる感覚に吐き気を堪える。そのまま、ギシギシという長椅子の軋む音と共に、視界が揺れた。
「そんな目でオレを見ないでよ……」
てろり、とナルトの口の端から伝った唾液に、カカシは切なげに眉を寄せた。






 













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空気猫取扱説明書概要
ここは二次創作小説置場です。無断転載は禁止。本物のカカシ先生とナルトくん、作者様とは一切関係がありません。苦手な人は逃げて下さい。
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管理人の生態
自己紹介
名前    空気猫、または猫
職業    ノラ
趣味    散歩・ゴミ箱漁り
餌      カカナル
夢      集団行動
唄      椎名林檎
性質    人間未満

日記    猫日和

ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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