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空気猫

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これはストーカー行為ではありません。あくまで偉大な先輩に近付くための追尾行動です。
*かけ算みたいに見えるかもしれませんが、先輩愛が行き過ぎた結果。気持ち悪い後輩上等。今回ちんまいなるとさんも少しだけ登場少しだけ。黒猫は謳うよ、ラララとの続き。







盲信者のように愛して

「死んでよ?」
次の瞬間、クナイが闇に交錯し、人間がただの肉塊になった。「うわースプラッタ」なんて言いながら飄々とバラバラになった死体から機密文書を回収する銀髪の暗部。彼はボクの先輩だ。今日も憧れのカカシ先輩は最高に残忍で冷酷だ。



「カカシ先輩!任務のあと、暇ですか!良ければボクと飲みに行きませんか!」
「あー、ごめん。今日はパス」
「それじゃあ、明日の任務のあとはどうですか!」
「いや、それもナシだな。今度にしよう」
連戦連敗。冷たく素っ気ない先輩の態度にボクはガックリと地面に突っ伏した。しかし、今日のボクはひと味もふた味も違うのだ。ボクの誘いを連日断り続けている先輩の謎めいたプライベートを探るべく、先輩の尾行を決心したのである。
「ふふふ、カカシ先輩。今日こそは貴方の全てがボクの手の中に!」
気配を消して、ボクは先輩の後を尾ける。先輩の足取りから推測するに、色街に繰り出すわけでも、酒場に行くわけでもないようだ。いったいどこに行くのだろう?同じ暗部の職業柄、ボク等の私生活はミステリアスになりがちだが、カカシ先輩のプライベートは他の人間以上に謎に包まれている。もっとも先輩の情報はボクの日々の地道な努力の成果か収集されつつあるのだが。先輩とボクが運命的な出会いを果たしてからコツコツと綴っている先輩メモ。まだまだ白紙のページが多いが、やっぱり入手した情報はきちんと書いておかないと。ほら、ボクって几帳面な性格だし。そんなわけで先輩がよく行く定食屋は先輩と親しい同僚に聴いて既にリサーチ済み。あとは先輩を誘ってラブラブランデブーするだけなのに、どうしてなぜか先輩はボクにつれない。
「……?」
そして本日。どこか浮足立ったような先輩の背中に戸惑いを隠せない。もちろん、ボク程度の能力で尊敬すべき先輩を出し抜けるだなんて思ってもいなかったが、先輩は珍しく無防備だった。
「おかしいな。この先には何もないはずだけど…」
先輩の向かう先は木の葉の中心部に位置する住宅街だった。ま、まさか恋人とか!?そんな先輩!ボクというものがありながら!いや、先輩とボクはまったくなんの既成事実もないのだけど。
「たまたま同じ空気吸ってるだけの赤の他人デショ。おまえ、誰だっけ?」
負けません。例え、二回目の任務の時に初回の任務でボクと話したことを貴方が綺麗さっぱり忘れていたとしてもソコがいいんです!赤の他人以下の雰囲気を漂わせていたけど、ボクはへこたれません!
「あ、あれ?」
先輩の目的地はおよそ先輩とは似つかわしくない、おんぼろアパートだった。は!もしやここが先輩の自宅!?だけど先輩は里運営の寮に住んでいるはずだ。先輩メモを握り締めつつ、ボクは木の陰から先輩をそっと見守る。これは偉大な先輩を知るための一歩なのだと高揚感に満たされていると、先輩は窓から住宅に侵入を果たしていた。
「ねぇ、まだ起きてる…?」
漏れてくるボソボソとした音声をボクはかろうじて拾い聴く。
「ん。ごめーんね。起こしちゃったね…寝てていいからね」
クスクスと落ちた笑い声。布団に視線を落としたカカシ先輩の指先が何度も何者かの髪の毛を梳いている。
「ははは。ムクれなーいの。今度は何か土産を買ってきてやるよ。何がいい?甘いもの?」
「――――…」
カカシ先輩は面を頭の上にズラして子供を抱き締めていた。子供は寝ていたらしく(時刻は深夜過ぎ。当たり前だ)、カカシ先輩の肩に顔を埋めて眠たそうにしている。そんな子供を見降ろして、カカシ先輩は可愛くって仕方がないって顔で微笑んでいた。
あ、なんだ。あの人、あんな優しく柔らかく笑える人だったんだ…。そこにボクの知っていた冷たい先輩の姿はまるでなくて。――――ただただ優しい人がいた。
しばらくカカシ先輩とその家の家主は何事かを話していたようだが、夜分も遅いためだろうか、やがてカカシ先輩は重い腰を上げた。
「また来るね。―――…ナルト」
カカシ先輩の唇がボクの知らない名前を紡ぐ。ボクがうずまきナルトの存在を知るのはもう少しあとのこと――。後輩相手に嫉妬心を隠そうともしない先輩に戸惑いが隠せず、そんな先輩の行動は新たなるメモリアルに加わることになるのも。それもまた別の話――…。
















ヤマトたいちょ、感心してないでそこのペドフィリアを捕まえてくれ。ヤマトたいちょ視点ですが、もしこれ、カカシ視点だったら「がっかりな先輩」でお送りできた話だと思います。
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管理人の生態
自己紹介
名前    空気猫、または猫
職業    ノラ
趣味    散歩・ゴミ箱漁り
餌      カカナル
夢      集団行動
唄      椎名林檎
性質    人間未満

日記    猫日和

ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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