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空気猫

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仔カカシ×ナルト先生。本当のことわざは少年老い易く学成り難し。語呂が良さそうなのと猫さんそんなにことわざとか知んないのとで適当に付けた。







少年は迷走し易く恋成り難し

「カカシ。おぬし、アカデミーからやり直せ」
「はいっ?」
「意味を計り兼ねますが。それは、新しい任務ですか?」
「ちがうわい。バカたれ。そのままの意味じゃ」
しっ、しっ、と犬猫を追い払うような風体の火影の様子に、カカシは呆気に取られたように立ち尽くした。


はたけカカシ、13歳。職業、忍。現役暗部。しかし、いったいどこで何を間違えてしまったのか、アカデミー生からやり直すことになる。きっかけは三代目火影の「おぬしに足りぬものはアカデミーの情緒教育じゃ」の一言。カカシが反論する間もなく、里長の至上命令が下された。




どうして自分が今更アカデミーだなんて場所にいかなくてはいけないのか。子供なんて馬鹿で、低能で、未だ親の庇護化にある、ただうるさいだけの集団じゃないか。自分がアカデミー生に混じって授業を受けるだって?
馬鹿らしい。カカシは一蹴した。しかし、里長の決定は絶対だ。だから今、カカシはアカデミーにいた。
「おっ。きたな、カカシ。オレってばおまえのこと待ってたんだってばよ!」
名簿を片手に廊下の先からやって来たのは金髪碧眼の青年だった。およそ、忍とは似つかわしくない雰囲気を持つ青年にカカシは瞠目する。
「オレってばうずまきナルト。好きなものはカップラーメン。もっと好きなのは一楽のラーメン。嫌いなものはカップラーメンのお湯を入れてからの3分間!よろしくな!」
なんだその自己紹介は。ラーメンばかりじゃないか。結局、目の前の青年についてわかったことと言えばラーメンが好きだということくらいだろう。この青年は馬鹿なのだろうか?
出会ってものの数秒でカカシはこのアカデミー教師のことを見下した。
「おんや~、カカシぃ。どうしたんだってば?あ!さては転校初日で緊張してるんだってば?大~丈夫。オレのクラスはちょーっとヤンチャな奴らが揃ってるけど、みんないい奴らばっかだからなっ。いじめなんてぜってぇ担任のオレが許さねぇし!」
リラックス!リラックス!と肩をバンバン叩かれて、この教師シメてやろうか?と半ば本気で思う。大体、アカデミーの教師なんて前戦で戦うことを退いた腰抜けの集まりじゃないか。こんな男より、自分はずっと血を浴びた任務をこなしてきたのだ。
「着易くオレにさわるな」
肩に置かれた手を音がなるほどの早さで振り払う。思っていたより冷たい音が出たが、カカシは表情を変えないまま睨みつけた。
「言っておくけど、オレは尊敬に値すると思った奴にしか敬意を払わない」
年功序列などという悪習はこの世から即刻消去するべきである。カカシは年が上だというだけで、カカシのことを見縊る大人が大嫌いだった。大した力もないくせに、威張ってばかりいる。そのくせ自分のことを生意気だと謗るのだ。
一瞬、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした青年だが、回復は恐ろしく早かった。
「わかった!おまえを認めさせればいいんだな!」
ニシシと笑った金髪の大人に、カカシは呆れた視線を送った。




「お~い。カカシ~!」
アカデミーの屋上に最近カカシがうざったらしくて堪らない声が響いた。
「どうして授業出てくれねぇんだってば?オレってばおまえのことすげー探したってばよ」
腕を大げさに振って屋上のでっぱりの部分で寝転がる少年をカカシ!カカシ!と着易く名前を呼び捨てにするアカデミー教師。そのうえカカシが視線を合わせるだけで、へへへーと気の抜けた顔で笑う。
大人というより、犬っころのようだ。それもこの大人の場合、人懐っこい馬鹿犬だ。とても優秀な忍犬として育成できそうにない。
「あのな。クラスにいったらカカシも楽しいと思うんだってば。カカシってばイケメンってやつだから、くの一クラスの子も喜ぶってばよ!」
それがいったいどうしたと言うんだ。昼休みにくの一クラスの女共に餌付けされていた教師の言う言葉か。くの一クラスの女子に口についた手作りクッキーの屑を拭ってもらって、ありがとうってば、なんて愛想を振り撒いているくせに。
大人としてのプライドがないのだろうか。本当に大人としてあるまじき大人である。
「カカシっ。オレってばおまえが授業出てくれるまで諦めねぇからなーっ!」
教師と生徒の青空の下での攻防はまだ続く。













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自己紹介
名前    空気猫、または猫
職業    ノラ
趣味    散歩・ゴミ箱漁り
餌      カカナル
夢      集団行動
唄      椎名林檎
性質    人間未満

日記    猫日和

ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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