忍者ブログ
空気猫

空気猫

[740]  [739]  [736]  [735]  [45]  [744]  [42]  [39]  [38]  [37]  [36
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

給水塔と下忍ナルトとカカシ先生。


 



 

涙色ドロップス

それは泣きたいほど、晴れた日のことだった。紺碧の空。木の葉の里は今日も平和だ。アカデミーの屋上で、ナルトが寝転んでいる。
「ナルト」
カカシの気配が現れたのは、それから間もなく過った頃。ナルトを襲った連中を全部始末してきたには、速過ぎる時間帯だった。
「あとは忍犬に任せて来た」
「上忍のくせに、後処理に手ぇ抜くなんて失格だってばよ」
「だって…、おまえが心配だったんだよ。どこ、怪我した?」
「オレなんて放っておいてくれていいのに」
ナルトの身体の周囲を綺麗に円を描いて広がる血溜り。はたはた、と真っ白なシーツがはためく中、ナルトは笑った。こほっと小さな身体が丸まって咳をすれば、血の痕が転々とコンクリートに散らばる。
「これくらいの怪我なんて、すぐ治っちゃうってばよ」
「うん。わかってるけど、痛いでしょ」
「なんてことないってばよ」
「でも、痛いでしょ」
カカシの影が太陽を背にして落ちて、ナルトはため息を吐く。
「ねぇ、先生の家に行こうよ。お願いだから、手当てくらいさせて?」
「同情なんて、欲しくないってば」
「うん…。ごめん」
「どうして、先生が泣くんだってば」
「ごめん。でも、止まらないんだ」
ぽたぽたた。と、コンクリートに落ちてくる粒。ああ、涙の雨が降ってくる。温かいよ、カカシ先生。




 
 
 





 

この記事にコメントする
お名前:
タイトル:
文字色:
メールアドレス:
URL:
コメント:
パスワード:   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
空気猫取扱説明書概要
ここは二次創作小説置場です。無断転載は禁止。本物のカカシ先生とナルトくん、作者様とは一切関係がありません。苦手な人は逃げて下さい。
独り事
web拍手

こぎちゅねなるとがついったぁをはじめました。

カレンダー
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
猫耳探偵事務所
仔猫ちゃんたちがキーワードから記事を探索してくれます。
miu miu
[01/17 NO NAME]
[07/30 羊]
管理人の生態
自己紹介
名前    空気猫、または猫
職業    ノラ
趣味    散歩・ゴミ箱漁り
餌      カカナル
夢      集団行動
唄      椎名林檎
性質    人間未満

日記    猫日和

ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
ダンボール箱
携帯猫
足跡
Powerd by NINJAブログ / Designed by SUSH
Copyright © 空気猫 All Rights Reserved.
忍者ブログ [PR]