空気猫
空気猫
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1億飛んで何光年の距離?
「ナールト」
毎日、毎日。上忍は愛情不足の子供にふれることを諦めない。今日も任務終了と共にダッシュで帰ろうとした子供を笑顔で捕獲。
後ろからぎゅむっと大人に抱きかかえられ、体を固くする子供に、そろそろ慣れてもいい頃なんじゃなーい?と思わないでもない。
「ナールト」
甘く呼んでみる。自分でもぞっとするような猫なで声。今まで付き合った女にさえこんなにやさしくしたことないよ?お子さま相手になにやってるんだかと自分でもおかしくなるんだけど、ほっとけないんだ。気がつけば、目があの子のことを追っていて。だからこれがオレの精一杯。ねえ、ナルト。
「ね、こっち向いて?」
囁くと子供から汗とおひさまの匂いがして、思わず旋毛に口付けてしまうと
「やっ!」
途端に、腕の中で子供が暴れだす。「離してってば、離してぇ!!」毛を逆立てた小動物のようにじたばたともがいた末、ぺちん、音が鳴って、気が付けば子供に叩かれて赤みの増した大人の左頬。
やけに響いた音。しん。演習場が静かになって。
「あ……ごめ、ごめんなさい!」
なんだかこの世の終わりみたいな子供の顔。「大丈夫だよ」との意味を込めて頭を撫でてあげようとすれば、叩かれると思ったのだろうか、びくんっと子供の体が強張る。またやってしまった。こんな顔をさせたいわけじゃないのに。
「ナールト、あやまらないでいいんだよ?無理矢理さわったオレが悪いんだから」
「ちがっ、先生は悪くないっ、悪いのは―――・・・」
「はい、ストップ」
ちっとも悪くないのに、自分で自分を卑下する言葉を吐こうとする子供を、カカシは許さなかった。
「ナルトはさ」
カカシは膝を折って子供の腕をきゅっと握る。同じ目線になって、子供はうっすらと目を開けて目の前のカカシを見る。
「オレにさわられるの、イヤ?」
すり、と子供の頬を撫でる。この子の反応は人に叩かれたことのある犬とイッショ。
「オレのこと、キライ?」
そのままじぃっとナルトの瞳を見つめながらカカシは首を捻る。
「オレが……怖い?」
途端に、ナルトの瞳が揺らぐ。
「オレはナルトにさわりたい。褒めてやりたいし、頭も撫でたい。ねぇこれはいけないこと?」
「カカシせんせぇ……」
ふにゃりとナルトの顔が崩れて震える身体でナルトがカカシに抱きついてくる。「ナルト……」カカシもナルトの小さな身体に腕を回し、ぎこちないながらも抱き返す。
「カカシせんせぇにさわられるのヤじゃないってば」
「うん」
「きゅってなるけど、あったかくて、カカシせんせぇの手、オレ好きだってば」
「うん」
「だけど体が勝手にびくんってなるんだってば。ごめんなさい」
「……それはナルトのせいじゃない、デショ?」
悪いのは、大人が傍によっただけで身を竦ませるのが癖になるくらい暴力を振るった連中だ。カカシは目尻にたまった子供の涙を掬うように口付けた。「くすぐったいってば」と笑うナルトにカカシもふふふと笑う。
「あ、大変だってば!!」
ぴょこんと腕の中の子供が跳ねる。
「今日はイルカせんせーと一楽行く約束なんだってば!!」
遅刻だってば!とわたわた慌て始める子供。「そっか」とカカシはまたぬくもりがすり抜けた腕を手持ちぶたさそうにポケットに突っ込む。しかし、今日は子供の方も名残り惜しそうにカカシを見上げきて、それだけでカカシはあたたかい気持ちになった。駆け出した金色の子供にカカシが後ろから声をかける。
「今度はオレと一楽いこうね?」
碧玉の目が大きく見開かれる。一拍のち、
「うんっ」
高潮した頬の子供が満面の笑顔で頷いた。演習場に残された大人はひらひらと手を振って子供を見送る。どうやら二人の距離は少しだけ縮んだ模様。
「ナルトとキス・・・したいな」
ぽつりと呟かれた言葉には、以前よりも僅かに欲が含まれていたのだけれど。しかし、上忍先生が子狐を手にできる道のりはまだまだ先が長いのです。
「ナールト」
毎日、毎日。上忍は愛情不足の子供にふれることを諦めない。今日も任務終了と共にダッシュで帰ろうとした子供を笑顔で捕獲。
後ろからぎゅむっと大人に抱きかかえられ、体を固くする子供に、そろそろ慣れてもいい頃なんじゃなーい?と思わないでもない。
「ナールト」
甘く呼んでみる。自分でもぞっとするような猫なで声。今まで付き合った女にさえこんなにやさしくしたことないよ?お子さま相手になにやってるんだかと自分でもおかしくなるんだけど、ほっとけないんだ。気がつけば、目があの子のことを追っていて。だからこれがオレの精一杯。ねえ、ナルト。
「ね、こっち向いて?」
囁くと子供から汗とおひさまの匂いがして、思わず旋毛に口付けてしまうと
「やっ!」
途端に、腕の中で子供が暴れだす。「離してってば、離してぇ!!」毛を逆立てた小動物のようにじたばたともがいた末、ぺちん、音が鳴って、気が付けば子供に叩かれて赤みの増した大人の左頬。
やけに響いた音。しん。演習場が静かになって。
「あ……ごめ、ごめんなさい!」
なんだかこの世の終わりみたいな子供の顔。「大丈夫だよ」との意味を込めて頭を撫でてあげようとすれば、叩かれると思ったのだろうか、びくんっと子供の体が強張る。またやってしまった。こんな顔をさせたいわけじゃないのに。
「ナールト、あやまらないでいいんだよ?無理矢理さわったオレが悪いんだから」
「ちがっ、先生は悪くないっ、悪いのは―――・・・」
「はい、ストップ」
ちっとも悪くないのに、自分で自分を卑下する言葉を吐こうとする子供を、カカシは許さなかった。
「ナルトはさ」
カカシは膝を折って子供の腕をきゅっと握る。同じ目線になって、子供はうっすらと目を開けて目の前のカカシを見る。
「オレにさわられるの、イヤ?」
すり、と子供の頬を撫でる。この子の反応は人に叩かれたことのある犬とイッショ。
「オレのこと、キライ?」
そのままじぃっとナルトの瞳を見つめながらカカシは首を捻る。
「オレが……怖い?」
途端に、ナルトの瞳が揺らぐ。
「オレはナルトにさわりたい。褒めてやりたいし、頭も撫でたい。ねぇこれはいけないこと?」
「カカシせんせぇ……」
ふにゃりとナルトの顔が崩れて震える身体でナルトがカカシに抱きついてくる。「ナルト……」カカシもナルトの小さな身体に腕を回し、ぎこちないながらも抱き返す。
「カカシせんせぇにさわられるのヤじゃないってば」
「うん」
「きゅってなるけど、あったかくて、カカシせんせぇの手、オレ好きだってば」
「うん」
「だけど体が勝手にびくんってなるんだってば。ごめんなさい」
「……それはナルトのせいじゃない、デショ?」
悪いのは、大人が傍によっただけで身を竦ませるのが癖になるくらい暴力を振るった連中だ。カカシは目尻にたまった子供の涙を掬うように口付けた。「くすぐったいってば」と笑うナルトにカカシもふふふと笑う。
「あ、大変だってば!!」
ぴょこんと腕の中の子供が跳ねる。
「今日はイルカせんせーと一楽行く約束なんだってば!!」
遅刻だってば!とわたわた慌て始める子供。「そっか」とカカシはまたぬくもりがすり抜けた腕を手持ちぶたさそうにポケットに突っ込む。しかし、今日は子供の方も名残り惜しそうにカカシを見上げきて、それだけでカカシはあたたかい気持ちになった。駆け出した金色の子供にカカシが後ろから声をかける。
「今度はオレと一楽いこうね?」
碧玉の目が大きく見開かれる。一拍のち、
「うんっ」
高潮した頬の子供が満面の笑顔で頷いた。演習場に残された大人はひらひらと手を振って子供を見送る。どうやら二人の距離は少しだけ縮んだ模様。
「ナルトとキス・・・したいな」
ぽつりと呟かれた言葉には、以前よりも僅かに欲が含まれていたのだけれど。しかし、上忍先生が子狐を手にできる道のりはまだまだ先が長いのです。
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空気猫取扱説明書概要
ここは二次創作小説置場です。無断転載は禁止。本物のカカシ先生とナルトくん、作者様とは一切関係がありません。苦手な人は逃げて下さい。
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管理人の生態
自己紹介
名前 空気猫、または猫
職業 ノラ
趣味 散歩・ゴミ箱漁り
餌 カカナル
夢 集団行動
唄 椎名林檎
性質 人間未満
日記 猫日和
ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
職業 ノラ
趣味 散歩・ゴミ箱漁り
餌 カカナル
夢 集団行動
唄 椎名林檎
性質 人間未満
日記 猫日和
ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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