空気猫
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「ほわ。なんだか、オレってばカカシせんせぇ臭~い」
カカシ宅、夜のことである。カカシのパジャマの上半分を着用し、ナルトは言った。
「くん、くん。それは同じシャンプーを使ったせいだってばよ」
同じくカカシのパジャマの上半分を着用し、ナルトは言った。
「カカシ先生~!!」
二人のナルトは、フローリングの床を裸足で駆けて、上忍の元へと行く。本に視線を落としていたカカシは、ナルトの姿を見ると、ばささとイチャパラシリーズを膝に落下させた。
「あーっ。カカシせんせぇってば、まぁたエロ本読んでるーー!」
「おまえねぇ…」
「ほぁー、カカシ先生の素顔って初めて見たってばよー!」
「そりゃ。いくらオレでも寝る時くらい覆面を取るよ…」
子供らしくぎゃーぎゃー騒ぐナルトに、カカシは辟易しつつ、パジャマから覗く鎖骨だとか膝小僧だとかから、慌てて目を反らした。なんだろう。妙にナルトが色っぽい気がする。気のせい、だと思うのだが。
「カカシ先生って意外といい男だったんだな」
「………」
ぷっくりと膨らんだ頬は、風呂上がりだけあって、上気しているようで。
「………っ」
謎の動機に頭を悩ませて、はたけカカシは金糸の子供たちから、やはり目を反らした。
その翌日。
「カカシ先生、ただいま」
手と手を繋ぎ合って、はたけ家の玄関を跨いだのは、左右対称見事にシンメトリーな金髪碧眼の子供で。子供を迎えいれるために夕飯の支度をカカシは、がしゃがしゃんっと皿を落とした。
「それにしても、チャクラ切れまでこのままだなんてあんまりだってばよ」
「外歩くたび注目されてなんだかオレたちってまぬけだってばよ」
それは、物珍しいから見られているのではないだろうか?実際のところ、ちょこちょこ動く二体の黄色い子供は愛らしい、としかいいようがない。
「ナルト。ちゃんと、手を洗ってきなさいよ」
「はぁい」「はぁい」
パタパタと洗面所に向かった子供たちに知らず内にカカシはため息する。頭の端で九尾のチャクラを使いきるまで、当分時間が掛かるであろうな、とも思う。
「まぁ、とりあえず晩飯の仕度かな?」
子供の栄養バランスを考えて野菜中心の料理を手掛けながら(ノーセンキューと言われるであろうが)、カカシの耳に居間でコソコソとお喋りしているナルトたちの囁き声が入ってくる。
「オレのほうがオトコマエでかっこいいってばよ」
「ぷう。何言ってるんだってばよ。鼻ぺっちゃのへちゃむくれのくせに」
「オレのほうが鼻が高いってば」「いんや、オレのほうだってば」まるで鏡とにらめっこして一人遊びをしているような子供たちに。
「か………っっ」
「ん?」
「ん?」
(可愛い…)
おたまを持ったまま壁に手を付いたカカシは悶絶した。自分は何を考えてるのだ、相手は12歳の子供だぞ!?と思いつつも、はたけカカシの葛藤はもう少し続く。
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職業 ノラ
趣味 散歩・ゴミ箱漁り
餌 カカナル
夢 集団行動
唄 椎名林檎
性質 人間未満
日記 猫日和
ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。