空気猫
空気猫
目が回るくらいの早さで屋根の上を移動して、あっという間にカカシ先生の家のベッドの上に転がされていた。両腕をシーツに縫い止められ、抵抗したところでまるで無駄で。
「ちょっと、ナルトっ。どーいうこと!?おまえ、オレ以外のオトコに抱かれてたわけ!?」
ヒステリックに喚くカカシ先生の声がやけに他人事のようだった。せんせぇ、それは変だってば?せんせぇだってオレ以外の人とセックスしてるのに、せんせぇは良くてなんでオレはダメなわけ?そーいうのって不公平っていうんだってばよ?
「オレが誰と話そうと、どこで誰と逢おうとカカシ先生には関係ないことだってばよ?」
「ちょっと、ナルトっ。どーいうこと!?おまえ、オレ以外のオトコに抱かれてたわけ!?」
ヒステリックに喚くカカシ先生の声がやけに他人事のようだった。せんせぇ、それは変だってば?せんせぇだってオレ以外の人とセックスしてるのに、せんせぇは良くてなんでオレはダメなわけ?そーいうのって不公平っていうんだってばよ?
「オレが誰と話そうと、どこで誰と逢おうとカカシ先生には関係ないことだってばよ?」
そうでしょ?
「関係なくないっ」
「なんでだってば?だってオレと先生はもう――、」
「っ。うるさい!もうそんな言葉なんて聞きたくもないよ!――オレから離れていくなんて許さない。誰にも渡さないっ」
「ひあ? かか、せんせぇ!?」
「ひあ? かか、せんせぇ!?」
そのままオレはカカシせんせぇに無茶苦茶に犯された。解されもしないでいきなり昂ったものを突っ込まれて、いつも以上に余裕も遠慮もないセックスが始まる。
「やだっ、カカシ先生としたくないっ。はなしてっ」
「ナルト、ナルト、ナルト、ナルト――」
朦朧とする意識の中で、やけに切なそうな顔をしたカカシ先生の顔だけが印象に残った。
なんでそんな、今にも泣きそうな顔をしているの?
もう何時間揺すぶられたのかわからない。口から漏れるのは意味不明な喘ぎ声ばかりで、何度目かの精が吐き出されて、含みきれなかった白い液がオレの内腿を濡らす。
「ねぇ、どうやって他のオトコに抱かれたの?どんな顔をして、どんな声でそいつに甘えたの?」
さっき猫面の兄ちゃんが付けた赤い痕にカカシ先生の唇が重ねられる。チリリとはしこいような痛みが走り、カカシ先生の口の中の温度にドキリとする。
さっき猫面の兄ちゃんが付けた赤い痕にカカシ先生の唇が重ねられる。チリリとはしこいような痛みが走り、カカシ先生の口の中の温度にドキリとする。
「ち、ちが…カカシせんせぇ…」
「ナルトは、オレのモノなのに……っ」
「あぁ……っ」
「くそっ。おまえの中はいつでも気持良いねっ?」
「聞いて、センセ…」
「いったい何人ここに咥え込んだっ?」
カカシ先生の、悔しそうな顔。そのまま、乱暴にガクガクと揺すられる。
オレは……、いつかの夕暮れ刻出来事を思い出した。
この里では、九尾というだけで差別されることはよくあった。道を歩いるだけで足を引っ掛けられる。擦れ違いざまに浴びせられる罵詈雑言。肩がぶつかっても謝れもしなくて、逆に舌打ちをされる。石を投げられたり、殴られたり蹴られたりすることも当たり前。
だけどなにより辛かったのは、針で刺すようなあの視線。優しそうに笑っていた女の人の顔が、オレを目の端に入れた瞬間怒りで染まり歪むのを目撃した時、オレは自分の中にいるものの業の深さを知った。綺麗な顔をした女の人の顔を醜くさせてしまう何かがオレの中にはあるのだと思うと、いつかは本当のオレ自身を見てもらうんだと決意する一方で罪の意識が芽生えた。だから商店でいちゃもんをつけられることも日常茶飯事だといえば、そうだったのだ。
「このガキッ、万引きしたものを大人しく出せ!」
「オレ、盗ってないってば。離せってば!」
「嘘を吐け!おまえが盗んだところを見たってお客さんがいるんだよ」
「ちがっ、オレしてないっ。そんなことしないってば」
嵌められたのか、嫌がらせか。今でもわからない。小さな商店で買い物の途中、商品棚を見ていたオレは突然、腕を掴まれ、店の奥にある小部屋に連れて行かれた。いいから後ろを向いて手を机につけ!と言われて従うと、店主らしきおじさんの手が後ろから回された。
「………!」
執拗に躯を這う汗ばんだ手の動きに、身体が強張る。…この人の触り方嫌だってば。そのうちジャケットの中に手が入ってきて、耳元にかかる荒い息に、オレはゾクリと背筋が震えた。
オレがやめろ嫌だと暴れだすと、店主のおじさんは顔を真っ赤にして怒鳴り声を上げた。
「うるさい、いいからおまえは黙って机に手を付いていろっ。大人しくしていないと殴るぞ!」
「っ!!」
「人間サマの店で買い物できるだけでも有り難いと思え、このキツネ!」
はぁはぁ、と息を荒げながらジャケットに手を掛けられた瞬間、店主のおじさんの手が捻り上げられる。カカシ先生だった。物凄く怒っている。カカシ先生が店主のおじさんの背後に立っていた。
「カカシせんせぇ…」
オレの言葉に店主のおじさんの顔がザーと蒼褪める。「いや、先生。これはそのう…」おじさんはどうやらカカシ先生のことを知っていたようで、上忍のそれも写輪眼のカカシに怯えたように媚を売り始める。
「この子がうちの店で万引きをしましてねえ、ちょっとこの子から事情を聴いていたんですけど、強情な子でなかなか口を割らなくて。それで仕方なく身体検査を…」
「せんせっ、オレなんも盗ってないってばよ。本当だってば、信じてってば!」
「このガキ、おまえは黙ってーー…」
「ナルト、こんなとこで何してるの?」
カカシ先生の言葉にオレと店主のおじさんが「え?」と同時に固まる。
「今日は家に来る約束だったじゃない。なんで来ないの?待ち合わせの時間、とっくに過ぎてるよ?」
「えっとカカシ先生?」
「オレがせっかく待っていたのに、こんなとこで道草してどういうつもり?」
店主のおじさんに目もくれないで、カカシ先生はオレだけを真っ直ぐと見ていた。カカシ先生は他のことはどうでもいいらしく、なぜ時間に遅れたのだと怒っていた。
「随分とそいつと楽しそうだったじゃない」
剣呑な表情でカカシ先生に睨まれて、ヒ、と店主のおじさんが悲鳴を上げて、腰を抜かす。
「えと、せんせ…、オレ何も盗ってないってば…?」
「そんなの当たり前でしょ」
なんでそんな当たり前のこというの?とあっさり言い放つカカシ先生にちょっとびっくりしてしまった。信じるとか、信じないとかの前にいっさいの疑問を抱くことなくカカシ先生の中で出されていた結論。店主のおじさんが何か言いたそうに口を開きかけたけど、カカシ先生の凍りつくような一瞥で黙る。
「ほら、いいから早く家に帰るよ。おまえとシタい」
あけすけな物言いにオレの頬が熱くなった。カカシ先生はそのままオレの手を引っ張って呆然としている店主の前を横切る。足も浮かんばかりにカカシ先生に手を引っ張られる。転びそうになりながら付いて行くオレなんて前を歩く先生はお構いなしで…
ああ、この人には関係ないのだとオレはカカシ先生の背中を見上げた。周りの評価も、九尾も、過去も、何も。躊躇いもなくオレ自身だけを映す瞳。
自分の本能にだけ忠実で、思いのままに行動する。そんなカカシ先生は忍としては一流なのかもしれないけれど、たぶん人間としては欠陥だらけで。6歳で中忍になったという先生は、本当に誰にも叱られずに育った人なのだろう。ううん、もしかしたら怒ってくれる人はいたのかもしれないけど、それもすぐに失ってしまって。あとに残されたのはカカシ先生だけで。道標もなく、大きくなった、なんて我儘で傲慢で傍若無人で可哀想な子供。――そういつだってカカシ先生は我儘で大きな子供だったのだ。
自分の本能にだけ忠実で、思いのままに行動する。そんなカカシ先生は忍としては一流なのかもしれないけれど、たぶん人間としては欠陥だらけで。6歳で中忍になったという先生は、本当に誰にも叱られずに育った人なのだろう。ううん、もしかしたら怒ってくれる人はいたのかもしれないけど、それもすぐに失ってしまって。あとに残されたのはカカシ先生だけで。道標もなく、大きくなった、なんて我儘で傲慢で傍若無人で可哀想な子供。――そういつだってカカシ先生は我儘で大きな子供だったのだ。
カカシ先生と別れて1週間。あんなに辛かったのが嘘みたいに、オレの気分は晴れ晴れとしていた。
「サスケ、サスケェ。一緒に修行いこうってば!」
カカシ先生が来ないから家で待っている必要もないし?なにより先生とセックスした後って疲れちゃうから何もできなくなってたんだけど、好きなだけ動けるからオレってばスゲー調子がいいっ。そんな絶好調のオレの唯一の悩み事といえば。
「ねぇ、ナールト。またサスケと修行なの?」
そう。カカシ先生その人だった。
「………」
いきなり気配を消して出てくんなってばよっ。突然出てきたカカシ先生にオレってば思わず仰け反っちゃった。
「最近、多すぎじゃない?ほとんど毎日でしょ?」
「カカシ先生には関係ないってばよ」
「担任だから気にかけるくらいいいじゃない。ねぇ、サスケと修行いくの?」
「そうだってば。……だから離してってば」
「なにが?」
「手!」
「手?」
オレの右手には先生の左手がちゃっかり握られている。カカシ先生は「ああ…」なんて如何にも今気付きましたなんて顔で、頭を掻いている。
「なる…」
「もう。そこどいてってば」
あんなに居た女の人たちはどうしたんだってば?カカシ先生ってばここのとこ毎日こんな調子だってばよ。ぶんっと手を振ったけど、逆にもう片方の手も取られて。
「やっぱ、ダメ。おまえこれからちょっとオレにつきあってよ」
あっさりと言い放ったカカシ先生に荷物よろしく小脇に抱き上げられる。付き合っていた時も今も、こんなふうに強引で人の話を聞かないところは満遍なくいつものカカシ先生だった。
「離せ、離せってばぁ。ぎゃあああ人浚い~~~~!!!」
「サスケ、サスケェ。一緒に修行いこうってば!」
カカシ先生が来ないから家で待っている必要もないし?なにより先生とセックスした後って疲れちゃうから何もできなくなってたんだけど、好きなだけ動けるからオレってばスゲー調子がいいっ。そんな絶好調のオレの唯一の悩み事といえば。
「ねぇ、ナールト。またサスケと修行なの?」
そう。カカシ先生その人だった。
「………」
いきなり気配を消して出てくんなってばよっ。突然出てきたカカシ先生にオレってば思わず仰け反っちゃった。
「最近、多すぎじゃない?ほとんど毎日でしょ?」
「カカシ先生には関係ないってばよ」
「担任だから気にかけるくらいいいじゃない。ねぇ、サスケと修行いくの?」
「そうだってば。……だから離してってば」
「なにが?」
「手!」
「手?」
オレの右手には先生の左手がちゃっかり握られている。カカシ先生は「ああ…」なんて如何にも今気付きましたなんて顔で、頭を掻いている。
「なる…」
「もう。そこどいてってば」
あんなに居た女の人たちはどうしたんだってば?カカシ先生ってばここのとこ毎日こんな調子だってばよ。ぶんっと手を振ったけど、逆にもう片方の手も取られて。
「やっぱ、ダメ。おまえこれからちょっとオレにつきあってよ」
あっさりと言い放ったカカシ先生に荷物よろしく小脇に抱き上げられる。付き合っていた時も今も、こんなふうに強引で人の話を聞かないところは満遍なくいつものカカシ先生だった。
「離せ、離せってばぁ。ぎゃあああ人浚い~~~~!!!」
「食べないの?ナルト甘いもの好きでしょー?」
「………」
ファミレスのボックス席に向かい合ってオレが黙ってチョコレイトパフェを睨んでいると生クリームがたっぷり乗っかったスプーンを無理矢理口の中に押し込まれる。口の周りがチョコと生クリームでベタベタになってオレが顔を顰めているのに、カカシ先生といえば満足そうにオレの口に生クリームを塗り付けていた。
「アイス熔けちゃうよ?」
「・………」
「ナールト、気まずいからなんかお喋りしない?つまんないんだけど?」
「………しねぇ」
「ナル、」
シツコイってばよ!!
「もー、いい加減にしろってばカカシ先生っ。オレたち別れたんだってばよ!」
「うん、知ってるよ?」
「なら、なんでっ」
「別れたらナルトにパフェ奢っちゃいけないの?」
それはまあ、そんなことないだろうけど…。オレってばぐっと詰まってしまう。でもさでもさ、なんかおかしいってば。大体付き合ってる時なんか1度もこんなとこに連れて来てくれたことねーじゃん!
「ほら、ナルト。あーん?」
口を閉じたまま俯くオレにカカシ先生がぐりぐりとスプーンを押しつける。
「むぐ」
「ナールト、おいしい?」
「いらないってば!!無理矢理食べさせられたって全然おいしくないってばよ。カカシ先生ってば何が目的だってばっ」
「……ナルト、怒ってるの?」
「当たり前だってば。オレってばサスケと修行に行くって約束したのに、なん…」
ぎん!と殺気を感じでオレは言葉を飲み込む。
「……今はサスケのこと話さないで欲しいんだけど?」
なんだってばよ、それ。なんでカカシ先生にあれこれ指図されないといけないわけ。オレがサスケと何しようと関係ないじゃんっ。半眼で睨むカカシ先生を負けじと睨み返してオレはどん!とテーブルを叩いた。
「…オレってばこのあとも別の用事があるのっ。早くしないと待ち合わせの時間に遅れちゃうってばよ」
「ちょっと待ちなさいよナルト!」
オレが立ち上がるとつられてカカシ先生も腰を浮かす。だからついてくるなって!木の葉商店街をオレはずんずんと出来るだけ早足で歩く。そのオレの後ろをカカシ先生が寸分違わないスピードで息も乱さず追い掛けて来る。オレってば全速力なのにカカシ先生は長い足でゆったりと付いて来るんだってば。くうう悔しいってば。
なんだなんだという顔で道行く人たちがオレとカカシ先生を振り返ってくるけど、オレってば気にしてらんねぇ。
「もーついてくんなってば」
「ナルトー、誰に会いに行くの?」
「カカシ先生には関係ない人だってばよ!」
「だから誰」
「誰でもいいじゃん!」
本当にシツコイってばっ。それにしてもどうしよう。てっきり用事があると言えばカカシ先生が諦めてくれると思ったのでつい嘘を吐いちゃった。困ったってばと、シカマルやキバやチョウジがいねぇかなときょろきょろと辺りを見回していると。
「あ、猫面の兄ちゃん!」
もうすぐ商店街を抜けるっていうところで、見覚えのある背格好を発見した。なんで、なんで兄ちゃんがいるの?オレってば嬉しくてここぞとばかりに猫面の兄ちゃんに飛び付いちゃった。ナイスタイミングだってばよ猫面の兄ちゃん!
「兄ちゃん、久しぶりっ。こんなとこでなにしてんの!?」
オレに首を絞められて猫面の兄ちゃんが「ぐぇ」と変な声を上げる。
「ちょっと待ちなさいよナルト!」
オレが立ち上がるとつられてカカシ先生も腰を浮かす。だからついてくるなって!木の葉商店街をオレはずんずんと出来るだけ早足で歩く。そのオレの後ろをカカシ先生が寸分違わないスピードで息も乱さず追い掛けて来る。オレってば全速力なのにカカシ先生は長い足でゆったりと付いて来るんだってば。くうう悔しいってば。
なんだなんだという顔で道行く人たちがオレとカカシ先生を振り返ってくるけど、オレってば気にしてらんねぇ。
「もーついてくんなってば」
「ナルトー、誰に会いに行くの?」
「カカシ先生には関係ない人だってばよ!」
「だから誰」
「誰でもいいじゃん!」
本当にシツコイってばっ。それにしてもどうしよう。てっきり用事があると言えばカカシ先生が諦めてくれると思ったのでつい嘘を吐いちゃった。困ったってばと、シカマルやキバやチョウジがいねぇかなときょろきょろと辺りを見回していると。
「あ、猫面の兄ちゃん!」
もうすぐ商店街を抜けるっていうところで、見覚えのある背格好を発見した。なんで、なんで兄ちゃんがいるの?オレってば嬉しくてここぞとばかりに猫面の兄ちゃんに飛び付いちゃった。ナイスタイミングだってばよ猫面の兄ちゃん!
「兄ちゃん、久しぶりっ。こんなとこでなにしてんの!?」
オレに首を絞められて猫面の兄ちゃんが「ぐぇ」と変な声を上げる。
「……き、きみこそどうしてここに」
「オレってば任務の帰り道なんだってばっ」
「凄い偶然だね。まさかこんなに早くまた逢えるとは予想外だよ」
それはオレの台詞だってばよ!見れば、猫面の兄ちゃんの視線の先にはボロボロになった商店が1軒。粉々になったガラス。傾いて焦げた看板。そーいえば〝不審火〟が起きたって今日サクラちゃんが言ってたっけ?猫面の兄ちゃんってばそれの調査なのかな?猫面の兄ちゃんの首にぶらさがったまま視線を下げると、兄ちゃんの手には燃えカスらしき木片が握られていた。この間も木をにゅるにゅるって出してたし、木が好きな兄ちゃんなのかな?あんぶなのにいろいろ駆り出されて大変だってばよ!
「兄ちゃん、仕事中?」
「…まぁ、そんなところかな。こんなに短期間で何度も逢うなんて僕たちは縁があるのかもしれないね」
「ほんと!?オレもまた会えて嬉しいってばよ!」
いや僕は嬉しいなんて一言も…と猫面の兄ちゃんはあさっての方向を向いてぼそぼそ呟いている。だけど猫面の兄ちゃんってばオレが落ちないようにしっかり向かい合わせで抱っこしてくれてるんだってばよ?へへへ、兄ちゃんってば、やっぱやさしーってばよ!
猫面の兄ちゃんの首筋に齧りついて喋りかけていると。
「テンゾウ。なんでおまえがナルトと一緒にいるの!?」
「あ、カカシ先輩お久しぶりです。これはそのう…」
カカシ先生が目を真ん丸く見開いて立っていた。
「ねえねえ猫面の兄ちゃん、兄ちゃん、仕事終わったらラーメン食べにいかねぇ?」
「ああ、この間の?」
「そ!今度はオレが奢ってやるってばよ~」
「この間!?なに、なんなのナルト…テンゾウ!?どーいうことか説明してくれる!?」
猫面の兄ちゃんがカカシ先生によくわらかないことを早口で一方的にわーわー言われている。そのうち猫面の兄ちゃんが何か考えるように口元に指を当ててふと視線をオレに下ろす。
「ちょっとテンゾウ聞いてるの?!」
「…これは試してみる価値あるかな?」
「うぁっ。な、に?」
「しぃ…黙って」
「????」
「いいからじっとしてて」
「…へ?ひあっ」
首筋にちくりと痛みが走る。肩口に顔を埋められてよく見えないけど、どうやら猫面の兄ちゃんはお面をズラしているようで。近くで聞こえる兄ちゃんの声にオレってばどぎまぎして顔が真っ赤になってしまう。
「…ん、んう。にぃ、ちゃん??」
「たぶん僕の予想通りなら面白いことになるよ」
「へ?」
オレってば、猫面の兄ちゃんの首に腕を巻きつけたまま、猫面の兄ちゃんを見上げて首を傾げる。カカシ先生より少しだけがっしりしている猫面の兄ちゃんを見つめていたら、
「ナルトっ。おまえ、何黙ってテンゾウにされるままになっているわけっ?」
「兄ちゃん、仕事中?」
「…まぁ、そんなところかな。こんなに短期間で何度も逢うなんて僕たちは縁があるのかもしれないね」
「ほんと!?オレもまた会えて嬉しいってばよ!」
いや僕は嬉しいなんて一言も…と猫面の兄ちゃんはあさっての方向を向いてぼそぼそ呟いている。だけど猫面の兄ちゃんってばオレが落ちないようにしっかり向かい合わせで抱っこしてくれてるんだってばよ?へへへ、兄ちゃんってば、やっぱやさしーってばよ!
猫面の兄ちゃんの首筋に齧りついて喋りかけていると。
「テンゾウ。なんでおまえがナルトと一緒にいるの!?」
「あ、カカシ先輩お久しぶりです。これはそのう…」
カカシ先生が目を真ん丸く見開いて立っていた。
「ねえねえ猫面の兄ちゃん、兄ちゃん、仕事終わったらラーメン食べにいかねぇ?」
「ああ、この間の?」
「そ!今度はオレが奢ってやるってばよ~」
「この間!?なに、なんなのナルト…テンゾウ!?どーいうことか説明してくれる!?」
猫面の兄ちゃんがカカシ先生によくわらかないことを早口で一方的にわーわー言われている。そのうち猫面の兄ちゃんが何か考えるように口元に指を当ててふと視線をオレに下ろす。
「ちょっとテンゾウ聞いてるの?!」
「…これは試してみる価値あるかな?」
「うぁっ。な、に?」
「しぃ…黙って」
「????」
「いいからじっとしてて」
「…へ?ひあっ」
首筋にちくりと痛みが走る。肩口に顔を埋められてよく見えないけど、どうやら猫面の兄ちゃんはお面をズラしているようで。近くで聞こえる兄ちゃんの声にオレってばどぎまぎして顔が真っ赤になってしまう。
「…ん、んう。にぃ、ちゃん??」
「たぶん僕の予想通りなら面白いことになるよ」
「へ?」
オレってば、猫面の兄ちゃんの首に腕を巻きつけたまま、猫面の兄ちゃんを見上げて首を傾げる。カカシ先生より少しだけがっしりしている猫面の兄ちゃんを見つめていたら、
「ナルトっ。おまえ、何黙ってテンゾウにされるままになっているわけっ?」
「えぇっ?」
「ちょっとナルトオレよりそんな顔を全部隠したような男がいいの?!」
カカシ先生が無理矢理兄ちゃんからオレを引き剥がす。
「なにすんだってばよー、はなせぇっ」
カカシ先生だって半分以上隠れてるじゃん!ごじゅっぽ、ひゃっぽだってば!そう言ったらカカシ先生ってば、
「五十歩と百歩なら、五十歩分だけ確実に差があるじゃない!!」
だって。なにそれ。もうその屁理屈についてけねー。カカシセンセーってこんなに子供っぽい人だったけ?
「カカシ先生、下ろしてってば!オレってば兄ちゃんと一楽いくの!」
「ふうん。そう。もしかしてこいつがナルトの新しいオトコなわけ!?」
「はぁ?っなに言ってんだってば、もういい加減にすれってばよ!!」
「許さないからね、ナルトっ。他の男なんかに渡さないからっ」
「わっ!???」
突然肺が潰れてしまうんじゃないかというくらいの強さでカカシ先生に抱き締められる。それはまるで縋り付くにも似た激しさで。
ち、ちちちょっと猫面の兄ちゃん、これはいったいどーいうことだってばよ!!あくあくとオレの口を開けて音にならない抗議を訴えると、
「うん、やっぱり面白いことになったね」
なぜか猫面の兄ちゃんが面白そう。わけわかんねーってば。
カカシ先生が無理矢理兄ちゃんからオレを引き剥がす。
「なにすんだってばよー、はなせぇっ」
カカシ先生だって半分以上隠れてるじゃん!ごじゅっぽ、ひゃっぽだってば!そう言ったらカカシ先生ってば、
「五十歩と百歩なら、五十歩分だけ確実に差があるじゃない!!」
だって。なにそれ。もうその屁理屈についてけねー。カカシセンセーってこんなに子供っぽい人だったけ?
「カカシ先生、下ろしてってば!オレってば兄ちゃんと一楽いくの!」
「ふうん。そう。もしかしてこいつがナルトの新しいオトコなわけ!?」
「はぁ?っなに言ってんだってば、もういい加減にすれってばよ!!」
「許さないからね、ナルトっ。他の男なんかに渡さないからっ」
「わっ!???」
突然肺が潰れてしまうんじゃないかというくらいの強さでカカシ先生に抱き締められる。それはまるで縋り付くにも似た激しさで。
ち、ちちちょっと猫面の兄ちゃん、これはいったいどーいうことだってばよ!!あくあくとオレの口を開けて音にならない抗議を訴えると、
「うん、やっぱり面白いことになったね」
なぜか猫面の兄ちゃんが面白そう。わけわかんねーってば。
「僕もきみのことを気に入ってたんだけどね…。でも残念だけどカカシ先輩が相手じゃ分が悪いかな?」
「へ?へ?へ?」
大変だろうけど頑張ってね、とひらひら手を振られ、オレは恐る恐るカカシ先生を見上げれば、今までにみたことないくらい切羽詰まったような顔のカカシ先生がいて。突然、景色がぶれたかと思うと、オレは物凄いスピードでカカシ先生に持ち運ばれていた。
オレにはまったくなにがどうなっているのか意味すらもわからなかったのだけれど、お面を被っているはずの猫面の兄ちゃんの顔がなぜか笑っていたような気がした。
オレにはまったくなにがどうなっているのか意味すらもわからなかったのだけれど、お面を被っているはずの猫面の兄ちゃんの顔がなぜか笑っていたような気がした。
反撃に出る子狐。
「ベッドに行くってば?」
「んー…、今日はこのままヤリたいな」
キッチンのテーブルの上に転がされたオレは、いつものようにカカシ先生とセックスをしていた。今日はちょっとだけ服を乱されただけの格好。カカシ先生に揺さぶられて、オレの足が所在無さげに宙にぷらぷらと浮く。
「ナルトー、今日はやけに静かだねぇ」
「ふぇ、う、うん?そうっ…かな?…っん」
「ま、黙ってると女の子みたいだからいいんだけどね」
「………」
やがてオレの中に何度か精を叩き出したカカシ先生が長い息を吐いてオレの肩口に突っ伏した。いつものパターンならカカシ先生はセックスが終わると、すぐオレの中から出て行くのに、今日はなぜかぐずぐずとオレの中にいたままで?
「カカシせんせぇ?」
オレはカカシ先生の背中に腕を回して、汗でしっとりと濡れた銀髪に顔を向ける。
「……なんか喉渇いたな」
ぽつりと呟かれたその言葉にオレってばびっくりしちゃった。
「んー…、今日はこのままヤリたいな」
キッチンのテーブルの上に転がされたオレは、いつものようにカカシ先生とセックスをしていた。今日はちょっとだけ服を乱されただけの格好。カカシ先生に揺さぶられて、オレの足が所在無さげに宙にぷらぷらと浮く。
「ナルトー、今日はやけに静かだねぇ」
「ふぇ、う、うん?そうっ…かな?…っん」
「ま、黙ってると女の子みたいだからいいんだけどね」
「………」
やがてオレの中に何度か精を叩き出したカカシ先生が長い息を吐いてオレの肩口に突っ伏した。いつものパターンならカカシ先生はセックスが終わると、すぐオレの中から出て行くのに、今日はなぜかぐずぐずとオレの中にいたままで?
「カカシせんせぇ?」
オレはカカシ先生の背中に腕を回して、汗でしっとりと濡れた銀髪に顔を向ける。
「……なんか喉渇いたな」
ぽつりと呟かれたその言葉にオレってばびっくりしちゃった。
「コーヒー飲むってば?」
ドキドキする心音がカカシ先生にバレてしまわないだろうかと思いながらオレは先生に尋ねる。
「…おまえんちコーヒーなんかあるの?」
はっきり意外だと書かれたカカシ先生の顔。オレの心拍数はいよいよ上がってしまう。
「ええとその…、お客様用だってばよ!」
「ふうん?」
本当は前にカカシ先生が上忍待機所でコーヒーを飲んでいるのを見て、スーパーで買っておいたんだってば。だからカカシ先生専用。カカシ先生はすぐ帰っちゃうから今まで出す機会がなかったけど、オレってば美味しいコーヒーの淹れ方、イルカ先生に教えて貰って練習したんだってばよ!…カカシせんせぇ、飲んでくれるかな?
「カカシ先生、コーヒー好きでしょ?オレってば、コーヒー淹れてくる!スゴクおいしく淹れられるの!」
早くしないと先生の気が変っちゃうと思ったオレは焦ってカカシ先生の下から抜け出そうとして。
「うわっ、待ちなさいナルト。いきなり動いたら…!」
「え?ひぁあっ」
オレってば中に先生のが入っていたことをすっかり忘れてしまっていて、おなかの中で動いた棒の感触に悶絶する。
「~~~~っっ」
「ナールト、だーいじょうぶ?」
「っっだい、じょぶ。ごめんってば、せんせぇ…」
涙目になりながらオレが応えると、カカシ先生がくくくと笑ってゆっくりとオレの中から出て行ってくれる。
「んひゃ……」
「ふー、もう動いていいよ?」
ドキドキする心音がカカシ先生にバレてしまわないだろうかと思いながらオレは先生に尋ねる。
「…おまえんちコーヒーなんかあるの?」
はっきり意外だと書かれたカカシ先生の顔。オレの心拍数はいよいよ上がってしまう。
「ええとその…、お客様用だってばよ!」
「ふうん?」
本当は前にカカシ先生が上忍待機所でコーヒーを飲んでいるのを見て、スーパーで買っておいたんだってば。だからカカシ先生専用。カカシ先生はすぐ帰っちゃうから今まで出す機会がなかったけど、オレってば美味しいコーヒーの淹れ方、イルカ先生に教えて貰って練習したんだってばよ!…カカシせんせぇ、飲んでくれるかな?
「カカシ先生、コーヒー好きでしょ?オレってば、コーヒー淹れてくる!スゴクおいしく淹れられるの!」
早くしないと先生の気が変っちゃうと思ったオレは焦ってカカシ先生の下から抜け出そうとして。
「うわっ、待ちなさいナルト。いきなり動いたら…!」
「え?ひぁあっ」
オレってば中に先生のが入っていたことをすっかり忘れてしまっていて、おなかの中で動いた棒の感触に悶絶する。
「~~~~っっ」
「ナールト、だーいじょうぶ?」
「っっだい、じょぶ。ごめんってば、せんせぇ…」
涙目になりながらオレが応えると、カカシ先生がくくくと笑ってゆっくりとオレの中から出て行ってくれる。
「んひゃ……」
「ふー、もう動いていいよ?」
労るように頭を撫ぜられてくすぐったい気持ちになる。上着は着たままだったから下だけ履いて、
「あのね、すぐだから、すぐ淹れて戻ってくるから…カカシせんせぇ、ここで待ってて…?」
「あのね、すぐだから、すぐ淹れて戻ってくるから…カカシせんせぇ、ここで待ってて…?」
何度も振り返りながら、キッチンに向かうオレを見て「別に消えちゃわないから、前見てゆっくり歩きなさいよ?」ってカカシ先生はテーブルに腰を預けておかしそうに苦笑している。その笑顔に見惚れていたら、びたん!て転んじゃった。うう、痛いってば。よろよろとまだ力の入らない腰を抑えつつ、オレはキッチンに向かう。背後でカカシ先生の笑い声がまた聞こえて、それがとても耳に心地よかった。
「おいしいってば…?」
テーブルに手を突いて凭れ掛かったままのカカシ先生にコーヒーカップを渡す。カカシ先生が黙って飲んでいるので、不安になって尋ねたら短く、ん、って答えてくれた。
「なあに、ナルト。じぃっと見ちゃって。オレの顔がそんなに珍しいの~?」
「えっ。べ、別にそんなわけじゃねーもんっ」
「ふふふ、わかった。オレがあんまりいい男だからオレに見惚れてたんでしょ~?」
「ち、違うってばっ。カカシせんせぇってば自惚れてるんじゃねーの!?」
「ふうん?そーいうこという子のお鼻は摘まんじゃおっかなぁ~?」
「ふんぎゃっ」
手足をジタバタして抵抗するオレの鼻先を摘み、カカシ先生がコーヒーを片手に持って微笑んでいる。なんだか、なんだか普通の恋人同士みたい…、かも。
テーブルに手を突いて凭れ掛かったままのカカシ先生にコーヒーカップを渡す。カカシ先生が黙って飲んでいるので、不安になって尋ねたら短く、ん、って答えてくれた。
「なあに、ナルト。じぃっと見ちゃって。オレの顔がそんなに珍しいの~?」
「えっ。べ、別にそんなわけじゃねーもんっ」
「ふふふ、わかった。オレがあんまりいい男だからオレに見惚れてたんでしょ~?」
「ち、違うってばっ。カカシせんせぇってば自惚れてるんじゃねーの!?」
「ふうん?そーいうこという子のお鼻は摘まんじゃおっかなぁ~?」
「ふんぎゃっ」
手足をジタバタして抵抗するオレの鼻先を摘み、カカシ先生がコーヒーを片手に持って微笑んでいる。なんだか、なんだか普通の恋人同士みたい…、かも。
隣に座るカカシ先生の横顔はやっぱり格好良くて、いつ見てもドキドキしてしまう。せんせぇ、今日はお泊りしてくれねぇかな?一緒にいてくれねぇかな?今日こそは大丈夫かも。なぜかわからないけど唐突にそう思って。
「あのさ、あのさカカシ先生ってば、今日って暇…?」
だからオレってば、ありったけの勇気を振り絞ってカカシ先生に話し掛けた。
「夕ご飯食べてかねぇ?オレってば料理もできるよーになったんだってば。えっとね、カカシ先生の好きなものも作れるの。秋刀魚の塩焼きでしょ、ナスの味噌汁でしょ…」
だからオレってば、ありったけの勇気を振り絞ってカカシ先生に話し掛けた。
「夕ご飯食べてかねぇ?オレってば料理もできるよーになったんだってば。えっとね、カカシ先生の好きなものも作れるの。秋刀魚の塩焼きでしょ、ナスの味噌汁でしょ…」
全てが言い終わらないうちにカカシ先生が飲み終わったコーヒーカップをテーブルに置く。かちゃんと冷めた音を立てたそれと一緒にオレの心も凍り付いた。
「せんせ……、だめ?」
「悪いけど無理かな?これから行くとこがあるし」
「いっちゃうの?」
膨らんだ気持ちがしぼんでしまう。
「女の人のとこ行くってば?」
「いっちゃうの?」
膨らんだ気持ちがしぼんでしまう。
「女の人のとこ行くってば?」
震える声で尚も尋ねる。
「ナルトはそう思う?」
「ナルトはそう思う?」
ゆっくりと髪を弄ばれ、頬にカカシ先生の大きな手。
「いっちゃ、ヤダ…」
「どうしたの今日はやけに甘えっこだね?」
お願い、とオレはカカシ先生のアンダーを掴みぎゅっと握り締める。だけどすり寄せた頬の温もりは離れていく。それはあの春の日から平行線を辿ったまますれ違っていて。
「せんせぇ、オレたち本当に恋人同士…なんだってば?」
「そうだよ?お付き合いしてるでしょ?」
「だったら今日はイッショにいて欲しいってば、だめ?」
オレは最後の賭けに出て、恐る恐るカカシ先生を見上げる。お願い、カカシ先生。〝いいよ〟って言って。他のヒトを選ばないで。出ないとオレはもう。排水溝に流れ出た精液の渦がオレの中で繰り返しリピートされる。
「ナルト。オレ、束縛されるのキライなんだよね?」
「!!」
「ナルトならわかってくれるでしょ。オレ、そーいうのは面倒なの」
「!!」
「ナルトならわかってくれるでしょ。オレ、そーいうのは面倒なの」
病院に入院した女の人たちみたいに?少しでも先生に求めたら、捨てられる?先生、それはとても哀しいことだってばよ。それでカカシ先生は、楽しいの?しあわせ?
「カカシせんせぇ、オレのこと邪魔なら言って。オレがウザいなら、カカシせんせぇに喋りかけない。もうカカシせんせぇとも目ェ合わせない。だけど、オレをただのモノみたいに扱うのだけは止めて」
「ナルト…?」
「カカシ先生のことが好きだった。でももう限界」
心臓が早鐘のように打つ。
「カカシせんせぇはオレのこと本当に好き?違うよね、嫌いでもないけど、好きでもないよね?オレってばただの性欲処理の道具?」
初めは、カカシ先生が九尾としてオレを見ていない、ただそれだけでも嬉しかった。だってそんな大人初めてだった。そんな人を好きになれた自分はなんて幸せなんだろうとそれだけで満足だった。だけど、オレってば我儘になっちゃったんだってば。もう、ダメ。
「オレってばカカシ先生の玩具じゃねぇ。都合いい時ばっかりやってきて、オレにだってちゃんと心があるんだってばっ。ちゃんと傷付くんだってばっ。知っていた!?」
「あー、いきなり何を言い出すかと思ったらそんなこと?」
「そんなことじゃねぇってばっ。大事なことだってばよ!?」
「おまえ、女みたいなこというね。そういうのオレ、面倒臭くてイヤなんだよね?」
「その女の変わりにしてたのは誰だってばっ。オレってばもうカカシ先生の言いなりにならねぇもん!!」
「だって、オレを好きなおまえの気持ちって、ただの憧れデショ。おまえの年にはよくあることなんだよ?」
「!! ちが…うってば」
「!! ちが…うってば」
カカシ先生はずっとそう思っていた?オレの気持ちなんてこれっぽっちも本気で受け取ってくれてなかった?やめて、やめて、やめて。もうこれ以上、酷いことを言わないで。貴方を好きだという気持ちまで、不定しないで。オレから先生を好きだという気持ちまで取り上げないで。
「もう、いい」
好きになったからと言って、同じように気持ちを返して貰えるわけじゃない。愛しても愛されるとは限らない。希望を抱いても落胆することがないとはいえない。手を伸ばして、手に入るもののなんと少ないことか。そんなこと…、オレにとってはずっと前から、当たり前で。小さな頃から続くこの里の檻の中で、約束を守られないこと、理不尽な扱いを受けること、我慢すること、慣れていた。だから辛くても我慢すればカカシ先生が傍にいてくれる、ただそれだけでもいいと、幸福なのだと思おうとした。だけど、やっぱりこんな歪んだ関係は間違っているってば。こんなこと続けても、オレのためにも、きっとカカシ先生のためにもならない。
好きになったからと言って、同じように気持ちを返して貰えるわけじゃない。愛しても愛されるとは限らない。希望を抱いても落胆することがないとはいえない。手を伸ばして、手に入るもののなんと少ないことか。そんなこと…、オレにとってはずっと前から、当たり前で。小さな頃から続くこの里の檻の中で、約束を守られないこと、理不尽な扱いを受けること、我慢すること、慣れていた。だから辛くても我慢すればカカシ先生が傍にいてくれる、ただそれだけでもいいと、幸福なのだと思おうとした。だけど、やっぱりこんな歪んだ関係は間違っているってば。こんなこと続けても、オレのためにも、きっとカカシ先生のためにもならない。
「………も、別れるっ」
「え…?」
「っっわ、かれるって言ってんの」
「え…?」
「っっわ、かれるって言ってんの」
唇を噛んで。だけど、絶対目を逸らさないでカカシ先生を睨んだら、カカシ先生がふいっと顔を背ける。
「っ。あっそ。別にいいけど…おまえ、意味わかって言ってんの?」
「いっぱい考えたし、もうこれ以上考える必要ねぇ……っ」
「……ふうん、後悔しても知らないよ?」
「しねぇもん!」
出てって!と叫ぶとカカシ先生が「そう」と短く呟いて、黙り込んだ。
「ほら、早く出てって。もう、この部屋に入って来ないでってば」
「………」
「カカシ先生っ!」
「……本当に?」
「本気に決まってるってばよ!」
「………」
途端に、カカシ先生が落ち着きなくきょろきょろと視線を彷徨わし始める。…いったいなんだってば。早く出て行けってばよ。それなのに、何度かこちらに視線が投げかけられて、ぎって睨むと視線が逸らされて、その繰り返し。
いい加減痺れを切らしたオレが、「もうなんだってば!」と口を開こうとすると、ふいにカカシ先生の視線が肌蹴たジャケットの首筋で止まって、隻眼が真ん丸く見開く。
「ちょ、ナルトっ。そのキスマークなにっ。オレのじゃないでしょ…!?」
「!!」
昨日、男たちに付けられた痕だ。まだ残ってたんだ…。とっさに隠したけどもう遅くて。なぜか、食い入るようにその痕を見るカカシ先生の手を突っぱねる。
「カカシ先生にはもう関係ないってばよ!!!」
「なる…ッ!」
「ちょ、ナルトっ。そのキスマークなにっ。オレのじゃないでしょ…!?」
「!!」
昨日、男たちに付けられた痕だ。まだ残ってたんだ…。とっさに隠したけどもう遅くて。なぜか、食い入るようにその痕を見るカカシ先生の手を突っぱねる。
「カカシ先生にはもう関係ないってばよ!!!」
「なる…ッ!」
オレはまだ何か言いたそうなカカシ先生を無理矢理追い出した。
なぜか先輩押しのけてヤマト隊長が出張った子狐ちゃんと嘘吐き男5です。
啜り泣くオレに猫面の兄ちゃんが「ええと」と話し掛ける。
「どうしたら泣き止んでくれるかな?」
「………」
「困ったなぁ」
「……ったい」
「………?」
「一楽…、行きたい」
「え?」
「一楽、行きたい!」
「はぁ?」
連れてってくんなきゃ嫌だってば!と叫んだオレはたぶん久方ぶりに我儘を言った。
「君ねぇ…。少しは遠慮ってものを知らないのかい?」
はぐはぐとラーメンを頬張るオレに猫面の兄ちゃんは呆れているみたいだったが、オレはそんな兄ちゃんのことをまったく無視して目の前の味噌ラーメンにだけ集中した。
「よくあんな目にあったあとでそんな濃ゆいもの食えるね……」
「ん?なんか言ったってば猫面の兄ちゃん?」
「……いや、なんでもない。――たくさん食べなさい」
「おう!」
一楽のおっちゃんは、ボロボロの服で怪しい格好の兄ちゃんと登場したオレに少し驚いたみたいだったけど、何も言わずいつもの通りラーメンを出してくれた。
「へへへー、さんきゅってば。猫面の兄ちゃん!!」
「いったいその小さい体のどこにあれだけの量が入るんだか…」
積まれたドンブリを横目に猫面の兄ちゃんはしぶしぶお財布を出している。〝あんぶ〟ってこんなふうに人前に出ていいものかな。てっきり断られるかと思ったのに一楽に連れてきてくれるし、オレが食べ終わるまで黙って一緒にいてくれたし、奢ってくれるし、謎の兄ちゃんだってばよ。
「なんだい、僕の顔に何か付いてるかい?」
「う、うぇ。…あっ、お面が付いてるってば!」
にぱ!と言い放ったオレに猫面の兄ちゃんがガックリ肩を落とした。
「………。……子供ってのはなんでこう。ああもう謎、やっぱり苦手だ…。僕には根本的にこういう役は向いてないんだよ。まったくカカシ先輩は普段どうやって接してるんだ?」
ぶつぶつ呟きだした猫面の兄ちゃんにオレはどれだけ「カカシ先生は普段遅刻ばっかだし、サボってばっかだし、オレと二人の時はエッチなことしかしないってばよ」と言ってやろうかと思ったけど、やめてやった。ただ真面目な感じに悩む兄ちゃんの様子がおかしくてオレはシシシと笑った。なんだかカカシ先生と全然違うタイプの大人だってばよ!
一楽を出て、「家まで帰れるかい?」とまた尋ねてくれた兄ちゃんにオレは頷こうとしたけど。
「?」
なんだろう、おなかがいっぱいなのに。なんだか気持ち悪い…。
「なんか…オレ、変」
「なにがだい?」
猫面の兄ちゃんが怪訝そうに尋ねる。オレは自分の腹を抑えて首を捻る。
「ああ、胃もたれでも起こしたのかな。無理もない。あんなに食べたら誰でも気持ち悪くなるよ」
もごもごと口を動かしているオレを見ていた猫面の兄ちゃんは、呆れたようにため息を吐いた。
「たしか飴がポケットに…。口直しになるといいんだけど…」
包装を剥かれる音がして、ふいに真ん丸い碧玉が目に映る。
「あ…」
「ほら、食べてごらん?」
何かを言う間もなく、猫面の兄ちゃんの指から開いたままになっていた、オレの口の中に丸い物体が入る。
「あ…」
「ほら、食べてごらん?」
何かを言う間もなく、猫面の兄ちゃんの指から開いたままになっていた、オレの口の中に丸い物体が入る。
「………!!」
飴玉の味が口の中に広がった瞬間、ざわりと躯の奥が疼いた。いい子だねナルト…。耳元でカカシ先生の声が聞こえたような気がして、オレの身体を滑るカカシ先生の体温の低い手とか、欲に溺れているのにどこか冷めている視線とか、普段はかかないカカシ先生の汗の匂いとか、オレの中に先生のが入る…瞬間とか、次から次へと思い出して、オレの心臓が脈打つ。
でも、今カカシ先生はここにいなくて。そんな現実とは裏腹に今この時もオレの身体は浅ましくカカシ先生のことを思い出していて。ボロボロと大粒の涙が溢れた。
あの男たちに圧し掛かられた時、オレはいったい何を期待してたんだろ。カカシ先生はあの女の人と一緒にいるんだからオレなんかのとこに来てくれるはずがないって、わかっていたのに。
「っっっ!!ご、ごめ…んよっ?――ソーダ味はキライだったかいっ?」
「ちがっ……そうじゃな…っ」
セックスのたびに、貰う飴玉。あの飴玉の味が欲しいとオレの身体が言っていた。まるで依存症のようにオレの中に沈殿するカカシ先生の味。オタオタとする猫面の兄ちゃんになんでもないからと言いたかったけど、オレの涙腺は壊れちゃったみたいに涙を流し続けた。
「…っこれじゃね…もんっ。もっと」
カカシ先生のくれる飴はもっと甘くて、もっと熱さを伴っていて。カカシせんせぇ、せんせぇとバカみたいに繰り返して、涙が頬を伝った。オレはこれからこの甘い固体を食べるたびに、カカシ先生を思い出し、カカシ先生を求め、この疼きに悩まされなければいけないのだろうか。例えそこにカカシ先生がいなくても。ああ、それは哀しい呪縛だってば。なんてズルくて狡猾で残忍なことをするのか。それは麻薬にも似ていて。
「か、しせんせぇ……」
「ちょ、わわわ」
空からぽつぽつと降り始めた雨。慌てた兄ちゃんの声が聞こえて、気が付けば世界が傾いていた。
「か、しせんせぇ……」
「ちょ、わわわ」
空からぽつぽつと降り始めた雨。慌てた兄ちゃんの声が聞こえて、気が付けば世界が傾いていた。
******
カカシ先生と付き合い始めてしばらくたった頃、オレはカカシ先生の家に行った。だけどカカシ先生の家から女の人の甲高い喘ぎ声が聞こえてきて、…オレってば黙って先生の家の玄関の前に座り込むしかなかった。
ソバージュにど派手な格好の姉ちゃんが出て行った後、オレはカカシ先生の家のドアをノックした。カカシ先生は笑顔でオレを迎えてくれた。
「……カカシせんせー、オレのこと好きィ?」
「ん?もちろんだよ、ナルト」
「ほんと?」
「ほんとだよ。ほら、いいから足開いて?」
カカシ先生の、嘘吐き。
******
「んあ……」
「気が付いたかい?」
シトシトと雨の降る音と共にオレは目を覚ました。見慣れた間取り、家具、そこは自分の部屋だった。オレのものじゃない砂色のマントみたいなものが自分に掛けられていて、「あ、なんで…」ふらつく頭を押さえてベットから起き上がると、猫面の兄ちゃんが肩を抑えてくれた。なぜオレの家を知っているのかと尋ねる間もなく「まぁ、きみは特別な子だからね」と答えたが返ってきた。そうか九尾の…監視。納得したオレはまたベッドに沈む。
「送ってくれてありがとってば」
「別に僕は…。大したことしていないよ」
「でも、嬉しかったてば」
仕事の一貫だよと言い切られる前に言葉を紡ぐ。
「ありがとってば」
「――こほんッ。今日は暖かくして寝るように。いいかい?大人しくベッドで寝てるんだよ。僕はもうそろそろ行かないといけないから」
「兄ちゃんってお世話焼き…」
照れたようにそっぽを向く兄ちゃんがおかしくて、ついついからかってしまいそうになるのを抑えてオレは布団を顎の辺りまで引き寄せて笑った。
「またどこかで会えるといいってばね?」
にっこり笑って言えば、猫面の兄ちゃんは少し困ったように腕を組んだんだってば。
「残念だけど無理かな…、僕は暗部だから」
きみにはもう会えないよ。
「あんぶ…」
「本当はきみの前に現れるのも規則違反ギリギリだからね」
音もなく兄ちゃんが窓際に向かう。気配が薄くなり始めて、
「それじゃ僕はこれで。――僕のことは忘れたほうがいいよ」
「ねえ、猫面の兄ちゃん」
窓に足を掛けた兄ちゃんを呼び止める。
「なんだい?」
「でもオレはまた兄ちゃんと一緒にラーメン食べに行きたいってば」
兄ちゃんの動きがぴくりと止まる。
「……きみは不思議な子だね」
「へへ…?そうかなっ?」
猫面の兄ちゃんは照れて笑うオレを少しだけ黙って見て、口を開いた。
「……1つ、きみに言っておきたいことがあるんだけど」
「なんだってば?」
「僕は前からカカシ先輩のことを知ってるからけど、あの人は、カカシ先輩は誰のものにもならないよ」
「え……?」
「寄り添っても相手が氷だときみも冷たくなるだけ。しかもあの人は狂気を孕んだ氷だから、きみのように温かくて優しい子は、もっと別の人と幸せになった方が良い」
オレは黙って猫面の兄ちゃんの言葉を聞いた。
「……オレなんかにカカシ先生がつりあわないって事だってば?」
「…つりあわないとかの問題ではないんだよ。とにかくこれは僕からの忠告だよ。きみのためにもカカシ先輩とは早いうちに離れたほうがいい」
「………」
兄ちゃんがいなくなるとオレは浴室へ向かった。シャワーを浴びながら、カカシ先生の精液を掻き出した。やっぱり、自分の指では上手くできないってばよ。最初の頃なんか怖くて指を中に入れることもできなかったっけ?後処理は男同士のセックスではどうしても必要なことだけどさ。カカシ先生が帰ったあとに1人で精液を出していると、なんでだろう。たまに無性に泣きたくなった。オレにはそれがどういった感情なのかわからなかったけど。今は、今は――。
「カカシせんせ、今頃なにしてんのかなァ」
水音と共に排水溝に白い液体が流れていく。この時、オレの中で何かがごとりと動いたような気がした。
18禁です。ナルトと男たちとの絡み+aあり。
「……っ離せ、離せってばぁ!!!」
腕を引っ張られ、薄暗い路地裏に連れ込まれた。男たちの人数は3人。普段のオレなら掴まるなんてヘマはしなかったんだけど、今日は別。酷使されたまだダルい下半身のせいで思うように動けなかった。どん!と壁に叩きつけられ、ああまた殴られるのかなと次の衝撃に身構えて、ぎゅっと目を瞑った。ところが、
「おい、見ろよこいつ」
今日の場合、事態は別の方向に転がっていったようで。男の1人がオレの足から流れ出た精液の水溜りを指差した。
「うぇ、汚ねぇなぁ。なんだぁこのガキお漏らしかぁ?」
「イタっ。やめ、さわんなぁっ!!」
髪の毛を引っ張られ、からかうように揶揄される。恥ずかしくて仕方がなかった。そのうち、男たちの一人が納得したように呟いた。
「へえ、こいつ男を咥え込んだあとかよ。化け物のうえ変態だったってわけか」
「げぇ、マジで?キモチワルー」
「子狐ちゃ~ん、誰に相手してもらってたの~」
男たちのあけすけな物言いに赤面してしまう。
「ふうん、おまえみたいな奴でもオンナの代わりに出来るんだな。こりゃ、おもしれぇや」
男が下卑た笑みを浮かべて、オレの顎を無理矢理上に向かせる。「よくみりゃ、カワイー顔してんじゃん」ニヤニヤ笑いの長髪の男の手にオレは思いっきり歯を立てた。
「ってぇ、こいつ噛み付いてきたぞ!」
「ばーか、なにやってんだよダッセェなあ」
「うるせっ。おい、手足押さえとけ」
「了~解」
途端どたばたと男たちに無理矢理地面に押さえつけられ、何度か叩かれる。「きゃんっ」と仔犬のような鳴き声の悲鳴がオレの口から飛び出して「人間サマに逆らうんじゃねぇよ」と、どこか皮一枚掛かった朦朧とした意識の中でそんな声が聞こえた。
「っだ」
「ん?」
「やだ…」
「っだ」
「ん?」
「やだ…」
思わず、涙が零れて悔しくて男を睨みつける。息を荒くして胸を上下させたオレを長髪の男がしげしげと見下ろした。「やめろってば……」男の喉がこくんと垂下される。殴られるんだとまた目を瞑ったけど衝撃はいつまでもこなくて、薄っすらと涙目で目をあければ、
「……気分が変った。なあ、このガキの味、試してみたくねーか?」
「っ!」
長髪の男が仲間に振り返って、わけのわからないことを言い出した。
「なんだよ、おまえ。んな趣味オレにはねーぜ」
ニット帽の男がゲーと舌を出す。
「いいじゃねえか、モノは試っていうだろ。意外とイケるんじゃね?幸い、このガキのことを心配する親なんていねーしよォ」
男たちの1人に圧し掛かられた瞬間、今から何が行われるのかを悟った。男の手がオレの上着に手を掛けられて「やぁ、やめ…脱がすなぁ!!」オレってば必死に抵抗したが、まるで意味がなかった。
「やだぁ!」
「物好きな奴…」
背後でニット帽の男ともう1人が気乗りしなさそうな台詞を吐きながらも暴れるオレの足を引っ掴む。
「おら、大人しくしな」
「!!」
「オレたちとも遊んでよ、色狐ちゃーん?」
乱暴な手つきで、上着を肌蹴られ、肌が外気に晒された。
「いやぁっ」
途端、男たちが短く息を呑んだ。
途端、男たちが短く息を呑んだ。
「すげぇ、こりゃ上玉だ…。見ろよ、この肌。手に吸い付いてくるぜ」
ゴクッと男たちの喉が鳴った音に、絶望する。羞恥のあまり肌が上気してしまうのがわかる。ほんのりと色づいた肌に男たちががっつき始めた。
「やだやだやだ、やめてぇっ!!」
オレが叫んで暴れるほど男たちの興奮の度合いは高まっているようで、生暖かい汗ばんだ手が体中を這い回る。気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い!カカシ先生とは全然違うそのベタついた感触に嫌悪感を覚えた。
「暴れんなって。すぐ気持ち良くしてやるからよ~」
「ヒッ」
長髪の男に、上肌をぬちゃっと吸われ、気が付けばニット帽の男やもう1人の男も急いだようにカカシ先生との情交のあとが色濃く残る肌や、下半身に集中する。
「いぁ…。い…ぁぁっあんっ」
「おい、このガキいっちょ前に感じてるぜ」
「あ、ぅぁあ…ちが…うも」
カカシ先生との行為に慣らされたオレの身体はオレの意思とは無関係に反応し始めて、
「そそられるじゃん。おら、もっと鳴けよ」
パシン、頬を打たれ、男の昂ぶったモノがオレの内股に擦り付けられる。
「ひん……」
ニット帽の男もベルトを外し始め、すでに勃起したそれを取り出している。
「おい、ガキ四つん這いにして、こっち向かせろよ。まずは口から試してみようぜ」
「んあ?おまえ、男には興味なかったんじゃなかったのかよ」
「うっせ。オレも気が変わったんだよっ。バックはおまえが1番でいいから言うとおりにしろよっ」
「へいへい。ほらほら色狐ちゃーん、おしゃぶりの時間ですよ~」
オレの目の前にムンと男の匂いがするオスが突きつけられ、無理矢理口の中に捻じ込まれた。
「んぅっ」
「おい、ガキ。歯ぁ立てたら容赦しねーからな」
男の腰が乱暴に喉の奥を突いてくる。
「んふぅ…っふ・・んーっ」
髪を鷲掴みにされて、行為を強要される。頭の上で擬似セックスに没頭する男の息が次第に荒くなってくる。
「はっ、はっ、はっ」
「んん、んん…くう」
「おーい、ガキの使い心地はどうなわけ?」
「はっ、すげーイイ。こいつのちっせぇ歯に、オレのが擦れんの。で、他はどこもかしこも柔らけーし、信じらんねぇくらい狭くてあちぃ。さきっぽがちょうど喉の奥にあたって、たまんねー」
「ん、んんん…」
男から溢れ出した先走りと涎が口の端に伝う。
「おら、もっと深くまで咥えろ!」
「んんんんーっ!!!」
「んんんんーっ!!!」
必死で嘔吐感に堪え、やがて男が達する。どろっ、と生臭い精液がオレの口内に広がって、髪の毛を鷲し掴まれ吐き出すことも許されず注ぎ込まれたそれにオレは激しく咳き込んだ。「うえ、げほ、ごほっっ」涙と垂液と精液でぐちゃぐちゃになりながら息を整えていると、「おい、なに休んでるんだ?これからが本番だぜ?」震える膝でもう一人の男のモノも間髪入れず咥えさせられる。ぐっと喉奥を突かれ、
「おら、上手に舌使って慰めろよ。っそう、そうだ…。そうやってゆっくり舐めろ。うわ、あったけぇ信じらんねぇ」
「ふぅ…っむ…くぅ」
口で含みきれないところは手で愛撫することも要求される。
「こいつの舌、薄っぺらくて…っそのくせ妙にしっとりとしてて、吸い付いてくらぁ…。やべ、イク」
「おいおい、早くねー?」
「んうっ。んんんんっ!!」
もういっそこの時間が早く終わってくれとばかりにオレは必死で男のモノを舌で扱っていたのだけど。
「おまえら楽しみすぎ。おーい色狐ちゃん?下のお口もおしゃぶりしましょうね~」
下肢を剥かれ、秘部に充てられた熱の感触に、オレは悲鳴を上げた。
「あああっ。やだぁ!!!」
オレ、犯されるんだっていきなり現実感が沸いてきて、どっと冷や汗が伝う。もうどうでもいいって思ったけど…、やっぱり、やっぱりこんなのいやだってばよ!
「離せってば、離せぇ!!」
「また威勢がよくなったぞ?」
「っいやぁ!!か、しせんせぇっかぁしせんせぇ!!!」
「〝せんせぇ〟だって、このガキ」
「たすけてぇ……」
「ばーか、誰も来ねェよ」
再び、喉奥に男のモノを深く突っ込まれ、後ろにはぐぐって男の棒が押し入って来ようとした瞬間、
「きみたち、何をしているんだい?」
猫のお面を被った兄ちゃんがいた。
「なんだ、てめぇ!」
「あ、その格好は暗部か?」
「っ暗部のヤロウがなんのようだよ。今いいとこなんだ邪魔すんじゃねぇ」
あんぶ…?カクカクと腰を揺さぶってオレの口の中に出し入れしてしていた男が息を乱しながら振り返る。
「きみたちね。そういうわけにもいかないだろ。今すぐその子から離れなさい」
「こいつは例のガキだぜ。ほっとけばいいだろ」
「兄ちゃんもこれに交じるかい?このガキ見掛けによらず淫乱なんだぜ?ちょっと触ってやっただけでアンアン言い出すしよォ」
「そうそう、おしゃぶり上手でさー、咥えて離してくれないんだよな?オレが終わったら兄ちゃんと交代させてやってもいいぜ。サイコーだぜ、こいつの喉奥は」
「ふくぅ…む」
涙交じりで奉仕させられているオレを見て、猫面の兄ちゃんがため息を吐く。
「悪いが遠慮しておくよ」
猫面の兄ちゃんが目にも留まらぬ速さで手を動かしたかと思うと、地面から木が生えてきて、男たち体に意思を持っているかのように巻きつき始める。
「ぎゃ!」
「なんだこれ!!」
「やめ、ひい!」
男たちの短い悲鳴が上がり、間もなく辺りが静かになった。オレ、助かったの?男たちの拘束から開放されて、オレはぺたんと地面に座り込む。この場で意識があるのは、ほとんど半裸のオレと、オレの前に立っている猫のお面の兄ちゃんだけ。
「うずまきナルト…くん。大丈夫、…ではないよな?」
オレのほっぺに付いた精液を親指で拭いながら、猫のお面の兄ちゃんがオレを立ち上がらせる。だけど、オレってば膝が笑っちゃって上手く立てなくて、結局、猫のお面の兄ちゃんに凭れ掛かるようになっちゃった。
「立てない?」
「ちょっとまだ無理かもだってば…」
「まぁ、仕方ないか」
オレの脇に両手を入れて、壁に立たせるようにして、猫面の兄ちゃんはしばらく何事か考えていたようだったけど、その片方の手がオレの下肢へと下がっていく。
「へ?」
それは確かな意思を持ってオレの口からは言えない恥ずかしい所に向かって行って。
「ひぁっ、ちょ、なにするんだってばぁ」
猫面の兄ちゃんの指がオレのソコを突いて、あまつさえ侵入しようとする。オレってばびっくりしてしまった。結局この猫面の兄ちゃんもあいつらと同じなの?と悲鳴を上げたら、
「中のモノ掻き出さないときみがあとから辛いから」だって。
「そ、そんなことしてくれなくてもいいってば!オレ、自分でできるし!」
「子供のきみが上手くできるはずがないだろ?ほら、いいからじっとしてなさい」
ってまたオレの、その・・・例の大事な部分に指を入れようとする。うう、この兄ちゃん親切だけど、余計なお世話だってばよ!!
「オ、オレまだ最後までヤられてないってばっ。こ、これはカカシせんせぇなのっ」
「………」
「………」
オレってば、猫面の兄ちゃんの恐るべき強行を止めるべく、正直に叫んでしまった。
「えっと、カカシ…先輩?」
「………。そうだってば。猫面の兄ちゃんってばカカシ先生の知り合い?」
「いやその…。それは僕の方からはなんとも…。きみ、カカシ先輩とは…」
「付き合ってるってば。たぶん…」
「………」
「………」
なんとも微妙でまぬけな間が猫面の兄ちゃんとオレの間で漂った。オレは唇を噛んで俯く。
「参ったな。僕が泣かしたみたいじゃないか……」
「参ったな。僕が泣かしたみたいじゃないか……」
声もなく啜り泣いていたオレを猫面の兄ちゃんは困ったように頭を掻いて見下ろした。
最後に出て来たのは木遁隊長さんです。
空気猫取扱説明書概要
ここは二次創作小説置場です。無断転載は禁止。本物のカカシ先生とナルトくん、作者様とは一切関係がありません。苦手な人は逃げて下さい。
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猫耳探偵事務所
仔猫ちゃんたちがキーワードから記事を探索してくれます。
管理人の生態
自己紹介
名前 空気猫、または猫
職業 ノラ
趣味 散歩・ゴミ箱漁り
餌 カカナル
夢 集団行動
唄 椎名林檎
性質 人間未満
日記 猫日和
ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
職業 ノラ
趣味 散歩・ゴミ箱漁り
餌 カカナル
夢 集団行動
唄 椎名林檎
性質 人間未満
日記 猫日和
ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
足跡