「ナルト。今度こそ一緒に暮らそう?」
「…………おう。カカシ先生の面倒を見てやってもいいってばよ」
「おまえね、生意気」
「………こんなオレぢゃだめだってば」
強気ながらもちょっとだけ不安そうに言ったナルトのおでこをカカシがつつく。
「バカだね、ナルト。オレはおまえにベタ惚れだって、言ったでしょ」
カカシの言葉にナルトはニシシと笑った。
「オレもカカシ先生のこと、こんなに好きになるなんて思わなかった!」
ナルトの言葉にカカシはがっくりとうなだれた。
「おまえ、だから…もうちょっと言葉の選び方を勉強しような」
キスをしながら、浴室に移動する。
ナルトは服を着たまま、浴室の壁に押しつけられた。
シャワーヘッドからパラパラと温水が滴り落ちて、ナルトの髪は濡れてしまった。大人を見上げれば、両手で掬い上げられるようにしてキスされる。
「今度はオレがおまえのここを可愛がってあげる」
「へ?」
おでこ、頬、耳の裏、唇、首筋へと胸元と、滑り落ちていくキスにうっとりと目を細めていたナルトはパチリと瞼を上げた。「カ、カカシせんせぇ…!?」自分の下半身の周辺にある銀髪に、ナルトは叫び声を上げた。
「んんんんなとこで何してるんだってば……!?」
「ナニってナニでしょ」
「ふぁ、ぁああん…っ」
ベルトを外され、下肢を剥かれる。
慌ててカカシの頭を手で押そうとするが、止めるまでもなくまだ主張もしていなかった己の性器をくるくると舌で包まれて舐られしまう。
「う、あっ、あっ!?」
途端、ナルトの口から嬌声が飛び出る。全体を包み込むように粘膜に包まれ、根本から先端へとやわやわと愛撫され、時々反則技みたいに亀頭の部分を舌で圧迫される。もちろん嚢を転がすことも忘れず……つまり、
う、うそ。すげー、巧い!?
突き放すどころか逆にカカシの頭を抱え込むような格好になってしまってナルトはカカシの巧みな性技に慌てた。初めてのエッチの時もそれなりに気持ちよかったが、こんな手管は使われなかった。逃げたくとも足に絡まったままの衣服が邪魔をして、身動きが取れない。
カカシの口の中でナルトはあっという間に達してしまった。
ちゅ、と精液を残らず啜られ飲み込まれる。
「濃いね、もしかして溜まってた?」
何かを堪えるように頬を薄っすら染めたナルトはカカシの言葉にいよいよ赤くなってしまった。
「んんんんなことねぇも……!」
「恥ずかしがっちゃってかーあいい。ここをこんなに濡らしちゃってるくせに」
後孔に指を差し入れられ、それだけでナルトの身体が強ばった。
「ふぁん、ふぁ」
「んー、いい声」
「……エロ親父っ」
「あ。酷い」
差し入れる指を二本にまで増やしてカカシが笑う。
「さーて、オレがたっぷり逆ヘルスしてあげるね、ナールト」
カカシの言葉にナルトはザザザっと蒼冷めた。
「んんんんっ」
もう何度カカシの手の中でイカされたのかわからない。シャワーは出しっぱなしで、蒸気で曇ったバスルームの中。ナルトは壁に手を付いて、後ろからカカシに貫かれていた。
「あのさ、カカシせんせぇ?」
「なに」
はぁ、とため息を吐きながらナルトが振り返る。その仕草さえも色っぽくてナルトの中の雄がまた一段と大きくなった。
「くぁ……」
「あ、すまん」
笑いながらもカカシはゆるゆるとナルトの中を揺する。
「も…、もう。弄らないでってば」
何かを堪えながら、ナルトが瞼を伏せる。カカシの手の中では、ナルトの性器が震えていた。
「だーめ。おまえのいいとこ、擦り切れるまで可愛がってあげるから」
外側も内側もね、と囁かれてナルトは壁に付いた手の平をぎゅっと握った。
*************
浴室で散々啼かされ、ベッドの上でも愛された。ナルトがカカシの腕から解放されたのは、大蛇丸たちが帰ってから四時間後、つまり夕方のことであった。
「カカシ先生。んで、こんなに巧いんだってばよ……」
「ま、年期の差でしょ」
カカシの言葉にナルトがショックを受けたように、口をパクパクさせる。
「くくく。こーら、そういう意味ではなくてね?どうやれば男が気持ち良くなるのか、経験からわかるってこと。男を抱いたのはさすがにおまえが初めてだよ」
ナルトはやはり口をぱくぱくさせ、枕に突っ伏した。
「それって女の人とは経験あるんだ…」
情事の疲れでぐったりとしたナルトの背中に口付けを落としていたカカシは苦笑した。
「ナールト…?」
三本痣のある頬をつついてナルトの顔を覗き込むと、少年は唇を尖らせ拗ねていた。
「おまえねぇ…三十路にもなって経験がなかったらそれこそ不自然でしょーよ。それにそんなこといったらオレの方が嫉妬いっぱいだね」
「んあ?」
「あーんな可愛いナルトの顔を他の男も見ていたなんて」
「……………っ」
後ろから抱き締められて、ナルトはきょろきょろと視線をせわしなげに動かし、「あのさ」と言いよどんだ。
ナルトの様子にカカシが「なに?」と頭を浮かす。
「オレってば不感症なんだってばよ」
「は?」
ぼそぼそと呟いてナルトはカカシの腕にそっと手を添えた。耳朶は見事に真っ赤だった。
「お客さんに擦られたりさわられると一応勃起するけど射精はほとんどしたことなくてさ……だからテクニックを磨いてあとは適当にあんあん言ったりイったふりをしてたんだってば」
「おまえが……?」
「意外とバレないもんだってばよ。ほら、あっちは夢中になっちゃってるから、ローションの滑りをオレの精液と勘違いしちゃったり。あとはオレの演技次第だってば」
「ふぅん?」
納得がいかない顔でカカシはナルトの腰に手を回すとくったりとなっていたナルトの性器にふれる。
「ひぁんっ、カカシ先生!?」
「こんなに感じやすいのに?」
くちゅくちゅと性器を擦られると快感を追って微妙にナルトの腰が揺れる。
「あ、あん…あぁん」
「すっげ、可愛い」
「せんせいっ」
カカシはベッドの隅に逃げようとするナルトを引き寄せる。
「もう一回スル?」
「そ、それは勘弁」
「そう?」
「もうくたくただってば」
「いいぢゃない、ゆっくりしたら気持ち良いよ……?」
カカシが腰を揺すると入れられたままだったカカシの性器が主張を始めた。
「あんっ」
「ほら、気持ち良い」
にんまりと笑ってカカシはナルトの耳元で「シヨ?」と囁いた。項を真っ赤にさせて枕に突っ伏したナルトの首筋にキスをして、カカシは律動を開始した。
翌朝。
「カカシ先生、起きろってば。起きろーっ」
シーツに包まった山に思いっきり拳を落とすナルトの姿があった。
「学校に遅刻するってばよっ。またサクラちゃんに怒られても知らないってばよ」
「ううん、もうちょっと」
「だめだってば。ほら、起きる。ぱっと起きれってば」
しばらくばふばふと布団を叩いているとその“山”がのっそりと動いた。
「おまえ、朝から元気だね」
「当たり前だってばよ。今日からオレってば職探しだもん」
「は」
無料のアルバイト情報誌を片手にナルトが冷蔵庫から牛乳を出して飲んでいる。
「でも、大蛇丸てんちょーに新しく出来る“マッサージ店”の受付やらねーかって誘われてるんだってばよ。大蛇丸てんちょーって本当にいい人だってばよ」
「ナ、ナルト!?」
にこにこと笑うナルトにカカシは固まる。
「んぢゃ職探しに行ってきま――…」
「ま、待ちなさい。ナルト!」
カカシの苦難はまだ続くらしい。