オレは火影邸で相変わらず自分が記憶を失ってからの木の葉の歴史を調べていた。あっという間に、巻物を積み上げていく。本当は、世話係であるナルトに許可を取って行くべきだったが、生憎とあいつは今、任務中らしい。
「ナルト…?」
そして、火影邸の書庫に寄った帰りにオレが目撃したものは、黒と金の青年たちだった。二人は、まるで一対の鳥のように仲睦まじく笑い合っていて?特別な任務だと出て行った、青年のことが急に妬ましくなった。
「………」
持っていた紙切れを2,3枚落として。無言のまま、二人の青年に近付く。金髪の青年は、オレの気配に気付かず急ぎ足でどこかに去って行ったようだが、黒髪の青年のほうはオレの姿に気が付いたようだ。
「よぉ。記憶は戻ったのかよ」
「………」
「ふん。そのしけた面だとまだのようだな」
小馬鹿にしたように言った黒髪の青年に、むっと殺意が立ち昇る。
「随分とオレに突っ掛るね。おまえ」
「あんたこそ、オレのことを殺したいって目で見てるぜ」
お互いに睨み合ったまま、(黒髪の青年の口元には例の笑みが浮かんだままであったが)対峙し合う。
「ナルトとオレの関係が気にかかるか?」
「………」
「オレがあいつの恋人だって言ったら、あんたはどうするつもりだ?」
オレが無言で睨みつけると、黒髪の青年はふいっと視線を落とした。
「まぁ。何はともあれ、オレは、あいつに一生掛かっても返し切れない恩がある。愚かだった過去の自分は悔みきれねぇが、それでもあいつが許すと言うから、今のオレはここで生きているんだ」
「………?」
オレとっては意味のわからない説明だったが、それでもこの青年が、ナルトのことを特別に思っているらしいことは十分に伝わった。
「ふぅん。随分とご執心なんだね」
「オレが言いたかったことはそうじゃねぇよ」
「?」
「あんた、このままじゃヤバいぜ」
「なにがだ?」
「あんたには、わからないだろうが少し前からこの里のカルト組織が騒がしくてな。今の現状は、ナルトにとって非常にヤバい。9割の住民があいつのことを好ましく思ってるさ。だが、一部の人間が…憎しみに目が曇って何も見えていないときた」
憎しみは何も生まないのにな、とどこか自嘲気味に黒鳥頭の青年が笑う。
「今のあんたにあいつが守れるか…?」
「オレが力不足だとでもいうのか」
「ああ。上忍としての能力は十分だろうよ。だが、精神的な面ではどうだ?少なくとも記憶を失う前のあんたは、あいつのことを悪いようにはしなかった」
「それはどういう意味だ……?」
オレの問い掛けに黒鳥頭の青年は何も答えなかった。いったいナルトがどうしたというのだろう。わからない。ただ、オレの身の内に湧き上がったのは、確かな―――嫉妬。
「カカシ先生。おかえりなさい。どこかに出掛けていたんだってば?」
「………」
「ちょっと遅いけど晩飯の準備できてるってばよ。今日は先生の好きな――…」
家に帰るとナルトが笑顔で出迎えてくれた。オタマにエプロンというまるで恋人のような恰好の青年の細い腕をオレは引っ掴む。
「ちょっとこっちにきなよ」
「へ?」
オレは金髪の青年を寝室に引きずり込んだ。
「淫乱!」
「!?」
ベッドに青年を叩き付けると、碧いまなこが当惑に揺れる。繋がることだけが目的の体勢で、ジッパーだけ手早く降ろした。
「カカシ先生…?」
そのまま、まだふにゃふにゃのペニスをナルトの中に侵入させる。
「ど、どうしたんだよ。カカシ先生。そんな急に…っ」
衣服をオレに剥かれたナルトは、驚きと羞恥で頬を染めている。だけど、頭に血が上ったオレに、ナルトの悲鳴は聞こえない。
「あああっ」
何度かナルトの中を行き来すると、オレの性器は完全に勃起した。ナルトは初めの頃こそ、苦しそうに喘いでいたが、やがて快感に喘ぎ出した。
「あ。あ、あう…。も、ゆるし…。あ…っ」
もう何時間もナルトを犯していた。ぼたた…と床にどちらのものとも知れない精液が落ちる。ナルトの尻孔からはオレの出したモノで溢れていた。
「ねぇ、あいつとオレ、どっちがヨカッタ?おまえたち、付き合ってるんでしょ?」
「ちが…。サスケとはなんでもな…っ」
「何言ってんの。それじゃあ、こんなヤラシイ身体して。誰に仕込まれた?」
「あぅうう…」
オレは乱暴にナルトのナカを揺する。あん、あん、とナルトが哀しそうに啼いた。
「前の男に仕込まれたの。ねぇ、いったいどれだけの数の男に遊ばせたのさ?」
目の前が真っ赤になるくらいオレは怒り狂っていた。ナルトが嬌声をあげるたびに、それは酷くなる一方だ。だけど?
「違う…。オレにはカカシ先生だけ…、カカシ先生だけだってば…。ああんんん…」
「え?」
「オレが好きなのは、カカシ先生だけだってばぁ…」
啜り泣きのようにすんすんとナルトが鼻を鳴らした。オレと言えば、ナルトの衝撃的な発言に呆然として、腰を穿つ行為すら忘れてしまった。
「好き、カカシ先生が好きだってば…ぁんっ」
「………」
「……?カカシ先生……?」
ナルトが不思議そうにバックを振り返って来る。どくん、とオレの欲が昂った。
「あ、あんんんーーーっ!!」
突然のオレの激しい動きにナルトの身体はガクガクと揺れた。そのままオレは、ナルトの身体を揺すり続ける。
「はぅ、―――くぅんっ」
あまりのセックスの激しさにナルトは途中で気絶してしまったようだ。
オレはしばらくしてナルトの内部で身を震わせながら果てた。腹筋が痙攣する。
「――――くっ」
ドクドクとナルトの内部に精液を注ぎながら、オレはその日初めて、青年の背中を愛おしさから抱き締めて眠りに落ちた。