空気猫
空気猫
えっちぃので18歳以上のお姉さんしか見ちゃ駄目。
狼先生現る
腹減ったー、とやって来た子は、どうやら任務帰りだったらしく、担任教師の家に飯をたかりに来たようだ。ま、いいけどね。年の離れた恋人というものはいつだってかわいいものだ。
「せんせい、コレんまい」
「あっそう、そりゃ良かった」
テーブルの上に所狭しと並べられたのは冷蔵庫にあった食材で適当に作ったりしなかったりした料理。本当はナルトの作った手料理のほうが何倍もおいしいんだけど、今夜はオレの手抜き料理で我慢してね。
片っぱしから並べられた料理を平らげていくナルトは、見ていてかなり可愛い。ガツガツむしゃむしゃ。あー…。なんて言うか、栄養欠食児の食事風景ってやつ?味わってるっていうよりは足りなくなったエネルギーを補給してるみたい。ちゃんと噛みなさいよーってくらい胃袋に飯を掻き込んでいる。
成長期だからか、ナルトはオレの倍は食う。まぁ、オレは人より食が細いほうで、参考にならないかもしれないが、ナルトは結構大食漢のほうだと思う。
おまえ、お行儀悪いぞー、と頬についた食べこぼしを指で摘まんでやると、
「だって、腹減ってたんだもん」
と16歳のくせに頬を膨らませて拗ねたような表情。ほんと、おまえって大人の骨の抜き方が上手いよね。それだけで許せちゃうオレはもう末期。
ま、おまえ食べ盛りだしね。身長もぐんぐん伸びてるし?野生動物に餌を与えてる気分になっちゃうのは内緒。
センセ―、おまえの身長が何センチ伸びてるか毎月計るのが楽しみなんだよね、と言うと「キモいってばよ!!」とか言われちゃったけど。
「ねぇ、ナルト。センセ―もお腹空いちゃった♡」
語尾にハートマークを付けるほどには可愛い中年目指してンだよね、オレ。
「ナルトを食べさせてよ~♡」
「は?センセーそれ笑えねー」
おい、おい。おまえ、いつの間にそんな冷めた子になっちゃったのよー。センセー、泣いちゃう!わっと泣きマネしても、昔のようには近寄って来てくれない。12歳くらいだと確実に騙されて「せんせー、ごめんってば」なんて可愛いことの一つも言って寄って来てくれたのに。
ああ、狼少年は辛いよ。いや、オレの場合は狼中年?ははは。
ま!オレもまだ三十路だし?年食うには早過ぎるよねーってこ と で?
「ああ、ナルトが冷たくて先生は辛いよ」
ジャージのファスナーをジジジと開けてやると、ぽっとナルトの頬が染まる。
「そー言いながらなにするつもりだってばよ」
「え?いいこと?」
「なんで疑問形なんだってば」
そのままナルトの首筋に腕を回すとナルトのいー匂い。はぁ、落ち着く。ナルトの匂いだ。
「はっ。も…っ!」
おいしそうな首筋に痕を付けると潤んだ瞳で見上げられた。いいよね、その瞳。ぐっとクる。男っ前で強気なんだけどさ、オレの前だと潤んでるの。
その碧を自分の下で泣かして喘がしたくなるのは男の本能デショ?
「ナルト~。おなか減ったよ~」
「!!!」
背中越しにぐりぐりと下肢を押し付けてやる。欲情したオレのものがナルトの背中にあたったのだろう。椅子に座り振り向かないまま、ナルトのうなじが真っ赤になった。
まだまだサイズ的にはオレのほうがおっきいソレ。衣服越しに何度か擦り付けてやると、声なき悲鳴があがった。あ、ナルト困ってる。先走りで少しだけ湿ったオレのズボンに気付いてるかな?恋人相手に変態になった気分。
「や、め…せ、せんせぇ…」
少しだけあがった肩が微妙に震えている。かわいいなぁ。こんな時だけ、教師の面すれって?冗~談デショ。ニヤニヤしつつ、ナルトの柔らかい肌の感触に興奮して天頂を向いたソレをゆっくり取り出す。
「ちょっっ。まっっ。せんせぇっ!!」
そのままナルトをテーブルに押し倒す。食器が何枚かテーブルの下に落ちちゃったけど、今はどーでもいい。
「オレってば任務終わって疲れてるのーっ!」
「だ~め。待ったはナシ。はい、ナルト。下のお口であ~んしてね?」
「ひぅ!!」
邪魔でしかないズボンをパンツごと下ろして、ぐぷっと既に臨戦態勢だったオレのソレを一気に挿入する。
「あっ、やぁん。ひ、ひどっ。せんせぇってば!」
「慣らしてないけど、ケッコーこういうのもいいねっ!すげーキツイ」
ナルトの足をオレの肩にかけて揺する。
体を折り畳まれて、ナルトはかなり苦しい体勢みたい。
はぁ、締まる。きもちいー。
「痛っ。痛い痛い痛いってば~っ」
涙でぐちゃぐちゃの顔。んで、ぐちゃぐちゃの下半身。おまえのせーえき、オレのが押し込まれるたびに飛び散っちゃってかわいいったらない。
「そんなこと言っちゃってもさぁ。おまえのココ、もうよだれダラダラだよ?」
「やっっ、だっってかかしせんせぇ、のせいっだもっ」
「―――…!」
オレが揺すっていた動きを止めて目を見開くと、涙で濡れたナルトの顔を凝視した。
「ナルト。覚悟しなさいよ?」
「え?あっ?あーーーっ」
まったく。〝貴方だから〟って、ベッドで使う言葉としては完璧だよね。無自覚だから困っちゃうんだけど。
「あんっ。ゆすっちゃ、やらっ。だめっ」
「じゃあ、しっかりしがみついてなさいよ?」
観念したのかナルトが恐る恐るオレの首に腕を回してくる。そして絡められるしなやかな足にオレは欲情した。おまえ、ソレ反則。
「あっ、かかしっせんせ、も、おかしくなっちゃっ」
急に動きを激しくしたオレの下でナルトがあんあん啼いている。
「ひぅん!!」
ナルトの勃ち上がったモノを扱うと、ぎゅって収縮するナルトのナカ。ああ、堪んない。
「おまえのいいところ今夜はいっぱい突いてあげるからねぇ…」
いやもう男の部屋に一人で上がり込むとか、襲って下さいって言ってるようなもんデショ。オレもかなり溜ってたし?ナルトも溜ってるデショ?よしよし、センセ―がちゃーんと処理してあげるからねー。オレってなんて優しい恋人なのだろう。
「ふぁ、やらぁ。だめぇっ。ナカ、こするなぁっ」
「ん、締まった」
ぐいぐいとナルトのナカに侵入すると、色っぽい声が耳元をくすぐる。先生のせーえき、おまえのナカにたくさん出してあげるからね。
「あ。なか、やぁぁぁ…」
「かーわい。一緒にイッちゃったね」
中出ししちゃったし、あとで綺麗に掻き出してあげないとね。でも、あと何回かは楽しみたいなぁ。そんなわけで今日はたっぷり食べらせてね。ナールト♪
カカシとナルトがファミレスにいるだけの話。カカ→→→→→ナルト
ストロベリーパフェの誘惑にご注意
木の葉茶屋通りに面するファミレスのボックスの席に、はたけカカシは教え子の金髪の子供と向かい合うようにして腰掛けていた。
もちろん任務が終われば何かの一つ覚えのように「シュギョー、シュギョー!」と騒ぐ子供を「今日はせんせぇとデートしようねぇ」等、頭の螺旋が弛んでいるとしか思えない発言と供に拉致するように連れて来たからに他ならない。
「ナールト、何食べたい?」
今日はせんせぇの奢りだよー、と薄っぺらな笑顔を貼り付けて目の前の子供に笑いかける。子供が大好きな優しい大人の笑顔だ。
「なんでも好きなもの頼んでいいよ♡」
もちろん、片肘を突けながら語尾にハートマークをつけることも忘れない。顔が良いということは何かと得である。例え顔の80%が額当てやら口布に覆われていようと傍目にはいい男。黙っていれば、大概の女は騙されるんじゃない?(可哀そうに)とは、アンコと紅コンビ談である。
――だから、ほら。即座に真っ赤になって俯いた子供を見て、可愛いなぁ等、自分の笑顔がもたらした効果について、確信犯の笑みが抑えられない。まだまだナルトとは教師と生徒の間柄ではあるが、自分に対して意識をしてくれることはかなり嬉しいし、最初は優しい大人としてでいいから、この子の警戒心が少しでも解ければいいと思う。
「先生、上忍だからねー。お財布の中身のことは心配しなくていいからねー♡」
暗にどこかの中忍と違うんだよ、と刺のある発言をかましつつ、傍目にはどこまでも優しい大人を演じる。
「なんでもって言われたって…オレってば今日はいっぱいしゅぎょーしようと思ってたのに…」
「んーなぁにー?」
「なんでもねぇってば…」
ニコニコした大人の向かいで、初めてのファミレス、それも誰かと一緒の食事に緊張していたお子様は、メニューに視線を落としたまま、ぷっと膨れた。ふくれっ面になっているのは、おそらく無理矢理連れて来られた建前状、不機嫌ですよ、というポーズを取っているのだろう。
そんな顔をされても可愛らしいだけで、目の前の変態上忍の表情を弛ませるだけなのだが、天然気味なお子様はいまいち気が付いていないようだ。カラフルな写真付きのメニューに視線を彷徨わせたあと、ひときわ夢が溢れているデザート欄のところをちょこんと指を指した。
「んじゃ、すとろべりぃぱふぇがい…」
「っっっか」
「……?」
テーブルに突っ伏したカカシをきょとんとした顔でナルトがこちらを見ている。
「いや、ごめーんね。なんでもなーいよ♡」
あははは、と軽やかに笑った大人をナルトは不思議そうに見詰める。
「ナルトはストロベリーパフェ、ね…。それじゃあ、先生はコーヒーにしようかな~」
頭にハテナマークが飛んでいるお子様を余所に、カカシは傍目には格好の良い大人を演じつつ、店員に注文を告げる。しかしその内心と言えば…。
ストロベリーパフェって!
ストロベリーパフェって!
ナルト。おまえ、かわいすぎデショっ!!
オトコノコなのになぁ…。なんでこんなにかわいいんだか。
(はぁ…。食べるものまでかわいいなんて反則過ぎ…)
変態的な嗜好を持つ大人の腐った頭を一般公開したならば、きっと今頃この大人は警邏隊に捕まっている。火影が知ったならば、暗部を出動させる騒ぎに発展するに違いない。しかし、そこは感情を殺すことに長けた上忍なのである。卒がない。
「おいし~い?」
自分の顔と同じくらい大きなパフェと格闘を始めたお子様に、にこにことした笑みを崩さないまま問いかければ「もきゅ」と生クリームをたっぷり口の回りに付けたお子様が首を傾げた。カカシは危うく鼻血を出す寸前で思い留まる。ナルト+ストロベリーパフェ=破壊力ぱねぇ。上忍の持てるだけの理性を総動員してふるふると小刻みに震えるだけで留めているが、いつ暴走してナルトを押し倒してしまうかわかったものではない。
何故か犯罪が起こるか起こらないかの瀬戸際に立たされたファミレスだが、傍目にはカップルと家族連れの客で賑わい長閑な雰囲気を保ってる。ただこの店の店長だけが厨房の陰からボックス席に座る大人と子供を発見し、「写輪眼のカカシーーーっ!?」と絶望的な悲鳴を上げた。
――忍と手裏剣は避けて通れ。
木の葉商店街に出店するにあたって前任者から忠告された注意事項が頭をよぎる。怪しげなチャクラを発散させる上忍を前に店長は店の治安の危機に震えた。彼は何故こんな店にいるのだろう。もしや、この店が任務の戦場に?
もし、上忍が暴れ出したとしても、彼やスタッフに止める力はないし、里が稼ぎ頭である上忍が起こした騒ぎについて火影が関知してくれる保証はないのである。最悪は泣き寝入り。実家の母が「おまえは自慢の息子だよ」とニコニコ笑ってる幻覚が、走馬灯のように浮かんでは消える。ああ、もう駄目だ!
「せんせーは他に食べねぇの?」
そんな店舗の危機を余所にパフェ用の細長いスプーンをもむもむと咥えたまま、ナルトは上目遣い気味にカカシを見詰める。とろりとストロベリーベースのソースがアイスと共にナルトの唇の端でとろけた。
「んー。コーヒーで十~分かなぁ?」
「………」
お子様の魅惑的な光景に笑みを張り付かせたカカシの返事に、ナルトは何事か考え込んでいるようである。
「それ、おいしいんだってば?」
「ま。美味しいと言えば美味しいよ。おまえには不味いと思うけどねぇ」
「む…オレってば、こーひー飲めるモンっ」
ちんまりと縮こまり、ストロベリーパフェを咀嚼していたナルトは、貸してくれとばかりにカカシのコーヒーに手を伸ばす。
「飲むの?飲んでもいーけど、おまえの飲めるコーヒーってコーヒー牛乳じゃ…」
大丈夫だってば!と両手でカップを掲げたナルトは、男らしくグイッとブラックコーヒーをひと飲み。
「ふっっぐ※☆△×~っ」
「どぉ?おいしかった?ははは、かわいー。ナルト、ぷるぷるしてる」
「んっっっまく…な。ふぇ…笑うなーせんせぇ」
はははー、と笑う大人の大人らしい仕草が余裕という感じで面白くなくて、涙目になって大人を見上げると、目の前にスプーンが出された。
「はい。あーん?」
かぽっと口の中に半ば無理矢理差し込まれたスプーンの上にはたっぷりの生クリーム。スプーンの柄から、大人の指を辿って大人の顔を見れば、これ以上ないほど優しい顔をした大人がいて、「ん?」と片目だけ細められた瞬間に何故かナルトが真っ赤になっていた。
「だっっもっっ。せんせぇこっち見んなっ、てば」
「えええっ!?なんでえええええナルトぉ!?」
テーブルに手を突いて立ち上がった大人と、ゆでだこのようになったお子様のせいで一時店内は騒然となり、ウェイトレスは皿を何枚が落とした。カカシが立ち上がった瞬間、店長が泡を噴いて床に卒倒した。
何故か引き攣った笑みを浮かべるファミレススタッフからおつりを受け取り、いくらかチップを上乗せし、またヨロシクと声を掛けると店長らしき人物が小さく悲鳴を上げた。
小首を傾げつつ、会計を終える。
本当は、カカシの財力ならもっと別の店に連れて行ってもいいのだけど。
(だって、ナルトってこういう店好きそーなんだもんなぁ)
きっと値段の高い料亭より、ナルトの場合はファミリー向けのありふれたチェーン店のほうが何倍も喜んでくれるような気がしたのだ。
(あこがれっていうのかねぇ。あの子の場合、そういうのがいちいちありそ…)
自分もどちらかと言うと家庭環境に恵まれたほうではなかったから、ファミリーレストランなどに入ったことなどなかったが、(そもそもこうした店は近年木の葉に進出して来たためカカシの幼少時代にはなかったような気がする)もし入る機会があったとしてもカカシは可愛げのあるお子様とは程遠かったから、ああした子供っぽい料理の数々を前にしても他の子供のようにはしゃがなかっただろう。小さな頃から父のマネをしてか嗜好の遺伝か魚系の淡白な食事が好きな渋いお子様であったのだ。
一方ナルトといえば、ジャンク系の食べ物が一等好きなお子様であることがよく調べなくてもわかる。だから、こうした店はナルトの好む傾向にあるだろう。
だが、ファミリーレストランは本来なら、子供が親に強請って連れて行ってもらう場所だ。そのため親のいないナルトは滅多に来る機会がない。いや、まったくなかったに違いないのだ。それどころか、ナルトはこの里にあっては普通の店ですら出入り出来るか怪しい状況だ。
興味がないから入らないと、興味があっても入れない、ではかなり違うと思う。任務帰りに何度かファミレスのガラス窓を気にするお子様に気付いてからは尚いっそうだ。
黄色いお子様フリークの大人がこの状況を放って置くはずがない。
(そういえばあの人もいい年してお子様ランチが好きだったよねぇ)
そんなことを自宅で何時間かつらつら考えた結果、ナルトをファミレスに連れて行こうと結論に達した。もちろんナルトの意見はまったく聞くつもりなどなかった。カカシの独断である。
そんなわけでお子様に合わせた場所を選んだつもりだったのだが、果たしてあの子は喜んでくれただろうか。自分の独り善がりでなければいい、と思うばかりである。ポケットにくしゃくしゃにしたレシートを入れ手を突っ込んだまま店外に出ると、きゅっと忍服の裾を引かれた。
「せんせー、今日はありがとってば」
後ろに気配を感じて振り返ると先に店外に出ていたナルトが自分の服の裾を掴んでいた。
「オレってばこーいうお店に入んの初めてで、うれしかった…」
真っ赤になった頬。ちょっと尖った唇。恥ずかしげに彷徨う伏し目がちの視線。
「―――っ!」
クる。これは。既に物理的な攻撃だ。
こんな何番煎じかわからない手も、この子から使われるとそれだけで新鮮で、簡単に引っ掛かってしまう自分に苦笑するしかない。
「っっっかっっわっっ」
己の頭上数十センチ上で口布を覆うように赤面した上司にナルトは、こてんと首を傾げる。カカシは「へ?」と「え?」の間で固まっているお子様の頭を痙攣する指先に気付かれぬようくしゃくしゃと撫でつつ「なんでもないよ」と笑った。
「にしし。変なせんせー」
この、はにかんだ笑顔を見れただけでも今日、この子をこの店に連れて来て良かった。
「あー、マジで食っちゃいたい」
「なにがだってば?」
「ナルトって何歳だっけ」
「12歳だってば」
「あー、そー…じゅうにさい…」
ガックリと項垂れた大人は「手ぇ出したら犯罪かなぁ」だなんて当たり前のことをブツブツと呟いて今日も自分の商店街での風評を悪くする。
木の葉茶屋通りに面するファミレスのボックスの席に、はたけカカシは教え子の金髪の子供と向かい合うようにして腰掛けていた。
もちろん任務が終われば何かの一つ覚えのように「シュギョー、シュギョー!」と騒ぐ子供を「今日はせんせぇとデートしようねぇ」等、頭の螺旋が弛んでいるとしか思えない発言と供に拉致するように連れて来たからに他ならない。
「ナールト、何食べたい?」
今日はせんせぇの奢りだよー、と薄っぺらな笑顔を貼り付けて目の前の子供に笑いかける。子供が大好きな優しい大人の笑顔だ。
「なんでも好きなもの頼んでいいよ♡」
もちろん、片肘を突けながら語尾にハートマークをつけることも忘れない。顔が良いということは何かと得である。例え顔の80%が額当てやら口布に覆われていようと傍目にはいい男。黙っていれば、大概の女は騙されるんじゃない?(可哀そうに)とは、アンコと紅コンビ談である。
――だから、ほら。即座に真っ赤になって俯いた子供を見て、可愛いなぁ等、自分の笑顔がもたらした効果について、確信犯の笑みが抑えられない。まだまだナルトとは教師と生徒の間柄ではあるが、自分に対して意識をしてくれることはかなり嬉しいし、最初は優しい大人としてでいいから、この子の警戒心が少しでも解ければいいと思う。
「先生、上忍だからねー。お財布の中身のことは心配しなくていいからねー♡」
暗にどこかの中忍と違うんだよ、と刺のある発言をかましつつ、傍目にはどこまでも優しい大人を演じる。
「なんでもって言われたって…オレってば今日はいっぱいしゅぎょーしようと思ってたのに…」
「んーなぁにー?」
「なんでもねぇってば…」
ニコニコした大人の向かいで、初めてのファミレス、それも誰かと一緒の食事に緊張していたお子様は、メニューに視線を落としたまま、ぷっと膨れた。ふくれっ面になっているのは、おそらく無理矢理連れて来られた建前状、不機嫌ですよ、というポーズを取っているのだろう。
そんな顔をされても可愛らしいだけで、目の前の変態上忍の表情を弛ませるだけなのだが、天然気味なお子様はいまいち気が付いていないようだ。カラフルな写真付きのメニューに視線を彷徨わせたあと、ひときわ夢が溢れているデザート欄のところをちょこんと指を指した。
「んじゃ、すとろべりぃぱふぇがい…」
「っっっか」
「……?」
テーブルに突っ伏したカカシをきょとんとした顔でナルトがこちらを見ている。
「いや、ごめーんね。なんでもなーいよ♡」
あははは、と軽やかに笑った大人をナルトは不思議そうに見詰める。
「ナルトはストロベリーパフェ、ね…。それじゃあ、先生はコーヒーにしようかな~」
頭にハテナマークが飛んでいるお子様を余所に、カカシは傍目には格好の良い大人を演じつつ、店員に注文を告げる。しかしその内心と言えば…。
ストロベリーパフェって!
ストロベリーパフェって!
ナルト。おまえ、かわいすぎデショっ!!
オトコノコなのになぁ…。なんでこんなにかわいいんだか。
(はぁ…。食べるものまでかわいいなんて反則過ぎ…)
変態的な嗜好を持つ大人の腐った頭を一般公開したならば、きっと今頃この大人は警邏隊に捕まっている。火影が知ったならば、暗部を出動させる騒ぎに発展するに違いない。しかし、そこは感情を殺すことに長けた上忍なのである。卒がない。
「おいし~い?」
自分の顔と同じくらい大きなパフェと格闘を始めたお子様に、にこにことした笑みを崩さないまま問いかければ「もきゅ」と生クリームをたっぷり口の回りに付けたお子様が首を傾げた。カカシは危うく鼻血を出す寸前で思い留まる。ナルト+ストロベリーパフェ=破壊力ぱねぇ。上忍の持てるだけの理性を総動員してふるふると小刻みに震えるだけで留めているが、いつ暴走してナルトを押し倒してしまうかわかったものではない。
何故か犯罪が起こるか起こらないかの瀬戸際に立たされたファミレスだが、傍目にはカップルと家族連れの客で賑わい長閑な雰囲気を保ってる。ただこの店の店長だけが厨房の陰からボックス席に座る大人と子供を発見し、「写輪眼のカカシーーーっ!?」と絶望的な悲鳴を上げた。
――忍と手裏剣は避けて通れ。
木の葉商店街に出店するにあたって前任者から忠告された注意事項が頭をよぎる。怪しげなチャクラを発散させる上忍を前に店長は店の治安の危機に震えた。彼は何故こんな店にいるのだろう。もしや、この店が任務の戦場に?
もし、上忍が暴れ出したとしても、彼やスタッフに止める力はないし、里が稼ぎ頭である上忍が起こした騒ぎについて火影が関知してくれる保証はないのである。最悪は泣き寝入り。実家の母が「おまえは自慢の息子だよ」とニコニコ笑ってる幻覚が、走馬灯のように浮かんでは消える。ああ、もう駄目だ!
「せんせーは他に食べねぇの?」
そんな店舗の危機を余所にパフェ用の細長いスプーンをもむもむと咥えたまま、ナルトは上目遣い気味にカカシを見詰める。とろりとストロベリーベースのソースがアイスと共にナルトの唇の端でとろけた。
「んー。コーヒーで十~分かなぁ?」
「………」
お子様の魅惑的な光景に笑みを張り付かせたカカシの返事に、ナルトは何事か考え込んでいるようである。
「それ、おいしいんだってば?」
「ま。美味しいと言えば美味しいよ。おまえには不味いと思うけどねぇ」
「む…オレってば、こーひー飲めるモンっ」
ちんまりと縮こまり、ストロベリーパフェを咀嚼していたナルトは、貸してくれとばかりにカカシのコーヒーに手を伸ばす。
「飲むの?飲んでもいーけど、おまえの飲めるコーヒーってコーヒー牛乳じゃ…」
大丈夫だってば!と両手でカップを掲げたナルトは、男らしくグイッとブラックコーヒーをひと飲み。
「ふっっぐ※☆△×~っ」
「どぉ?おいしかった?ははは、かわいー。ナルト、ぷるぷるしてる」
「んっっっまく…な。ふぇ…笑うなーせんせぇ」
はははー、と笑う大人の大人らしい仕草が余裕という感じで面白くなくて、涙目になって大人を見上げると、目の前にスプーンが出された。
「はい。あーん?」
かぽっと口の中に半ば無理矢理差し込まれたスプーンの上にはたっぷりの生クリーム。スプーンの柄から、大人の指を辿って大人の顔を見れば、これ以上ないほど優しい顔をした大人がいて、「ん?」と片目だけ細められた瞬間に何故かナルトが真っ赤になっていた。
「だっっもっっ。せんせぇこっち見んなっ、てば」
「えええっ!?なんでえええええナルトぉ!?」
テーブルに手を突いて立ち上がった大人と、ゆでだこのようになったお子様のせいで一時店内は騒然となり、ウェイトレスは皿を何枚が落とした。カカシが立ち上がった瞬間、店長が泡を噴いて床に卒倒した。
何故か引き攣った笑みを浮かべるファミレススタッフからおつりを受け取り、いくらかチップを上乗せし、またヨロシクと声を掛けると店長らしき人物が小さく悲鳴を上げた。
小首を傾げつつ、会計を終える。
本当は、カカシの財力ならもっと別の店に連れて行ってもいいのだけど。
(だって、ナルトってこういう店好きそーなんだもんなぁ)
きっと値段の高い料亭より、ナルトの場合はファミリー向けのありふれたチェーン店のほうが何倍も喜んでくれるような気がしたのだ。
(あこがれっていうのかねぇ。あの子の場合、そういうのがいちいちありそ…)
自分もどちらかと言うと家庭環境に恵まれたほうではなかったから、ファミリーレストランなどに入ったことなどなかったが、(そもそもこうした店は近年木の葉に進出して来たためカカシの幼少時代にはなかったような気がする)もし入る機会があったとしてもカカシは可愛げのあるお子様とは程遠かったから、ああした子供っぽい料理の数々を前にしても他の子供のようにはしゃがなかっただろう。小さな頃から父のマネをしてか嗜好の遺伝か魚系の淡白な食事が好きな渋いお子様であったのだ。
一方ナルトといえば、ジャンク系の食べ物が一等好きなお子様であることがよく調べなくてもわかる。だから、こうした店はナルトの好む傾向にあるだろう。
だが、ファミリーレストランは本来なら、子供が親に強請って連れて行ってもらう場所だ。そのため親のいないナルトは滅多に来る機会がない。いや、まったくなかったに違いないのだ。それどころか、ナルトはこの里にあっては普通の店ですら出入り出来るか怪しい状況だ。
興味がないから入らないと、興味があっても入れない、ではかなり違うと思う。任務帰りに何度かファミレスのガラス窓を気にするお子様に気付いてからは尚いっそうだ。
黄色いお子様フリークの大人がこの状況を放って置くはずがない。
(そういえばあの人もいい年してお子様ランチが好きだったよねぇ)
そんなことを自宅で何時間かつらつら考えた結果、ナルトをファミレスに連れて行こうと結論に達した。もちろんナルトの意見はまったく聞くつもりなどなかった。カカシの独断である。
そんなわけでお子様に合わせた場所を選んだつもりだったのだが、果たしてあの子は喜んでくれただろうか。自分の独り善がりでなければいい、と思うばかりである。ポケットにくしゃくしゃにしたレシートを入れ手を突っ込んだまま店外に出ると、きゅっと忍服の裾を引かれた。
「せんせー、今日はありがとってば」
後ろに気配を感じて振り返ると先に店外に出ていたナルトが自分の服の裾を掴んでいた。
「オレってばこーいうお店に入んの初めてで、うれしかった…」
真っ赤になった頬。ちょっと尖った唇。恥ずかしげに彷徨う伏し目がちの視線。
「―――っ!」
クる。これは。既に物理的な攻撃だ。
こんな何番煎じかわからない手も、この子から使われるとそれだけで新鮮で、簡単に引っ掛かってしまう自分に苦笑するしかない。
「っっっかっっわっっ」
己の頭上数十センチ上で口布を覆うように赤面した上司にナルトは、こてんと首を傾げる。カカシは「へ?」と「え?」の間で固まっているお子様の頭を痙攣する指先に気付かれぬようくしゃくしゃと撫でつつ「なんでもないよ」と笑った。
「にしし。変なせんせー」
この、はにかんだ笑顔を見れただけでも今日、この子をこの店に連れて来て良かった。
「あー、マジで食っちゃいたい」
「なにがだってば?」
「ナルトって何歳だっけ」
「12歳だってば」
「あー、そー…じゅうにさい…」
ガックリと項垂れた大人は「手ぇ出したら犯罪かなぁ」だなんて当たり前のことをブツブツと呟いて今日も自分の商店街での風評を悪くする。
ナルトを可愛くし過ぎたかんがありますが、きっとそんな需要もあるんだって…信じてるんだからね!!あとカカシにぱねぇって言わせたかっただけ。
せっかくなのでパソの中で埃をかぶってたものをアップしてみる。
これのおまけ。→http://nekobiyori12.blog.shinobi.jp/Entry/263/
日記の方にアップするとつめつめぎゅうぎゅうになるね。読み辛くってすみません。改行があんまり好きじゃないんだ。
これのおまけ。→http://nekobiyori12.blog.shinobi.jp/Entry/263/
日記の方にアップするとつめつめぎゅうぎゅうになるね。読み辛くってすみません。改行があんまり好きじゃないんだ。
吸血鬼は、ナルトのことを「非常食」「子供」と呼んだ。雑な時は「ガキ」「クソガキ」となって、あとは、おい、とか、そこの、とか、そんな感じだ。ただ単にナルトと呼ぶ時はごく稀で、ほとんどない。けれど、存在を認識してもらっているだけで、ナルトは満足で、名前の呼び方なんて実際、どうでもいいことだった。事実、ナルトの本名はナルトではなくもっと長ったらしい今にも舌を噛みそうな名前だったのだが、拾われた当時まだ幼かったナルトは、自分の正式な名前を発音することも出来ず、なのでめちゃくちゃ略した言い方で自分を呼んでいた。だから、吸血鬼に自分の名前を教えた時もナルトはナルトで通し、やがて成長するにつれ昔の名前を忘れてしまった。ナルトは彼に拾われた瞬間から、ナルトになり、それ以外の何者でもなくなった。吸血鬼は無愛想で素っ気なかったが、ナルトはすぐに彼が大好きになった。
吸血鬼といえば、ちょっとしたことで仔犬のように纏わりつく子供を疎ましく思っていたものの、孤独の生活が長く続いていた彼だったから、邪険に扱うことはあっても、物珍しさも手伝って概ね友好的に子供と接していた。もっとも、ナルトは人間の子供であったから、それはいろいろ差し障ることもあったが。
ナルトが拾われて翌晩のことだったと思うが、小さな納屋を密閉しただけの寝床から起き上がったカカシは、部屋の隅っこにいる人間の子供に、おなかが空いたと訴えられ、愕然とした。
「そうか、何か食べないといけないのか」
その時は、偶然、部屋に転がっていたしわくちゃのりんごを発見し、なんとかそれで凌がせたが、彼は、彼と別の食事をするこの子供のために、これから毎日、何らかの食物を用意し与えなければいけない、という当たり前の事実をその時初めて突き付けられ、酷く狼狽した。正直、面倒だと思った。彼は自由気ままな生活を送っていたから、何かに制約される暮らしに慣れていなかった。今からでも遅くないから同じ場所に捨てに行くか、と半ば本気で思った。だが、自分を一心に見詰めてくる純粋そうな碧いまなこに結局カカシは根負けしたらしい。大きなため息を吐くと一言。
「とりあえず今晩はそれで我慢してくれよ。あとで適当に見繕ってくるから。好きなものとか、嫌いなものあるか?」
慣れない会話だった。希望通りにするつもりもないのにガキの好き嫌い聞いてどうする。あまりに普段の自分の会話内容とかけ離れているので、つい余計なことまで付け足してしまう。だから「なんでもいい」と言われて内心ほっとしたくらいだった。
「オレはこれから食事に出掛けるけど、大人しくしているよーに。ここら辺は治安が悪いからくれぐれも出歩かないこと。何かあってもオレは一切感知しない」
言い切って子供を見ると、子供はうつらうつらと舟を漕いでいた。
「これだからガキは…」
カカシは苦虫を噛み潰して外套を翻すと納屋を後にした。
キャバレーで女と少しばかり愉しみ、帰りに人狼のアスマに会ったのがいけなかったのかもしれない。少しばかり子供と隠れていた納屋に戻る時間が遅れた。
カカシが扉を開けた瞬間、黄色い物体がカカシの懐に向かって激突してきた。
「おい。いきなりなんだ…。おまえ…」
「………」
爪が白くなるほどしがみ付かれ、ようやくそこで子供が震えていることに気付く。寒かったのか、と思ったが、どうもそんな様子はない。だとすれば、と考えを巡らしてカカシはああと合点した。
「バカだなぁ。捨てられたと思ったの?ちゃんと帰ってきただろ。せっかく保存してる非常食を置いていくわけないデショ?なあ、よく考えてみなさいよ?」
それでも頑なな態度で頬を擦り寄せられ、カカシは今までに感じたことのない言いようのない感情に満たされた。
それは同情でもないし、ましてや愛情でもない。――ああ、このか弱い生物はオレが少しばかり気まぐれを起こしただけで意図も呆気なく死んでしまうのだ…。それは、確かに付き付けられた事実だった。だが、カカシにはそれがなんとも甘美なものに感じた。
人間との生活は面倒だったし、くたびれた。それでも彼は、子供を見捨てなかった。何度、放り出そうと思ったかわからない。しかし、彼を信頼しきって懐いてくる子供を見ていると、いかに非情になりきろうとしても心が鈍った。
そしていつしか年月が流れ、子供は少年へと成長した。
「ねぇ、ナルト。オレはあの時、おまえを拾って本当に良かったと思っているよ」
「唐突になんだってば。カカシ先生?」
「いや。少し昔のことを思い出してね」
カカシは隣を歩く少年を見降ろすと、優しく微笑んだ。カカシはこの界隈の社交界でも名の知れた伯爵、ナルトはその少年従者ということになっていた。従者の恰好をしたナルトを満足そうに見降ろしたあと、カカシはそっと少年の耳元に囁く。
「ねぇ、いい加減人ゴミにも飽きたし、そろそろ帰ろうか…?」
伯爵に扮した吸血鬼のカカシは従者であり今は恋人でもある少年の肩を抱くと、街燈の少ない路地裏に溶ける様に消えていった。ここにカカシの正体を知る者はいないし、二人の存在を怪しむ者もいない。
――実際、嫌われ者の吸血鬼をこれほど真っ直ぐに好いてくれる人間に出会ったのは初めてだったのだ。いつしか彼も子供を愛し始めていた。
伯爵に扮した吸血鬼のカカシは従者であり今は恋人でもある少年の肩を抱くと、街燈の少ない路地裏に溶ける様に消えていった。ここにカカシの正体を知る者はいないし、二人の存在を怪しむ者もいない。
――実際、嫌われ者の吸血鬼をこれほど真っ直ぐに好いてくれる人間に出会ったのは初めてだったのだ。いつしか彼も子供を愛し始めていた。
もう二人はいろいろ致しています。
悪魔が家へやってくる
子供は先程から視線を上げて下げることをしきりと繰り返している。キッチンで客人用らしき牛乳をコップに注ぐ時から子供の視線を嫌というほど感じていたが、それをあえて無視してカカシは子供の家のリビングで椅子に腰掛けていた。ちなみにこの家で唯一の椅子なので、子供は立ちっぱなしだ。
「この牛乳、賞味期限切れてなぁい?」
呆れるほどの視線の上げ下げの後、テーブルの上に恐る恐るといった調子で出された飲み物に文句を垂れると、子供が目の前で物の見事に固まっている。ごとん、と音がしたと思い、視線を下げれば、テーブル一面に真っ白な液体が零れていた。
「いや。別に怒ってないし」
興味がないのだ。怒りすらも感情から摩耗し、冷めているというわけでもなく、ただ何も感じないだけ。唯一綺麗だと感じたあの人を失ってから何もかもがどうでもいい。だが、ついと視線を下ろしてみれば、ぽかんと自分を見上げる子供の姿に気が付く。
「なに」
カカシが問いかければ、子供はぶんぶんと大きく頭を振る。そのまましばしの無言。気まずい沈黙が室内に充満して、自分はどうしてこのガキの部屋にいるんだっけ?というようなわりと初期の段階で悩んでおくべき事柄を考える。
カカシが子供のことを他の人間よりほんの少し気に掛ける理由といえば、子供がかつて師と呼んだ人の息子であって、煌めくような金糸と碧い瞳がうり二つで、そんな子供が里で惨めな境遇を受けているのが、常人よりも僅かに気にくわない、とただそれだけであったはずだ。
子供といえば零した牛乳を気にも止めず、少しだけひしゃげたカップラーメンをダンボール箱の中にぎゅうぎゅうと押し込んでいた。ふと、子供が酷く痩せていることに気が付く。栄養の足りない食生活を送っていれば当たり前だろう。カカシはそれを哀れとも可哀想だとも感じない。ただ、子供のやけに着古して擦り切れたTシャツから覗く腕があまりにか細かったので、この子供に暴力を振るう大人の気が知れないなと思っただけだった。
子供は部屋のあちこちをうろちょろしたあと、カカシの膝元にやって来た。物言いたげな瞳ではない。しかし、驚くほど大きな瞳でじぃっとこちらを見てくる。
「この牛乳は大丈夫だってば、あと一日は」
両の手で差し出されたコップ一杯の牛乳をカカシはやや呆然とした顔で見下ろす。もっとも、青年の顔は犬の暗部面で覆われていたので、子供からはその表情は窺い知れない。
「ありがとな…」
カカシは子供からコップを受け取ると、にしゃっと失敗したような笑みが返ってきた。子供から貰った牛乳をテーブルの上に置き(牛乳が零れたままだったので、べしゃっという音がした)、目の前で揺れる金色頭に視線を流しつつ、手持ち無沙汰になる。
ああ、子供の扱い方ってどうしたらいいんだっけ。人の殺し方ならいくらでも知っているというのに、今目の前にいる子供とどう接していいか皆目わからない。暗部のカリキュラムには子守任務なんてありはしないんだ。子供ってどうしてこう弱っちそうで、でこ突いたら泣き出してしまいそうで、それでいてやけに純粋なのだろう。
別に自分は新しい牛乳が飲みたかったわけではなく、いやだからといって腐った牛乳で良かったのかと問われればそういうわけでもなく、〝つまり〟〝だから〟を傍目にはクールそうに繰り返す暗部の青年を子供は不思議そうに見上げている。
「ん」
カカシは考えあぐねたあげく目の前にあった金髪頭をくしゃくしゃとかき回した。とくに意味などなかったが、子供の髪の毛はパラパラとあちこちに跳ね、散らばった鳥の巣のようになった。子供はびくんと痙攣してから頭上を浮遊する手を凝視する。
「んー。イイコ、イイコ…」
まるで頭の足りない人間がいう台詞だな、と面の下で自嘲気味に嗤い、ふと手の平の下の子供の顔を覗き見て、ぎょっとする。子供は泣いていた。
いや、待て。やはり牛乳は飲むべきだったのか(しかし暗部の規則で面を取るわけにはいかないのだ)、それとも頭を撫でられるのが嫌だったとかいうのだろうか。オ、オレの下に小宇宙が広がってる…。理解に困ったカカシは表面上は完全にフリーズして、子供の頭の上に置いた手を動かすことも出来ずに、肩を震わす子供を見降ろす。頭の中でミニチュア版の自分が「どうする!?」と書かれた大きな荷物を持ちながら右へ左へとあわくって盛大にコケるが、されど解決策が見つかるはずもなく、だからといって一旦置いた手を退けることも出来ず、泣く子供を前に暗殺のプロと呼ばれる暗部がいとも簡単にフリーズする。しばらくカカシが「あー」とか「う゛ー」とか唸っていると、
「オレってばこんなにやさしくされたの初めて…」
「はぁ!?」
子供がぼそりと口を開いた。なんだそれ。頬を真っ赤にした子供を見降ろす。〝いいこ、なんて言われたのも初めて〟手の平の下のお子様は、一生懸命嗚咽を押し殺しているが、ぐす、ぐすと途切れ途切れに嗚咽が漏れてくる。
今までの一連の己の動作を振り返ってみるが、自分がもし子供だったとして、テーブルに頬杖を突いたまま役に立たない大人だなんて、大人と認めるにはあまりに過不足で…――いやだねそんな大人。自己判断であっさり下した結論は、しかし目の前のお子様には当てハマらなかったらしく、子供の中での最高点を弾き出したらしい自分にくらりと眩暈がした。
零れたままの牛乳がテーブルを伝い床にまで達していた。子供は床に広がる白い液体を踏んでいるが、まったく気にしていないようだ。(衛生観念の低い子供である)
試しに、置いたままだった手で子供の頭を再び掻き回してやる。にしし、と手の平の下で子供が笑った手ごたえを感じ、ああ、こうしてやれば良かったのか。たったこれだけ。たったこれだけのことでこの子供には良かったのだ、とそれが堪らなく胸を締め付けられた。
「ねぇ。一緒にお昼寝しようか?」
「へ?」
「今日の任務はおしまいにすることにしたんだよね」
おまえの監視任務。そうとは言わずに、子供を抱き上げれば、見た目通り酷く軽くて、甘ったるい匂いがした。散らばった空き缶だとか、ゴミ箱に投げ損なった紙屑を避けて歩きながら、カカシは子供をベッドへと運ぶ。子供の部屋というのは全てのスケールが小さい。数歩進んだだけで、何もかもがこと足りてしまい苦笑を禁じ得なかった。
「かーわいいね、おまえ」
子供用のベッドは大人には小さ過ぎて、暗部服のまま身体を丸めて寝転がる。強張った背中を抱き込むようにして瞼を閉じれば、そよそよと金色の毛が顎に当たった。
「悪い大人に捕まったら、オレに教えなさい。今日からおまえのこと守ってあげるから」
火影の命令?暗部の禁則事項?それどころじゃないんだ。カカシは腕の中に囲った子供をぎゅうぎゅうと抱き締めながら、幸福な眠りに身を任せた。
*カカナルです。
--面影ノイズ---
夕焼けの帰り道を歩いていた時のことだと思う。文房具屋の角を曲がったところでばったり懐かしい人物と出くわした。同級生とはいえ、アカデミーを卒業すれば、以前のように毎日顔を合わせることもなく、だから道端で出逢ったのはまったくの偶然、そのままどちらからともなく並んで歩き出したのは、まぁ成り行きだった。実をいうと彼とは特別親しかったわけではない。連絡を取り合うような友人などではなく、ただ自分の幼馴染と彼が親友同士であったので、お互い顔と名前をなんとなく知っていた、ただそれだけのことだった。
ろくに舗装もされていない畦道に伸びる二本の影。空を見上げれば蝋燭の炎のように揺らめく夕日。古びた家々の裏路地はすでに薄暗く、対照的に陰になってない壁や塀は全て赤に侵食されていた。公園の前を通るとすでに子供たちの姿はなく、帰宅を告げる柱時計のメロディだけがどこか遠くで聞こえていた。
「この道を通って帰るの久しぶりだわ」
「奇遇だねぇ、実はオレもだよ」
誰も座っていないブランコを眺めつつ、隣にいる彼に視線を上げる。在学当時と印象の変わらない薄い唇でふっと微笑まれ、寂しそうに笑う人だと思った。
「同級生であーこいつ誰だっけって奴いない?顔は思い出せるんだけど、どうしても名前が出て来ないの」
「ああ、いるねぇ。妙にオッサンになってる奴もいるし」
「そうなのよ。この間、木の葉茶通りで、絶対どこかで見たことのある顔に声を掛けられちゃって、向こうは〝やぁ、久し振り〟だなんて親しげな挨拶なの」
「最悪のパターンだ」
「そう。でも私は、どーしても思い出せないのよ。あっちは私のことを知っているのに」
「喉元まで出掛かってるんだよね」
「あと一息なのよ。でも、駄目なのよね」
「わかる、わかる」
それからアカデミー時代の思い出話になって、あの先生相変わらず口煩いのかなとか、あの校則はなかったよなとか、そういえば校舎裏の卑猥なラクガキまだあるかなあそこは不良の溜まり場だったよなと彼が言えば、それは貴方たちのことでしょう私は一度も叱られたことなかったわ、と話し出したらきりがなく、確かに彼は同じ校舎で十代の一時期を過ごした人だった。
「大体なんで女子のスカート丈が膝下だったのかな。そこは見せておくべきでしょーよ、若いんだから」
「うわ、最低発言」
「ま、隠れていたほうが逆にソソるけどねぇ」
「もうおじさんの発想だよ、きみ」
「いやいや、世の男なんてみんなこんなもんですよ?」
「あ、綺麗なお姉さん」
「え、どこどこ」
「アカデミー時代にあなたのことを好きだった子に激しく同情」
「いや、男のエチケットとして関心を示めさなきゃいけないでしょここは一応。こら、なんですかその人を蔑ずんだ目は」
お互い顔を見合わしてどちらからともなく笑い合う。赤紫色の雲がゆっくりと靡いて、いつもよりゆったりした歩調で歩く帰り道は、どこか非日常で面映く、それからぽつぽつと会話をしているうちに自然と共通の友人の話題となった。
「仲間内であいつの結婚が一番早かったのは意外だったね。だってまだ十代よ?」
「あいつは寂しがり屋だったからね」
「さすがは幼馴染」
くすくすと笑いを噛み殺した彼の夕日のせいで暖色に染まった横顔にふと釘付けになる。切なそうに顰められた表情の意味をたぶん自分は知っていた。
「あなた、あいつの奥さんのこと好きだったでしょ」
「…無粋なこと聞くね。そういうあんたはあいつのこと好きだったんじゃないの?」
「残念でした。私とあいつはただの腐れ縁」
「ちぇ。オレだけ貧乏くじかよ」
猫背気味な背中をさらに丸めて道端の小石を蹴るさまが可笑しい。こんな人だったんだ、というのが素直な感想。だって、もっとストイックな人だと思っていた。アカデミー時代の彼は廊下で仲間同士でバカ騒ぎしていてもどこか一線を引いている感じで、一部の女子生徒からは憧れの対象となっていたけれど、同時に近寄り難い雰囲気を出していた。だけど実際、喋ってみればとっつきやすくずっと身近な感じで、会話のテンポといいなんといい、なんていうかこの間の取り方は嫌いじゃない。
「あいつはバカだよなぁ。あんないい奥さん残して死んじまうなんて」
「うん、バカだねぇ。昔っから抜けてる奴だったけど何も結婚してすぐ死ぬことないよね」
「任務中に戦闘に巻き込まれそうになった一般人の子供を助けたんだっけ?」
「そ。あいつらしい最後だと思う。あいつ子供好きだったもん」
そのまま二人はしばらく無言、ただただ舗装もろくにされていない地面を歩く。職場から少しだけ遠回りになる効率の悪いこのルートは幼馴染の生家へと続く道で、小さな頃はよく二人で手を重ねて歩いた。やんちゃをして遊び疲れた帰り道に、見上げた夕日が綺麗で、門限も忘れ、ただ呆然と真っ赤な太陽を二人でバカみたいに魅入ったあと、どろんこのお互いの姿を思い出し笑い合った。また明日ね公園でねといって別れた、そんなセピア色の記憶。懐かしくて、通りの隅々にまであまりにもいろんな思い出が溢れているから、幼馴染が死んで以来、自然と足が遠退いていて、今日はなんとなく昔見たあの夕暮れ刻のようにあまりに夕日が綺麗だったから、この通り道で帰ろうかなと思ってしまった。その途中で同じ面影を引きずっている人と出くわしたのはまったくの偶然、だけど二人が並んで歩き出したのは必然。とぼとぼ歩く二人が辿り着いたのは小さなアパート。そこは幼馴染の生家からほど近いかつて二人の若い夫婦の新居だったところで、現在は奥さんの一人暮らし。呆けて見上げたあと、やはりどちらからともなく苦笑。
「プチストーカー」
「や、あんたも同罪でしょ。なんでオレだけなの」
「私は女の子だもの」
「ひど。横暴な人だなあ」
「片想いは切ないですな」
「今は未亡人だろ。イケないかなぁ」
「弱ってるとこにつけこむとは卑怯な男だよ、きみ」
「どうとでもいいなさい」
「色魔、淫乱、尻軽男、すけこましー」
「すいません、やっぱり慎んでください」
女の子なら恥じらいを持とうよとナチュラルに突っ込んでくる彼に「十代の生娘じゃあるまいし何を今更」と言えば、この女さいてぇだという顔をされた。
「男の恋心をバカにしないでよ」
「んじゃ、心の中で激しく応援」
「……それ伝わらないよね?ちゃんと声だそうよ、そこは。ほら、アグレッシブに!」
「テレパシーを送っているのがわからないかな」
「あんたは、電波系か」
「ああ、哀しきかな。私の思いは受信拒否…」
ついてけねーと片手でこめかみを押さえる彼に苦笑して、気がつけば、別れ道に差し掛かっていた。お互いの足が停まる。振り向けば夕日も半分ほど隠れてしまって、オレあっちだからと彼が右側を指差し、私はその反対だから、ここでお別れだねということになった。だけどなんとなくお互いに歩き始めることもなく、ややしばらくの沈黙のあと、ああ、ちょっと離れがたいかもなんて思ってしまったのはまったくの本心で、すんなりと「ねぇ、今から飲みにいこうよ」なんて言葉が出た。
「は?」
「うんおネェさんが励ましてあげるよ?ついでに恋の相談にも乗っちゃう」
「…あんた、同じ年でしょ」
「そこは精神年齢設定でお願いしますよ」
まあお悩み相談とか職業柄なれてるしと言えば、不思議そうなお顔。
「私、これでもアカデミーの教師なのよ?」
先生の悪口の口止め料に奢って貰おうかな、なんて言って片目を瞑ると「ええ~」となんとも情けない顔で、詐欺だと呟いた彼を残し繁華街に足を向けるとしばらくの逡巡のあと、軽快な足跡が追いかけてくる。
「あ、あれ。珍しい光景を見た。きみ、見ておくべきスクープだよ、あれは」
「え、何何」
「ほら、あそこ。下忍の子と歩いてるわ。我等の学年でナンバーワン有名人にして幻の同級生が!」
「あ、本当だ」
名物とも言えた同級生の出現に私も彼も破顔してお互いに顔を合わせ、せーので声を揃える。
「………はたけカカシ!」
我が学年で、短期間だけ在学した幻の同級生がいる。入学してたった数日でアカデミー教師を床に圧した、伝説のアカデミー生、はたけカカシ。同級生の中で最年少にして一番体の小さかった彼は、アカデミーの全てを「稚拙だ」「くだらない」と切って捨てた。ある意味アカデミー始まって以来の問題児だ。しかしはたけカカシは全ての科目、全ての面で誰よりも優秀な生徒だった。手裏剣は手本より淀みなく命中し、暗号解読の授業では教師でさえ解けない問題を作った。
そんな全ての面に置いて秀でている彼に私たちの学年は入学してたった数日で「くだらない」と烙印を押されたのだ。純粋ないちアカデミー生からすれば、はたけカカシの発言はカルチャーショックとしか言いようがない。当時、子供らしい子供だった私は、自分たちがこれから真っ直ぐに目指すべき道と夢を一気に壊されたような、理不尽な怒りを味わった。幼少時代の私は子供ゆえに潔癖な精神の持ち主だったのだ。もちろん、融通が利かないという意味で、だ。
だけど翌日、はたけカカシの居なくなった教室で、負傷した教師から彼は別格だったのだと、まるではたけカカシは透明人間で始めからいなかったような説明を受けた時、どこか引っ掛かりを覚えた。それは魚の小骨が喉に刺さる程度だったが、確かに私の胸に刺さったのだ。
里一の変わり者、天才にして、はぐれ者。彼の名前が有名になるにつれ、彼が忍として優秀な噂を振り撒くにつれ、あの時の教師たちの判断が正しいような錯覚に囚われた。心のどこかでアレは間違っていた、と自分が叫んでいるのに、世間はアレで良かったのだと訳知り顔で大人面するのだ。今思えば、彼はアカデミーで自分を理解してくれる教師と出会えなかったのかもしれない。アカデミーの教師たちは多かれ少なかれ、彼の才能に対してひがんだ視線を送っていたのではないだろうか。私が教職を選んだのはもしかしたら深層心理で、彼を除外することで均衡を保とうとしたアカデミーに疑問を感じたからかもしれない。アカデミー生の魂も大人まで。うむ、なかなか良い格言だ。明日、子供たちに話してみようか。
最近、そんな彼が教師として下忍の担当になったと聞いた。九尾の器の子供を受け持って、目に入れても痛くないほどその子供を可愛がっているだとか。里の住民はもちろん眉を潜めている。なかなかやるじゃない、と私はそんな彼の新しい〝人間臭い噂〟を聞くたびどこか誇らしい気持ちになった。
彼はミスターパーフェクトではなかった。けして、忍をやるためだけに生まれてきた存在ではない。一人の人間だったのだ。
―――ああいう人種は忍として華々しく名を馳せるが、長くは生きないから、いいんだ。暗に揶揄した教師陣。かつて、彼を持て余したアカデミーという場に今こそ言ってやりたい。彼は自分でジングスをきちんと打ち破りましたよ、と。
「はたけカカシは幸せになれたのかな」
「天才に不幸はつきものだって言うけどね。どうも、はたけカカシは上手く乗り切ったようだよ」
「流石は我らが同級生殿だ」
うん、良かった。良かったじゃないか。私たちはまるで我が事のように、はたけカカシを祝福した。きっと顔すらも覚えられていない、これからも彼の人生にまったく関係のない人間だが、万感の思いを込めて彼に拍手喝采を贈ってあげたい。だって、たった数日とはいえ彼は同級生だったのだ。
「今日は飲むぞぅ。美味いお酒が飲める気がしてきた」
「おお、それはまったくの奇遇だ。オレもだよ」
プチ同窓会だ、と随分と範囲の狭い飲み会に興じてみよう。幸い、酒の肴など幾らでもある。若くして死んだ友がいる、出来れば這いずってでも生きていて欲しかった。それが私たちの本音。だけど今晩はかつての同級生殿に杯を掲げたい気分だった。
「……それにしても、木の葉茶通りで会った彼は誰だったのかしら?」
「まだ言ってるよこの人」
あはは、と笑い合って、そんな二人の足元には長く伸びる陰法師。もうすぐ落ちる夕日。だらだらと歩く道。辿る二つの足音は面影ノイズ。手を繋いで帰った担当上忍と下忍の子供は、どんな家路に着くのだろう。夕日と幼馴染に感謝しつつ、元同級生の顔を見上げ、まぁ割り勘で勘弁してやるかと足取りも軽い午後五時三十分のことだった。
オリジナルの男の人の喋り方がカカシ先生と似てたのはわざとです。変な話ばかりですいません。
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ここは二次創作小説置場です。無断転載は禁止。本物のカカシ先生とナルトくん、作者様とは一切関係がありません。苦手な人は逃げて下さい。
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管理人の生態
自己紹介
名前 空気猫、または猫
職業 ノラ
趣味 散歩・ゴミ箱漁り
餌 カカナル
夢 集団行動
唄 椎名林檎
性質 人間未満
日記 猫日和
ある日、カカナルという名のブラックホールに迷いこむ。困ったことに抜け出せそうにない。
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